ポジティブなBENI、ネガティブは曲に落とし込む

――「Chasin‘」は「追いかける」という意味の曲ですが、サウンドが先にあって、そこに歌詞を並べた感じでしょうか?

 そうですね。

――追いかけるのにちょっとテンポがゆったりな感じですが、それが「空虚感を表したかった」とセルフライナーノーツに書いてあって。それを絶妙に表していると思いました。追いかけて到達することで、空虚感は感じるのでしょうか?

 感じます。どこか人間の心境の、満足がフルにできないような、どこかちょっと物足りないというか、ちょっと届かないというくらいが実は一番エネルギーをくれるところがあるかなという、そういうコンセプトからできました。

――達成すると、その内容が満足だろうが不満足だろうが、達成は達成なんですよね?

 達成ですね。そこで一回ストーリーが終わっちゃうというか。

――じゃあ達成しない方がいいかもしれないですね。

 ねえ。常にいつも考えています。

――それに関連して、目標はありますか?

 ありますよ。常に目標はありますし。その目標を達成したときにはまた次の目標ができますし。だから目標がないときがないですよね。私はそうです。

――最終目標は何でしょうか?

 「楽しかったな、人生」と思って死ぬことですかね。

――それはハッピーですね。BENIさんは前向きなタイプ?

 前向きですね。常に次を見ていたり、前を向いているのは変わらないのでポジティブだと思います。

――逆にネガティブなところは曲に落とし込む?

 それはありますね! それがなかったらどうやって曲作りをするんだろうと思っちゃうくらい。

――この時代ってネガティブが多いと思うんです。それをポジティブに変えたいというのもある?

 色んな解釈もありますしね。同じ曲でもこれをポジティブに捉える人とネガティブに捉えるという人もいるし。さっきの映像もそうですし。押し付けも良くないと思いますし。結果、人って自分で決めるし。だから常に嘘はないような曲作りはしたいなと思っていますけど、ポジティブかネガティブかは、あまり考えていないというか。

――結果、そういう曲が出来てリスナーにはそこでネガティブを浄化してくれ、と。

 そう思います。私もそういう音楽の聴き方をたくさんしてきましたし。「一人じゃないんだ」とか。「このモヤモヤな気持ち、私だけじゃなかったんだ」とか。そういう共感することによって力をもらえたりするじゃないですか? 

――確かに。聴く側で見た場合、歌詞に引きつけられるタイプ?

 そうですね。色んな聴き方はするんですけど、歌詞はやっぱり言葉ですからダイレクトに掴まれる武器だと思いますし。

――ダイレクトという意味では、「Arigato」は今作で唯一の日本語タイトルです。この意図は?

 これはもともと作っていた曲がストレートな王道というか、誰もが聴いて温かい気持ちになれるような曲が欲しいと思ってこの曲が出来たタイミングで、ファミリーマートの澤田社長が「是非、感謝の気持ちを伝えられるような楽曲を社員のみなさんに送りたいので作って欲しい」というリクエストを頂いて、この曲がもともとあったので。それがあって、ファミマさんとのありがとうの企画だったりとか、コラボレーションをしているんですけど、そういう風にこの曲は生まれました。

――サウンド的にアコギですが、これはなぜでしょうか?

 これは本当に王道なアレンジにしたくて、色褪せないというかずっと定番曲として残るようなサウンドにしたくてアレンジを島田昌典さんにお願いしたんですけど、彼は色んな名曲たちをアレンジしてきた方なので、それで一緒に話して「アコギが一番温かいんじゃないか」ということになって。

「CINEMATIC」通常

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