4人組ロックバンドのフレデリックが11月20日、東京・渋谷WWW Xでワンマンライブ『フレデリズムツアー特別公演-LIGHT LIVE ♩=120~140-』をおこなった。23日から始まる全国ツアーの目前に、16日に配信リリースされた新曲「LIGHT」を引っ提げおこなった。BPM(テンポ)が120~140の楽曲をメインに構成されたセットリストは、今まで以上に「踊る」という行為をさらに強調していたライブだった。アンコール含め全12曲、新たなフレデリックの魅力を凝縮したライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

俺たちだけの遊び場作ろうぜ!

ライブの模様(撮影=畑聡)

 BPMをある程度限定したライブというのは、世界を見渡しても珍しいのではないか。それが、今回のタイトルを見たときの印象であった。このBPMの範囲だと「オドループ」も「オワラセナイト」もこの日は聴けないということに、ちょっとした寂しさも個人的にはあった。というのも、通常のライブで後半戦に畳み掛けるあのボルテージの上昇感は唯一無二の空間だったということもある。しかし、どうだろう。蓋を開けてみたら今回のライブは、未来のフレデリックへの期待を感じせずにはいられない最高のパフォーマンスだった。

 定刻になり暗転、メンバーがステージに登場。オープニングを飾ったのは、バンドの一糸乱れぬユニゾンから楽器が会話するかのような演奏から三原健司(Vo、Gt)による「始めます」の一言から、「ナイトステップ」で幕は開けた。夜の妖艶さを感じさせる渋いスタート。赤頭隆児(Gt)もレスポールでいつもとは違ったトーンで変化を感じさせ、16ビートのグルーヴが会場を満たし、ノンストップで「スローリーダンス」へと紡ぎ、オーディエンスの体を揺さぶり掛けてきた。

 そして、ここまでアルバム曲に収録された曲だったということもあり、健司は「みんなめっちゃ知ってくれてるやんか!最高やなあ」と思わず声が出た「CYNICALTURE」で、オーディエンスのノリもまさに最高。続いての「うわさのケムリの女の子」はこのセットリストの流れに入ると、いつもとはまた違う趣を醸し出していた。

 「フレデリズムツアー特別公演-LIGHT LIVE ♩=120~140-へようこそ」と挨拶もそこそこに「シャンデレラ」、そして、「フレデリックのディスコで遊びませんか」とギアを上げ「ディスコプール」へ突入。フレデリックの中ではBPMが早い方ではない同曲だが、この日の中ではアッパーチューンと表現しても良いだろう。強烈なグルーヴを叩き出すアップナンバーに、フロアのテンションもどんどん上昇。三原康司(Ba、Cho)と高橋武(Dr)のシンクロ率も高まり最高のドライブ感を放った「パラレルロール」は、健司の畳み掛ける歌も相まって、クライマックスのような盛り上がりをみせていた。

 健司は「渋谷、もっと遊ぼうぜ」と煽り「シンセンス」へと畳み掛ける。ハンドマイクでステージ上を自由に動きながら、セクシーなファルセットとパワフルな地声を使い分け、メッセージを届けていく。「俺たちだけの遊び場作ろうぜ!」それを体現するようにオーディエンスもより一層、バンドから放たれるグルーヴに乗り、生き生きと体を弾ませ楽しんだ。

皆さんセンスのいいダンスで踊れますか?

ライブの模様(撮影=畑聡)

 ここで新曲「LIGHT」について語る健司。「フレデリックらしいと言ってくれる人とフレデリックっぽくないと言ってくれる人に分かれていて、不思議に感じている」と話す。続いて「デビューしてからの4年間でダンスミュージックとしてのフレデリックは、様々なものを吸収して少しずつ作ってこれたかなと思っています。『オドループ』や『オワラセナイト』とは別の楽しみ方が出来る曲というのをアルバムには入れていました。その曲たちをもっと輝かせたいと思ってこの『LIGHT』を作りました」と「LIGHT」の制作に至った経緯を語った。その中で「そこまでこだわるんだったら、そういうライブをすれば良いんじゃないか」と今回の企画に至ったという。

 「皆さんセンスのいいダンスで踊れますか? 新しい楽しみ方をしてください」と「真っ赤なCAR」へ。ゆったりゆらゆらと空気を揺らしていくフレデリック。続いて、ブラックミュージックのような雰囲気すらも醸し出した「NEON PICNIC」そして、今回の目玉ナンバーの新曲「LIGHT」を披露。ステージ後方は壁一面にCD盤で埋め尽くされ、「フレデリックとダンスミュージックの概念を全員で変えようぜ」と、この言葉に新たな決意を感じさせた。フレデリックの根幹にあるものを我々に提示し、彼らのコアな部分をさらけ出した挑戦とも言える楽曲は、強烈な躍動感を生み出していた。

  アンコールに応え再びメンバーがステージに登場。健司は「全国ツアーを回って、フレデリック、ヤバいなと言わせるようなバンドになって帰ってくるので、これからも宜しく」と、この曲からフレデリックの第2章が始まったといっても過言ではない「飄々とエモーション」を投下。言葉、歌に重きを置いたナンバーで、健司はハンドマイクで感情を注入していく。そして、オーディエンスによるシンガロングが、さらに楽曲を盛り立て、心地よい一体感で会場を包み込んでいた。メンバーもその歌声に嬉しそうな表情を見せていたのが印象的だった。

 DJが曲を滑らかにつなぐように展開していくステージは、フロアを踊らせたいという意志が感じられた。約1時間というワンマンとしてはコンパクトなライブだったが、満足度は非常に高いライブだったはずだ。それは終わったあとのオーディエンスの表情からも垣間見れた。この『LIGHT LIVE』が定番企画になる日もそう遠くはないだろう。

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