seven oops「3人でも格好良い作品と思って欲しい」NANAEが語る新たな挑戦
INTERVIEW

seven oops「3人でも格好良い作品と思って欲しい」NANAEが語る新たな挑戦


記者:小池直也

撮影:

掲載:18年11月30日

読了時間:約15分

この先どうなるんだろう? って考えたこともなかった

――アルバムの特に前半に収録されている曲は、シャッフル(跳ねたリズム)の曲やブラスの入ったアレンジが多かったのが印象に残りました。

 そこもKEITAなんですよ。アレンジも頭の中で鳴った状態で曲を作っているんです。鈴木俊介さんがアレンジも担当してくださったんですけど、彼と話し合いながらリズムにもこだわっていました。MAIKOも「叩けねえ!」と言って苦戦した曲もあって。そこも今までとは違う挑戦ですね。管楽器が入ったアレンジはとても楽しいです。

――先ほどもお話されていましたが、「記憶」は刺激的な歌詞でしたね。

 KEITAの経験談を書いた曲らしいんですよ(笑)。そんなことは知らずに「男性目線は初めてだなあ」と思いつつ歌っていました。でも、ある取材の現場で曲を説明していたら、KEITAが「僕の体験談を…」と言っていて。「そうなんだ!」と(笑)。私に渡した時も本当は恥ずかしかったみたいで。また「そうなんだ!」と。私は刺激的だなとは思いましたけど、表現として見ていましたから。もらった時は何とも思わなかったです。「男の人ってこういう感じで思っているんだな」くらいですよ(笑)。

 seven oopsってそういう感じを一切出してこなかったからこそ、これを歌った時にどう化学変化が起きるのかなという楽しみが私の中では強かったです。男性目線の曲もいいなと感じましたね。照れは一切なくて、表現として歌えたんですけど、むしろKEITAの話を聞いてから少し照れを感じました(笑)。「思わずこぼれた吐息も!?」みたいな(笑)。でも、この曲を歌えて良かったなと思ってます。

――「使い捨てのラブソング」も印象的でした。今時な感じもありつつ、ポップで。seven oopsらしさもあるけど、ちょっと皮肉もあるような。

 私は曲を作っている人だからこそ、こういう曲が生まれるんだなと思いました。ひとつ一つの曲を彼らは全身全霊で作っていて。私もそうなんですけどね。そういう大事に温めてきた曲を、急に使い捨ての様にポンと出してしまったり、一生懸命作った曲が街中で聴き流されてしまったりとか。それから「seven oopsの曲を聴くぞ!」という方もいれば、何の印象も持たれずに流されていく曲もある。

 そういう現状に悔しさを覚えることが、少なからずあったんです。私も感じていたような想いを、KEITAが素直に書いてくれたなと思います。彼も、自分たちの曲に対する気持ちが強いんじゃないですかね。正直、他のアーティストさんたちが注目されている時に「自分たちの曲の方がいいのに!」と悔しく思ったりもありますよ。そういう感情を出す機会がなかったので、ありがとうって思いました。

――何年も音楽業界に身を置いてきて、そういう葛藤はあるんですね。

 もちろんあります。「絶対シングルでしょ!この曲」と思っても周りの反応はそうでもなかったり。「この曲は…うーん」と思っていた曲が採用されたり。結構ズレは感じていました。もちろん、それはseven oopsの曲に真剣に向き合ってくれているからこその意見だと思うんですけど。自分たちの思っていることと違うことももちろんあるので。そういう葛藤はアーティストさん誰もが持っているんじゃないかなと。もちろん音楽だけじゃなくて、仕事で頑張っている人もそうだと思います。努力が必ず叶うわけではないのは事実。それを吐き出せる場が私は音楽でできたので、よかったなと。

 あと特に今回のアルバムを制作していて、音楽を作れる環境って当たり前じゃないんだなと感じました。正直新しいアルバムを作れないかもしれない、と思ったこともありましたから。3人になったことで不安もありましたし。これまでは「この先どうなるんだろう?」って、正直考えたことがありませんでした。

 seven oopsって基本みんな楽観的だったので。もちろん毎回のライブに一生懸命でしたけど、もしかしたらこなしているだけの時もあったかもしれない。MICHIRUが卒業するとなって、改めて全員一つひとつのライブを大切にしました。それは変化で気づけたことでもありますし、3人になっても応援してくれる人がいて、だからこそアルバムが出せたんだな、と感謝でいっぱいです。

――NANAEさんの推し曲はありますか?

 「夏のロマンティカ」というラテン調の曲です。これはKEITAが2、3年前からストックしていて、仮歌の時点でいい曲だなと思っていたんです。ラテン調になるとはこのアルバムを作るまで思いませんでしたけど。「アルバムにこの曲入れようか迷ってるんだよね」とKEITAに相談されて「絶対いい曲だから、入れた方がいいよ」と伝えました。

 いざレコーディングスタジオで全力で歌おうとしたら、思っていた以上にキーが高くて。さらにKEITAからは「艶やかな感じで歌って欲しい」「歌詞が詰まっているから、歌詞が聴こえるように」という要望もありました。感情的に歌うと歌詞が聴こえにくくなるんですよ。何回も「歌詞が聴こえない」と言われるので、ここでも段々イライラしてきて「じゃあ感情込めないで歌うから。歌詞聴こえやすくしか歌わないから」みたいな感じでケンカになって、一度逃げ出しました(笑)。

 だからこの曲は1日で録れなくて、日を改めました。日を改めたのは初めての経験でしたね。そんなすったもんだがあったからこそ、私はこの曲が1番可愛いし、いい曲になったと思います。

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