シンガーソングライターのましのみが12月15日、東京・duo MUSIC EXCHANGEでワンマンライブ『MashinomiX vol.1』をおこなった。音楽系イラストレーター"フクザワ”とのコラボレーションでコンセプトを持たせたステージ展開。2018年のメジャーデビューイヤーを締めくくるライブは来年2月20日にリリースされる2ndアルバム『ぺっとぼとレセプション』から新曲も披露し、アンコール含め全17曲を届け訪れた観客を魅了した。この日、ファンクラブサイト「ぺっとぼとシャトル」の開設と、3月15日大阪・アメリカ村 BEYONDと21日に東京・渋谷ストリームホールで2ndアルバムリリース記念ワンマン『ぺっとぼとリテラシー vol.3 ~レセプションパーティー』の開催も発表された。デビューへのきっかけにもなった由縁の地であるライブのもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

記念すべきVol.1

ましのみとフクザワ(撮影=まくらあさみ)

 冬の寒さが日に日に増してくるなか、ましのみの今年最後となるワンマンライブは、音楽系イラストレーター“フクザワ”とのコラボレーション。音楽アーティストの隣で、与えられた時間内に1枚の絵を仕上げるパフォーマンス(ライブペイント)で話題を呼んでいるイラストレーターだ。ステージ上手(かみて)に設置された巨大なキャンバスに何が描かれていくのか期待が高まるなか、開演時刻となりライブはスタート。「プチョヘンザ Say!」とオーディエンス煽りながら「プチョヘンザしちゃだめ」でノリノリの幕開け。フクザワもステージでイラストを描き始めていく。

 ライブでは定番チューン「エゴサーチで幸あれエブリデイ」では、<私の名前はましのみ♪>コールでオーディエンスとの一体感を、続いて躍動感たっぷりのアップチューン「ナンセンスに逆戻り」で序盤からハイテンション。

 MCではましのみお得意の一人二役を演じる小芝居。フクザワの描いたのは“ななし”と胸に書かれたペンギン。そのペンギンとの芝居の中で、冬だけど夏の曲がやりたいということで、「どうせ夏ならバテてみない?」の“夏”を“冬”に変え「どうせ冬ならバテてみない?」を披露。オーディエンスも振り付けをしながら楽しんだ。「2コードのシティポップ」、「ミスター」と聴かせる系のナンバーで、オーディエンスを扇情させていくメリハリのある流れを見せた。

 ここで渋谷での思い出を話すましのみ。過去のこの時期に終電を逃してしまい、周りがカップルだらけの現実に途方に暮れていたという。その時に出来た曲が「灰かぶり姫」だというエピソードから、「灰かぶり姫」を披露。そして、フクザワの描いた“ななし”ペンギンとの小芝居を展開。彼氏に振られてしまったというストーリーから、「ハッピーエンドが見えません」へ突入。芝居からのナンバーはより情景を強く打ち出していた。

 そして、サポートメンバーの藤井洋(Key)とMIZUKI(Dr)が一旦ステージを後にし、残されたのはましのみ1人。ストリートでのライブを彷彿させるピアノでの弾き語りで「リスクマネジメント失敗」を届ける。感情を叩きつけるかのような迫真の歌声を響かせると、観客も静かに耳を傾けていた。

ましのみ(撮影=まくらあさみ)

 再びフルメンバーで「やりくりゲーム」を披露し、ましのみによるDJプレイから、藤井洋のキーボードソロ、MIZUKIのドラムソロと回していき、ライブならではの高揚感。そして、フクザワが描いていたイラストも変化。そこには涙を流すペンギンの姿が…。それを見たましのみは「私も悲しくなっちゃうな…」と感情移入をみせ「名のないペンギンの空を飛べ」をパフォーマンス。再びフクザワがイラストに手を加えていき、涙を流していたペンギンは憧れの空を飛んでいる描写へとストーリーが進んでいく。

みんなの顔が見れて嬉しかった

ましのみ(撮影=まくらあさみ)

 “ななし”ペンギンも頬を赤らめニコニコになったところで「Hey Radio」を、ステージを縦横無尽に動きながらパフォーマンスしオーディエンスをヒートアップさせ、一体感のあるクラップが響き渡った「ストイックにデトックス」とラストスパートへ。ここで、2月20日にリリースされる2ndアルバム『ぺっとぼとレセプション』から新曲の「美化されちゃって大変です」を披露。ポップで軽快に歩きだしたくなるビートが印象的なナンバー。

 ましのみは「(みんなが)ワンマンに来てくれて顔を見ながら歌えて嬉しかった」とワンマンの喜びを告げると、このduo MUSIC EXCHANGEでの想い出を語った。この場所は2016年3月19日、ヤマハグループが開催する日本最大規模の音楽コンテスト『Music Revolution 第10回 東日本ファイナル』で立ったステージだという。その時にもう一度ここに立ちたい、ワンマンライブをやってみたいという思いがあったと明かした。「本当に幸せです」と夢の一つがこの日叶ったと喜びを語った。本編ラストは、そのコンテストで演奏した想い出の一曲「Q.E.D.」を情感を込めドラマチックに歌い上げ、ステージを後にした。

 アンコールではイワトビペンギンが描かれたグッズのTシャツに着替え登場。前回の代官山ユニットでのライブでも披露された「フリーズドライ please」を歌唱。そして、重大発表として、ファンクラブサイトの開設、2ndアルバム「ぺっとぼとレセプション」のリリース、3月にリリース記念ワンマンライブの開催も発表された。オーディエンスも盛り上がるなか、ラストはストリングスが楽曲を鮮やかに彩っていたミディアムナンバーで新曲の「錯覚」を届けた。光が包み込むようなライティングが、全霊で歌い上げるましのみを包み込むようにライブの幕は閉じた。

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