戸田恵梨香と大原櫻子がダブル主演にして初共演する映画『あの日のオルガン』が2月22日に公開される。太平洋戦争末期、子どもたちのいのちを守るために日本で初めて保育園を疎開させることに挑んだ保母たちの実話を描いた作品。疎開先で暮らす子どもたちが平和で豊かな日常を送れるように、さらに子供たちのいのちを預かり疎開保育園で奮闘する保母たちの折れそうになる心も癒し支え続けたのが“童謡”だった。その童謡は昨年、誕生100周年を迎えた。日本が世界に誇る童謡は現在も映画やCMに数多く使われている。今回は本作とともに童謡が使われた作品などを紹介したい。

戸田恵梨香と大原櫻子が保母役を熱演

 本作は、親元から遠く離れた荒れ寺へ、53人の園児たちと疎開生活をスタートさせ、幾多の困難を乗り越え、託されたいのちを守りぬこうとするヒロインたちの奮闘を描いた真実の物語。

 主役の保母たちのリーダーで責任感の強い板倉楓役には、目覚ましい活躍を続ける実力派女優・戸田恵梨香。等身大な年齢の重ね方が同性からの人気を集める戸田が、満を辞して戦時中を描いた作品にメインキャストとして挑む。

 そしてもう一人の主役、保母の野々宮光枝役には、女優・歌手としてフィールドを広げる大原櫻子。歌と演技の両方を生かせるミュージカルにも挑戦している大原が、天真爛漫で音楽が好きな保母を演じる。

 ダブル主演の戸田と大原は本作が初共演となる。戸田、大原に加え、1000人を超えるオーディションを経て保母役に選ばれたのは、佐久間由衣、三浦透子、堀田真由、福地桃子、白石糸、奥村佳恵といった、全員が様々な話題作に出演し、これからの活躍が期待される女優たちだ。

 また、林家正蔵、夏川結衣、田中直樹、橋爪功ら日本を代表する俳優たちが脇を固める。

 メガホンをとるのは『ひまわりと子犬の7日間』の監督であり、長年山田洋次監督との共同脚本、助監督を務めてきた平松恵美子。さらに、日本アカデミー賞での受賞経験を多数持つ日本映画界を代表する豪華スタッフが本作を支える。

映画のワンシーン。大原櫻子が演じる保母の野々宮光枝のピアノ演奏に合わせて歌う子供たち(C)2018「あの日のオルガン」製作委員会

「童謡」100周年

 本作が描くのは、太平洋戦争末期、子どもたちのいのちを守るために日本で初めて保育園を疎開させることに挑んだ保母たちの奮闘を描いた真実の物語。厳しい戦火の中、幼くして親元を離れて疎開先で暮らす子どもたちが平和で豊かな日常を送れるように、さらに子供たちのいのちを預かり疎開保育園で奮闘する保母たちの折れそうになる心も癒し支え続けたのが“童謡”だ。

 劇中でも大原櫻子演じるみっちゃん先生が弾くオルガンの音色に合わせ、数々の名曲が響き渡る。

 そして、真に価値のある童話や童謡を創作するための文芸雑誌『赤い鳥』が発刊され、「芸術味の豊かな、子どもの美しい空想や純な情緒を傷つけないでこれを優しく育むような歌と曲」を“童謡”と名付けた1918年から、いまや日本が世界に誇る文化となった”童謡”は昨年で100周年を迎えた。

 コンサート、映画など記念プロジェクトが多数催され、2019年にもまだまだ沢山のイベントが続くことが発表されている。

 これに合わせ今回、本作をはじめ、近年も映画やCMで使用され、誰もがどこかで聞いたことのある童謡にフォーカスした。

映画『あの日のオルガン』(2月22日公開)×「どんぐりころころ」、「この道」、「故郷」…

 激しい戦時下に負けじと、保育園を疎開させて“暮らし”を守り抜いた保母たち。オルガンが奏でる童謡は子どもたちにとって、変わらないいつもの毎日を送るための重要な彩りであり、大人たちにとっても元気よく歌い上げる子どもたちの姿は、悲惨な戦争を忘れさせ、平和な未来の希望でもあった。

