ラストアイドルファミリーが19日、TOKYO DOME CITY HALLで、デビュー1周年記念コンサートをおこなった。自己最大規模の会場。1期生・2期生を含めた総勢52人で全33曲を熱唱。マーティ・フリードマンと後藤次利らも応援に駆け付け、大盛り上がりのなか幕を閉じた。阿部菜々実は「アイドルの頂点を目指していきたい」と高らかに宣言。新たな魅力も垣間見たこの日。彼女たちは2周年への扉を力強く開けた。

1期生・2期生コラボ

 ステージは、約1年に渡り戦いを繰り広げてきた番組のセットがそのまま再現されたかのような作り。三階まで伸びる客席はそれを囲うようになっており、ステージセットの雰囲気も手伝って、さながら“コロッセオ”のようだった。

 ラストアイドル2期生アンダーが「サブリミナル作戦」でオープニングアクトを飾る。“ミニドラゴン”を名乗る少年・今井竜惺くんの武芸が披露された後、場内は再び明かりが落とされる。

撮影=Yoshifumi Shimizu

 薄暗いステージに響き渡る複数の足音。明かりが戻されると、ファミリーが一堂に並び、足を肩幅ぐらいに広げ、佇んでいた。程なくして、マイクを通さず「ハー!」と気合いの掛け声。幕開けを飾ったのは、これまで1期生22人で歌ってきた「好きで好きでしょうがない」。それを2期生12人を加え、計34人で披露した。

 大所帯で歌う<好き>だ。80回も出てくるその言葉だが、22人+12人の思いが合わさり、より強いものになっていく。感情が込み上げてくるさまを、スカートを握りしめるその力み具合で表現。34人でも一糸乱れぬ振りはともに戦ってきたからこその団結力がなせるものだった。そのなかでも一人ひとりの個性が表れていた。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

 迫真のパフォーマンスを見せたところで、ギターサウンドが鳴り響く。Someday Somewhereの「この恋はトランジット」。以降は、シュークリームロケッツ「君のAchoo!」、Good Tears「スリル」、Love Cocchi「青春シンフォニー」、LaLuce「風よ吹け!」とセカンドシーズンのプロデュース曲を、ユニット別に届けていく。当時と比べ歌唱力や表現力は増し、成長を感じさせた。

 5曲を走りに抜き、1期生が再びステージに登場。“初戦”を乗り切った安堵感か、それとも大事にしているファンと触れあえる時間を迎えての嬉しさからか、ようやく笑みがこぼれる。

 長月翠が「1周年を迎えられたのは皆さんのおかげです」と感謝。清原梨央が「スケールアップしたラストアイドルを届けていきたい」と気合。間島和奏は「私たちにも頼もしい後輩が出来ました。ここからは2期生とコラボしていきたい」と語った。

 コラボセクションの先陣を切ったのは、Good Tears「涙の仮面」。2期生の水野舞菜、篠田萌、畑美紗起、栗田麻央が加わり、みせていく。その後も、シュークリームロケッツと町田穂花、大場結女、下間花梨が「想像上のフルーツ」を、Love Cocchiと橋本桃呼、田中佑奈、山本琉愛、佐佐木一心、延命杏咲実が「失恋乾杯」を、Someday Somewhereと2期生アンダー18人が「Again & Again」を立て続けに見せる。

 大人的な魅力のあるGood Tears、セクシーさを兼ね備えたシュークリームロケッツ、キュートさが魅力のLove Cocchi、清楚なSomeday Somewhereそれぞれの特色を、二期生がどのように染まり見せていくかという点も見どころの一つだったが彼女たちはちゃんと溶け込み、1期生に負けず劣らずのパフォーマンスで見せていった。特に、サムサムの演出で、いつもなら間島が座っている白の椅子に、アンダーの篠原望が腰かけ、間島はその後ろで手を添える姿が印象的だった。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

 ここで、映画『がっこうぐらし!』で主演を務める阿部、長月、間島、清原が登場。ゾンビがはびこる学校で共同生活を送る女子高生4人の日常と、生き残りをかけてサバイバルする姿を描く同物語にちなんで、4人による映画の寸劇が披露される。そのなかで間島は「私たちには武器がない」と言うと、阿部は「あるよ、愛が」と言うと「私たちの映画で主題歌を歌ってくれるのは2期生」と紹介。

 2期生12人がステージに登場して同主題歌「愛しか武器がない」を披露した。歌唱中は、オーディションの様子や合宿、番組でのバトルなど思い出のシーンが流れていく。ラストはキャノン砲を打ち鳴らした。その後は、3rdシングル「好きで好きでしょうがない」に収録されているシャッフルユニット曲が順に届け、トークコーナーを挟んで、ファミリー52人全員による「眩し過ぎる流れ星」。この曲だけは撮影が許可され、メンバーも客席に交じり歌唱。大盛り上がりを見せた。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

