ストーリーから振り返る“挫折の日々”

――個人的にですが、作品を拝見してすごく共感したところがありました。例えば高校生から卒業する直前の時期は、自分に対してすごく色んな可能性を感じて、“絶対に未来は明るい!”と思っていました。でも卒業して次の道に進んだときに、さまざまな挫折を味わって「現実って、自分の思ったものと大分違うものだ」と戸惑った記憶があります。真野さん自身もこれまでの人生を振り返ると、いかがでしょう? 例えばハロー!プロジェクトに入られたとき、あるいは卒業されたときと重なる部分はありましたか?

 もちろんありました。ハロー!プロジェクトに入ったときに描いたものや、卒業して役者になりたいと思い描いていたものは、どうしても煌びやかなイメージでした。だから輝かしいものが待っていると思っていたんです。でも自分の理想が高過ぎて…追いつかない現実と、自分の実力のギャップを突きつけられたときに、結構落ち込みました。そのときには“何でだろう!?”って思って、その結果“自分が高望みし過ぎていたんだな”と考えるようになりました。

 私は卒業してすぐに主演を張れるとか、そんな沢山の方が見てくれる作品に出られるような実力がないんだ、って。そして、これは地道にコツコツとやっていくしかない、と卒業して1年経つ頃に思いました。ハロプロ時代は年に2回、みんなでのライブがあって、その間にリリースや、ライブなんで大体大枠で1年間に行うことが決まっていたんです。で、来年も…とそんな感じで決まっているけど、役者はそうでもない、やっぱりなかなかお仕事が決まらなかったし。例えば今撮っている作品が終わったら…

――次は何があるかと…。

 そう、決まってないんです。そんなときに急に“来週からドラマが入ります”みたいなこともあったり。そんな毎日だから、その焦りが最初はストレスでした。自分が休んでいる間にも、どこかで作品を作っている人たちがいるんだと思うと…何もできない今、どうしたらいいんだろう? どうしたら呼んでもらえるんだろう? と葛藤に悩む日々がありました。

――でも先程おっしゃった“日々コツコツとやらなければ”という結論に達した、という覚悟があるのであれば、例えば真野さんが劇中のカナと同じような境遇になったら、“まだ私はもっとマシに行けた”というところもあったのかと?

 まあこの『青の帰り道』のみんなに比べたら、まだ自分の悩みは軽かったな、とは思います。“もっと辛いことはいっぱいあるじゃん、世の中”って。私の周りには、もっと辛いことを経験する人っていっぱいいるだろう、だから「自分はこうなんです、全然ダメなんです」と思うより「どうやったらもっと演技が上達するだろう」というように前を見た方がいいと思いました。

真野恵里菜

真野恵里菜

――この映画を見られる方、その中には同じように夢破れた方、あるいはこういった時期を迎えつつある人もいるかと思いますが、そういう方に向けてのメッセージみたいなものも、この作品にはあると?

 そうですね。もちろん、“カナみたいにならないで”という部分は大きいと思います。

――真野さんとしては、どのようなアドバイスを送りますか?

 私としては…みんなはこの映画を見て、誰が気になるんだろう? それを探して欲しいと思います。男性、女性、自分の置かれている環境、世代と照らし合わせて。

 私が主演で一番手に名前を書いていただいていますが、7人の話なので、見る方の立場によって多分それぞれに見るところが違うと思うんです。リョウに共感したり、ユウキみたいに就活が大変! という人がいたり、タツオみたいに大学の受験がダメだったとか、いっぱいあると思う。だから変に私から”この作品はこうです!”と言うより、観ていただいた方なりの受け取り方をしてもらえたらと思います。そして、私は何よりもみなさんの感想が聞きたい!

――前向きになれるヒントみたいなものが、受け取ってもらえたら良いですよね。

 本当に。でも余計に悩ませてしまうかも…(笑)。この作品で2年間やっていたので、色んなセリフを覚えているんですけど、一番印象に残っていて自分の中に刺さったのは「戻れないよ」という、カナが発した言葉です。

 自分自身もあの頃、夢を見て頑張っていたけど今はこうだから、いつまでも過去にすがってないで今を生きなきゃ、という意味を感じたので、私自身にも刺さりました。あの頃は楽しかったな、良かったな、とみんな絶対そんな時期を過ごしたと思います。でもそこには戻れない。だから振り返るタイミングはあってもいいけど、常に前を見なきゃいけないんだな、と。

真野恵里菜

真野恵里菜

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