 劇中の童謡は平松監督自らが選定しており、「どんぐりころころ」、「故郷」、「雀の学校」「赤とんぼ」など誰もが耳なじみの深い16曲もの名曲。その中でも監督が強くこだわった重要なシーンで、みっちゃん先生を演じる大原櫻子と、よっちゃん先生を演じる佐久間由衣が見事に美しいハーモニーを披露する「この道」(※予告編でも登場)は、本作をはじめ映画・CMに引っ張りだこで童謡100周年の日本で改めて注目されている1曲だ。

映画『この道』(1月15日公開)×「この道」(EXILE・ATSUSHI)

 童謡誕生100周年を記念し製作された、奔放な天才詩人・北原白秋とエリート音楽家・山田耕筰の人生を笑いと涙で描きだす、映画『この道』。白秋の波乱に満ちた半生と、耕筰との熱い友情から、100年歌い継がれるわたしたちの童謡が生まれた逸話が語られる。

 映画タイトルにもなった「この道」を主題歌としてカバーしたEXILE・ATSUSHIは、2012年に「ふるさと」、続いて2013年に「赤とんぼ」をカバーしており、本作が童謡カバー3曲目。日本人であることへの誇りや感謝を感じることができる童謡は様々なアーティストからも支持され、オリジナルとはまた異なる歌の魅力に、思わず心を掴まれるはずだ。

CM『LUMINE CARD』、『クノールカップスープ』、『ルートインホテルズ』×「この道」

 『あの日のオルガン』、『この道』と年明けから注目作で続々使用されている童謡「この道」は、過去様々なCMでも使用され、昨年だけでも『LUMINE CARD』、『クノール(R)カップスープ』、『ルートインホテルズ』と3本ものCMがお茶の間に流れた。

 「この道は いつか来た道」と始まるフレーズと落ち着いたメロディが人生の象徴とも捉えられ、人々の胸を打ち、愛されている1曲。“受験生応援“をテーマにした『クノール(R)カップスープ』のCMは、本作のはっちゃん先生役・堀田真由が出演しており、公開わずか4日間で再生回数50万回突破。受験日を迎えた娘の想い、陰で支える母の愛情という母娘の絆がこの曲と相俟って、様々な世代に勇気と感動を届けた。

CM『au三太郎シリーズ やってみよう編』×「ピクニック」(WANIMA)

 若者に大人気のロックバンド・WANIMA が楽曲を担当したauの大人気CM三太郎シリーズの「やってみよう編」。聞き覚えのあるメロディがロック調へと大胆にアレンジされたこのCMソングこそ、童謡「ピクニック」だった。

 底抜けに明るく、日本全体が元気になるようなこの楽曲は瞬く間に話題を呼び、フルバージョンの制作、MVの公開が急遽決定するほどの反響に。10代~20代のWANIMAファンからの支持や、小学校の運動会ダンスで流行曲になったりと、どの世代からも親しみやすく変化を遂げながら、今も広く童謡が受け入れられていることが伝わっていく。

『あの日のオルガン』あらすじ

 東京も安全ではなくなっていた1944年。戸越保育所の主任保母・板倉楓は、園児たちを空襲から守るため、親元から遠く離れた疎開先を模索していた。別の保育所・愛育隣保館の主任保母の助けもあり、最初は子どもを手放すことに反発していた親たちも、なんとか子どもだけでも生き延びて欲しいという一心で我が子を保母たちに託すことを決意。しかし、戸越保育所の所長がようやく見つけてきた先は古びた荒れ寺だった。幼い子どもたちとの生活は問題が山積み。それでも保母たちは、地元の世話役の協力をえて、子どもたちと向き合い、みっちゃん先生はオルガンを奏で、みんなを勇気づけていた。戦争が終わる日を夢見て…。そんな願いをよそに、1945年3月10日、米軍の爆撃機が東京を来襲。やがて、疎開先にも徐々に戦争の影が迫っていた―。

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