僕がずっと成し遂げたかったものができた

リチャード・カーペンター(撮影=冨田味我)

――前回来日されてから9年振りとなりますが、日本を楽しんでいただけていますか。

 今のところホテルとレコード会社の行き来だけどね(笑)。今回は家族と一緒に来ているんだけど、家族は、ディズニーランドに行っているよ。でも、仕事で日本に来るのもすごく楽しいから問題ないよ。日本の方たちは僕らの音楽をすごく楽しんでくれているからね。

――是非、この後も日本を楽しんでいただけたらと思います。さて、新作となるアルバム『カーペンターズ・ウィズ・ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団』がリリースされましたが、このロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのお話を最初に聞いた時はどのように思われましたか。

 まずレコード会社のトップの人から話が来たんだけど、僕の最初の反応としては、「こんなに大きな編成のオーケストラでやらせてくれるの?」と思いました。というのもポップスでオーケストラを使うときは、予算の関係で限られたサイズの編成でしかやれないんです。それが今回、シンフォニーサイズということで、まさかこんな話しが来るとは思ってもいなかったので、ひとつ夢が叶いました。

――何でも過去の録音作品で、ずっと直したいと思っていた箇所があったみたいですね。

 そうです。今回、大きな編成のオーケストラで出来るということで、改めて過去の音源を聴いていて色んなアイデアも出てきました。大袈裟に変えるわけではなく、必要だと感じたところを直せると思いました。あと、技術の進歩によって今なら出来ることがいくつかありますから、それをやってみたいと思いました。

――その技術の進歩というところで、リチャードさんが凄いと感じたところはありますか。

 いくつかあります。何曲かで僕とドラマーが張り切り過ぎてしまっていて、最初のテンポよりちょっと速くなってしまっている曲がありました。それが作品として失敗だったとは思わないんだけど、長い期間を経てそれがだんだん気になってきてしまってね。それが今の技術なら修正できるということが驚きでもあったし、長く思っていた夢が一つ叶ったね。

 あとは「ノイズ」があるね。当時のアコースティックのレコーディングでは、空調などのノイズが混入するというのは当然起こってしまうことだけど、まあ、それによって当時の作品が、リスナーへの楽しみを妨げるものにはなっていなかったけれど、それが今の技術なら音質など妥協せずに綺麗に削除できるというのがすごいと思って。その2点はすごく嬉しかったね。

――理想の作品が出来たわけですね。

 そうだね。アレンジも気になっていたところを直せたし、新たなアイデアも実現させることができた。あと「音」だね。当時のものも良かったと思うんだけど、全体的にベター(better)になった。今作は僕が成し遂げたかったものになったかなと思います。


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