山陰発ピアノPOPバンドのOfficial髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)が1月24日、東京・NHKホールで全国ツアー『Official髭男dism one-man tour 18/19』の東京公演をおこなった。昨年11月の神奈川・横浜Bay Hallを皮切りに2019年2月2日の島根・島根県民会館 大ホールまで全国24カ所をまわるというもの。東京公演は「ノーダウト」や「Stand By You」などアンコール含め全18曲を演奏し、オーディエンスを魅了。この日、6月から始まるZeppDiverCity(TOKYO)での2daysを含む夏のツアー『Official髭男dism one-man tour 2019』の追加公演として、7月8日に東京・日本武道館でおこなうことを発表し、ホールは歓喜の声で満ちた。以下に東京公演のもようをレポートする。【取材=村上順一】

9人編成でのステージ

Official髭男dism(撮影=TAKAHIRO TAKINAMI)

 チケットはソールドアウトということで、会場は多くのファンで埋め尽くされていた。NHKホールは3階の奥までびっしりだ。開演時刻になり、SEの音が流れるなか紗幕にはメンバーのシルエット。幕が上がるとブラス隊やパーカションなど、総勢9名のゴージャスな編成が姿を現した。オープニングを飾った「ESCAPADE」ではそのきらびやかなサウンドに乗って藤原聡(Vo/Pf)の伸びやかで凛とした歌声が響き渡った。

 藤原は「端から端まで皆に届くよう、良いJ-POPを届けていきたい」と、今日の意気込みを話し「SWEET TWEET」へ。軽快なリズムに乗ってオーディエンスも掲げた腕をワイパーのように左右に振り上げる、一体感溢れる美しい光景が広がった。「115万キロのフィルム」では、映画のワンシーンのような演出。ステージにセットされた街灯のオブジェが、曲の情景をより鮮明にしているかのようだった。 

 ここからはバラードセクションへ。情感を込め歌い上げた「相思相愛」は、ホール特有のリバーブ感も加わり、リッチな響きにオーディエンスも酔いしれる。歌唱後のオーディエンスからの拍手がこのパフォーマンスの素晴らしさを物語っていた。エンディングでのシンガロングはクライマックスといった雰囲気さえも醸し出した「Trailer」、ドラマチックな展開で聴くものを楽曲の世界へいざなった「LADY」では、天井からのライトを浴びながら歌う藤原の姿が印象的だった。

 そして、藤原がトーキング・モジュレーター(エフェクター)を使用し、ロボットのような歌声がインパクトを与えた「たかがアイラブユー」を披露。絶妙なバウンス感でオーディエンスの身体を揺さぶりかけていく。そして、楢崎誠(Ba/Sax)がサックスにチェンジし、サポートメンバーの宮田“レフティ”リョウが代わりにベースを担当した「ブラザーズ」。サポートメンバーもステージ前方まで赴き、会場も一体となったお祭りのような盛り上がりを見せた。楢崎は「このメンバーに囲まれたら、これからもっとサックスが上手くなる!」と手応えを笑顔で語った。

 続いて、サポートメンバーがサングラスを着用し届けられたのは、ポップという彼らのイメージを変えた「FIRE GROUND」だ。バンドが生み出すどっしりとしたロックサウンドと、ステージからは炎が吹き出す演出の相乗効果で、熱気とともに会場のテンションもどんどん高まっていくのを感じられた。そして、一体感のあるクラップが会場の隅々まで響き渡った「Clap Clap」、会場全体で一緒に歌い上げた「犬かキャットかで死ぬまで喧嘩しよう!」へと畳み掛け、藤原はオーディエンスに向け「素敵な歌声をありがとう」とオーディエンスに感謝。

新たなスタートを切れた

Official髭男dism(撮影=TAKAHIRO TAKINAMI)

ドラマ「コンフィデンスマンJP」主題歌の「ノーダウト」を披露。ステージから客席へ向け銀テープがきらびやかに宙を舞うなか極上のポップサウンドを響かせた。あと1曲でライブが終わってしまうことを告げると、会場からは「え~!」とライブの終わりを惜しむ声。藤原も「同じ思いです…」と返し、更にこのライブについて、「この編成はバンドがずっとやりたかったことで、新たなスタートを切れたような気がします。またNHKホールで歌いたい、大晦日にもね」と会場を沸かせた。

 本編ラストはオーディエンスもありったけの歌声をステージに向かい放った「Stand By You」。<光あふれた夢の続きは君とともに>と歌詞が力強くホールを満たし、まさにStand By You=そばにいる、ということを感じさせてくれる演奏を聴かせステージを後にした。

 オーディエンスによる“髭男コール”に導かれ、再びステージにメンバーが登場。時間が経つのが早い、またツアーをやるしかないと意気込みを語り、夏のツアー『Official髭男dism one-man tour 2019』の追加公演として、7月8日に東京・日本武道館でおこなうことをサプライズ発表。会場は歓喜の声で満たされた。藤原は「自分が受けたハッピーを皆にも、良い音楽を隅々まで届けたい」と述べ、ポップな「日曜日のラブレター」、極上のグルーヴとソウルフルな歌声を届けた「異端なスター」の2曲を披露。キラキラと紙吹雪がステージを彩るなか、東京公演は大団円を迎えた。

 確かな演奏力と高水準な楽曲、音楽への愛情が感じられるパフォーマンスは、終始オーディエンスの心を掴んで離さなかった。武道館公演も決定し、今年はさらなる飛躍を見せてくれるだろう彼らの2019年に、期待は高まるばかりだ。

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