その人達を抱きしめたい

――音を聴けばそれが伝わってきますからね。さて、皆さんの特に気に入っている曲をお聞きしたいなと思うのですが、大屋さんはいかがでしょうか。

大屋真太郎 僕は「BABY STEP」がすごく気に入っています。もうここまでストレートに曲が作れたことが嬉しいんです。ストレートに歌で勝負した曲になったなと思っています。この曲はみんなでスタジオでセッションして作った曲なんです。サビは大がメロディを何パターンも提示してそれを僕らが選ぶみたいな。

松本 大 メロディのオーディションがあって(笑)。

中原健仁 特に今回、大喜が一番メロディには意見してました。

川口大喜 もう本当に良いメロディを探したくて。大はメロディをポンポン出してくるんですよ。

松本 大 ギターさえ持っていれば無限に出てきますからね(笑)。今のサビは全員が「これだ」となりました。

――中原さんの推しの一曲は?

中原健仁 僕は「オーバーフロー」です。歌詞をもらった時に一番嬉しかった曲で、あまり音楽を聴かない知り合いに聴いてもらった時も、この曲が一番好きだと言ってもらえるくらいキャッチーな1曲で。誰に聴かせても良いと言ってもらえるわかりやすい歌詞なんです。どこまでも素っ裸な歌詞で、<もういっそフルボリュームで叫ぶよ 君に愛されたい!>とこんな素直な歌詞を大が書いてきたことがあったか!?というくらいで。僕は素直に人が大好きなこともあって、歌詞もこういったストレートなものが好きなんです。でもしっかり大の歌詞になっていて。

――「オーバーフロー」はテンポも速いので、サウンド面でも目立ってますよね。

松本 大 他の曲よりもBPM50以上の差をつけてぶっちぎりに速いですね。

中原健仁 そのがむしゃら感も気に入っていて、サウンド的にも図太くて真っ直ぐ、着飾らない感じは僕がやりたかったことでもあります。

――学生がコピーしてるのが見える曲でもあるかなと私は思いました。

松本 大 あまりにもストレートすぎて、この曲が10代に刺さるかどうかはわからないです。「こんなこというやつダサい」とか思われるかもしれなくて。例えば14歳の自分が「オーバーフロー」を聴いたら、たぶんダサいと言うと思うんです(笑)。

中原健仁 それも踏まえて、この曲を学生が学園祭とかでコピーしてるのを見たら僕らはアガりますね。若さ、青さが似合う曲だとも思うので。

松本 大 もう見つけたら、その人達を抱きしめたいですよ!

――今まで「愛されたい」とか歌詞であまり使ってこなかったですからね。変化を感じさせる1曲でした。さて、川口さんの推し曲は。

川口大喜 もう全曲推しなんですけど、敢えて選ぶなら「I aroused」です。この曲はドラムを叩いていて、一番好きな曲ですね。

松本 大 僕もピアノを弾いていて一番好きです。

川口大喜 このアルバムの曲の中でも上品だなと思っていて、緊張感が好きなんです。言葉が攻めてくる緊張感と、サウンドの緊張感がたまらないんです。自分ドMなんですかね(笑)。

――(笑)。この曲を1曲目に持ってきたのもその緊張感が影響して?

松本 大 もともとこの曲を1曲目にしようとは思っていなかったです。色々試しているうちに2曲目は「New Clothes」になるだろうなと。「New Clothes」の前にどの曲を持ってきたら面白いかなと考えて、試しに「I aroused」を置いてクロスフェードさせてみたら、これが1曲目だとなって。

――今までもクロスフェードを作ったりして試してたんですか。

松本 大 やってないですね。こんなにも曲が繋がっている作品は初めてです。「亡霊と影」から「Dreams」もそうなんですけど、間髪入れずに行く感じというのは今までなかったです。このアルバムを「New Clothes」から聴くと、頭に「I aroused」の音がちょっと残ってます。だから、この2曲はセットで聴いて欲しいですね。

――この2曲の繋がりが強いんですね。そんな松本さんのお気に入りは?

松本 大 「I aroused」も好きなんですけど「花と詩人」です。僕は歌詞を書いていますが、言葉が苦手なところもあって。会話したりする時も相手の表情などから言葉以上のものを受け取るのが好きなんです。それは音楽でも一緒で、この音や音像、メロディだからこの歌詞にしている、この言葉でいいんだという、「花と詩人」はそれが一番上手くいったかなと思っていて。あと、ちょっとシンセパッドは入っていますけど、ほぼサウンドもこの4人だけの必要最低限で出来ているので、そこもしっくりきています。この曲のおかげで自分が正直になれたきっかけの曲でもあるので。自分の中でアルバムを作る上でのキーになった曲は「花と詩人」と「New Clothes」だったなと思います。

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