映画のストーリーと重なったアクシデント

――それだけ真野さんが持たれた覚悟も強かったと。一方で劇中ではその名残惜しさもあったのでしょうか、歌唱シーンもありましたね(笑)

 いや~もちろんありますよ~名残惜しさも(笑)。正直まだアイドルをやっていたらどんなだったかな、と思うこともあります。でもまあ「たられば」はないので。今回の作品の主題歌も「たられば」ですけど(笑)。それは考えてもしょうがないので、アイドルを卒業して、役者の道に進んだからには、今すぐ結果は出なくても、何年も掛けて結果が出せればと思いました。それが最近は、ようやく徐々に形になってきているかと思っています。

――ちなみに真野さんは卒業された年に『THE NEXT GENERATION -パトレイバー』で主演を務め、その後の主演映画としては久々の作品となりますが、その意味でもかなり思いも強かったのでしょうか?

 強いですね。思いも強いし、この作品の世界観もフィクションだけどリアリティがあるというか。みんなの心に寄り添える、みんなが生きる上でのヒントを与えられる作品なのかなと思いました。そんな作品で、さらにトラブルに見舞われて撮影が途中で止まるというショッキングなアクシデントもあったし。そしていつも一緒にいた7人のうちの一人が、突然会えなくなってしまう、失われてしまうことになります。私たちもそんな経験を撮影中にすることにもなりましたし…。

――まさしく重なるような感じ?

 重なりました。そのときは本当に色んなことを考えました。別に誰かに対して怒りの感情を表したわけでもないけど、何でこうなってしまったんだろう? って。この作品があったからこそ起こってしまったことでもあり、その意味では作品を作るということは本当に大変。でも私たちの中ではもうみんな“撮り直す”という思いは一致していました。それは役者のわがままですけど、監督も撮り直したいと言ってもらえましたし、各事務所さん、制作スタッフのみなさん、新たに協力してくれた方々も、本当に沢山の方が私たちについてきてくれたので、本当にありがたく思いました。

真野恵里菜

真野恵里菜

――そんなピンチを迎えたことに対し、逆にみなさんの結束が強まったところもありましたか?

 もちろんあります。悲しさも共有したし、みんなでいっぱい泣いたし。作品が止まって白紙になったときに、私はとりあえずみんなに会いたかったんです、ちょうど東京でお仕事をしているときに連絡をいただいて、状況がよくわからなくてとにかくみんなに会いたかった。

 そしてみんなで会ったときに“やっぱりやりたい”って。そのときの打ち合わせは1時間ぐらいで終わって、おのおの帰っていくことになったけど、みんな帰れなくて、みんな近くをウロウロしていました。(清水)くるみちゃんが連絡をくれて“帰れない。どこにいる?”ってメッセージを送ってきたから、“私もまだ近くにいるよ”って返したり。気づいたらみんなまた集まっちゃって(笑)。

 そのときに話したんです。「今日はいっぱい泣こう、そしてまた来年の夏に向けて、それぞれが日常に戻って、いろいろ経験して、1年後にパワーアップして帰ってこよう」と。私たちはあくまでも作品を作ることを前提としてお仕事をやっているし、あきらめちゃダメだよね、って。一時は撮影を断念することになるのか、みたいな言葉も飛び交ったけど、私たちの中では全くあきらめの気持ちはなかったです。

――成長を遂げた、というところは大きいですね。

 そうですね。逆に一度白紙になったということがあったからこそ、みんなの決意とか、じゃあその1年間で成長しようという思いになったので。でもその一方で、これを去年撮り終えたときに、ちょっと燃え尽きてしまったというか…去年の目標が達成され、目標を掲げていたものが撮り終えた瞬間に全部それが無くなってしまったことで喪失感を覚えて”もう、明日からどうしよう”みたいに一瞬なりました(笑)。それぐらいにこの作品には、自分の思いを捧げました。

――そんな意味では、今回の公開は感激もひとしおという感じですね。

 本当に。あと公開も2カ月ちょっとまだドキドキしています。早く封切されて欲しいです。

真野恵里菜

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