“見せる”から“楽しむ”に変わった「Evertything will be all right」

 全体を通して、潮目が変わった曲があった。LaLuceによる「Evertything will be all right」だった。スペシャルゲストとして、マーティ・フリードマンとプロデューサーである後藤次利がサプライズ登場。まずはマーティによるギター演奏で盛り上げると、後藤もベースで加わり、ギターとベースの生演奏のもとでLaLuceが同曲を披露。メンバーのなかにも明らかに高揚感が溢れている。インタビューでもこの曲によって成長したと語っていたが、マーティと後藤による“生きた音”を介して、LaLuceの魅力がどんどん引き出されていく感があった。ライブの流れがそれまでの“見せる”から“楽しむ”に変わった瞬間だった。

 マーティも「非常に楽しかった!」と語れば、後藤も「最高に楽しかった」と笑み。2人肩を並べてステージを後にする姿からもその満足感は滲み出ていた。LaLuce自身、「楽しむことがLaLuceの魅力」と過去に語っていたが、それを体現しているかのようだった。

 そして、「Evertything will be all right」で“楽しむ”に変わった空気感は、この後にも影響していく。ユニット別に怒涛の10曲が立て続けに披露されていったが、それぞれのユニットも先ほどまでとは異なり、自分たちの個性をしっかりと出しながらも、内側から目いっぱい楽しんでいるような感覚があった。彼女たちもまた魅力が引き上げられていた。

撮影=Yoshifumi Shimizu

撮影=Yoshifumi Shimizu

 大盛り上がりのなか、阿部が「ラストアイドルはこの曲から生まれました。ここはまだまだ通過点です。52人全員でラストアイドルを作っていきたい」と語り、デビュー曲である「バンドワゴン」をLaLuce5人だけで披露。1年を通して更に磨かれた5人。それは歌にも反映され、よりドラマチックになっていた。

 長月が涙をみせると、それが伝播してか、安田や大石、鈴木にもうっすらと光るものが。阿部の目にもそれが見えた。「ラストアイドルとしてもっと大きくなりたい」――、かつて長月がインタビューで語っていた言葉を思い出す。彼女たちの目の前に広がるのは満員の観客だ。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

 曲の後半には全メンバーがステージ上に登場し、総勢52人で熱唱。小澤愛実は「1周年をここで迎えられてうれしい」、鈴木は「楽しい幸せな時間はあっという間。この日一緒に過ごせて良かった」と感慨深く語り、最後に阿部が「アイドルの頂点を目指していきたい。期待してください」と力強く宣言し、本編を終えた。

背中を押せるように

 アンコールの合間には「僕は場繋ぎ」として吉田豪が登壇。番組で携わった柏原収史、ピエール中野、大森靖子、高田あゆみ、ギュウゾウ、倉田真由美、竹中夏海、天の声・山口恵、カンニング竹山、おぎやはぎ、伊集院光がビデオメッセージ。伊集院は当時を振り返り「僕らの世界に入ろうと頑張っている姿を見て、この世界に居ることは当たり前ではないということを改めて気づかされた」と彼女たちの奮闘ぶりを称えた。

 アンコールでは、西村歩乃果によるピアノ弾き語りで、時間の都合上出演ができない中学生メンバーをのぞく39人で「明日の空を見上げるため」を合唱。

 最後はラストアイドルのアンセム曲「ラスアイ、よろしく!」。サンタの帽子などをかぶったメンバーがトロッコになり、笑みを浮かべながらファンに感謝を伝えながら、クリスマスプレゼントも。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

 相澤瑠香は「これまで観てきた景色よりも素敵な景色。これからも皆さんと一緒にこの素敵な景色を見続けていきたい」、安田「一皮むけました。本当に楽しかった」、水野「2期生はデビューしたばかりなのに、こんなに素敵な場所に立たせて頂けてありがとうございます。もっともっと成長していきたい」とそれぞれ思いを語った。

 そして、最後に長月が「私たちが毎日毎日お客さんから元気を貰っているように、みなさんが悲しい時はわたしたちが背中を押せるように頑張っていきたいと思います!」と感謝を伝え、幕は閉じた。

ラストアイドル

撮影=Yoshifumi Shimizu

 この1年で劇的な成長を見せているラスアイ。自身過去最大規模のステージでも成長も見られた。メンバーが見た光景は彼女たちをもって飛躍させる糧になるだろう。ラスアイはこの日、2周年への扉を力強く開けた。

記事タグ