女優の藤野涼子が主演を務める映画『輪違屋糸里』が15日に公開初日を迎え、都内でおこなわれた舞台挨拶に、藤野とともに、共演の溝端淳平、佐藤隆太、塚本高史と、メガホンをとった加島幹也監督、原作を手掛けた小説家・浅田次郎氏が登壇、2年ほど前におこなわれた撮影のエピソードなどを振り返った。

 『輪違屋糸里』は、浅田氏作の原作時代小説を実写化した映画作品。幕末の新選組を、彼らを取り巻く女性の視点で追ったストーリーで、新選組副長の土方歳三と、副長助勤の平山五郎、初代局長の芹沢鴨らと、その男性たちに思いを寄せる女性たちが、時代に翻弄されながらも思いを貫いていく姿を描く。主題歌には渡梓の歌う「万華鏡」が起用されている。

藤野涼子

藤野涼子

 藤野と初対面の際のことを、加島監督は「渋谷の喫茶店で会ったんですけど、最初彼女はすごく目が笑っていて、幼い感じがしました。だから“この子、大丈夫かな…”と少し心配していたんです。でも話し始めたら、だんだん目つきが変わっていった。素朴なやり取りの中で、それこそ話の中で凛としていったんです。僕はその時『これは糸里だ!』と思いました。わずか30分の間で、これだけ表情が変わるのであれば…」と回想する。

藤野涼子と浅田次郎氏

 そんな藤野だが、「京都に行ったのが修学旅行以来初めてだったし、初めて親元を離れて1カ月京都で過ごすというのが心細くて、寂しさもあった」と遠方での撮影に不安も抱えていた様子。しかし撮影から2年ぶりの再会を果たし、共演した佐藤は「作品の中でも大人の成長の話だけど、涼子ちゃん自身もこの舞台で再会すると大人になったと思う。だから映画とリンクする感じがあります」と感慨深く語る。

溝端淳平

溝端淳平

 一方、藤野と一番共演の数が多かった溝端は、藤野が初の共演シーンで、藤野に関ジャニ∞の「無責任ヒーロー」を歌って緊張を和らげてくれたことを回想するも「全然覚えていない。そんなことしてた? 本当に”無責任”だね。リクエストに応えて歌ったんだっけ? すっげー恥ずかしいですね、覚えてない」と2年前の記憶があいまいな様子。

 そんな溝端に茶々を入れる佐藤と塚本。さらに藤野が、撮影の移動の際に使用するワゴンカーの中で「新幹線って、普通の電車と比べてなんでガタゴト言わないのか?」などと豆知識を教えてもらっていたと語ると、さらに佐藤から「そんなちゃんとしたこと言っていたのか」とツッコミ。溝端は照れる姿を見せ、笑いを誘っていた。

塚本高史と佐藤隆太

 この日、浅田氏はサプライズゲストとして登場。溝端が演じる土方歳三が、これまで様々な作品で演じられており、決定版が存在しないこと、佐藤が演じる平山五郎の性格は、資料も少なくとらえどころがないこと、塚本が演じる芹沢鴨が、歴史上間違った人物像で伝えられていることもあるというところなどから、映画作り、演技などは大変であることを推測。

 そのうえで「(作品を)見て、短く感じました。作品が長く感じるか、短く感じるかは簡単なバロメーターだと思うんですが、この作品は短く感じるいい映画だと思いました」と絶賛の言葉をスタッフ・キャスト一同に贈り、会場を沸かせていた。【取材・撮影=桂 伸也】

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