生駒里奈と矢部昌暉(DISH//)がW主演を務める舞台『暁のヨナ ~緋色の宿命編~』(EXシアター六本木)が25日、千秋楽を迎える。初日の15日には、本番に向けて報道陣向けのゲネプロと取材会が設けられた。

 草凪みずほ氏の人気コミック『暁のヨナ』が原作の舞台。謀反によって王都を追われた王女・ヨナが、専属護衛のハクと共に、不思議な力を持つ者たちと生き抜く大河ファンタジー。ヨナ役を生駒が、ハク役を矢部が演じる。

感情表現豊か、生駒里奈

 制作発表会の時、王女・ヨナを演じる生駒は「お姫様を演じるのは嬉しい」と語る一方で、男性キャストに囲まれ「日々戦っています」と苦笑いを見せていたが、本番前の取材では「今は皆が好きです」とすっかり溶け込んだ様子だった。キャスト陣も口々に「仲が良い」としていた。

 実際にゲネプロの見た感じでもその仲の良さはチームプレイとして発揮していた。武器を使ったアクションなど激しい動きが多く、セリフも多い。巨大セットを使ったステージの大規模な転換もあって、出演者一人ひとりの阿吽の呼吸が大事になってくる。その仲の良さはこうしたところに表れていた。

 そして、生駒は「この舞台で成長することができた」とも語っていたが、言葉のトーンや動作を使っての感情表現が豊かだった。もともと生まれ持った“通る声”に加え、喜怒哀楽をしっかりと見せることのできる声の表情は、それまでのアイドルという認識を忘れさせるほどで、確かな演技力があり、舞台女優としての凛とした佇まいがあった。

 また、殺陣の少ない生駒だが、劇中で激しく舞台を駆け上がったり、走り回ったりしている。かなりの運動量だ。更に、舞も見せるなど、その辺も見どころと言える。

舞を見せる生駒里奈

舞を見せる生駒里奈

不安を払しょくする殺陣、矢部昌暉

 対する矢部。取材会ではおっとりとした印象を感じさせたが、舞台に上がれば良い意味で豹変。堂々とした猛将を演じていた。2メートル半ほどの剣槍を持ってのアクション。激しい殺陣に加え、長い武器を使ってのアクションは、相手との距離間をはかるのが難しい。しかし、それをうまくやってみせている。制作会見時は「期待もあるけど殺陣が多くて不安」と語っていたが、そんな弱音を感じさせないほど。相当の鍛錬を積んできたことがうかがえる。

殺陣を披露する矢部昌暉

矢部昌暉

矢部昌暉と生駒里奈

 そして、脇を固める、山本一慶、西川俊介、奥谷知弘、木津つばさ、樋口裕太、陳内将のキャスト陣の個性と演技力が光る。演技は相手との感情の行き交いも大事だといわれるが、このメンバーは互いに良い刺激を与え、また支え、W主演の2人を盛り立て、物語をリアルなものにさせている。気づけばその世界観に入り込んでいるような物語を見せてくれる。

 W主演2人の話に戻すが、舞台では感情表現の起伏をはっきりさせなければならない。その上で、生駒、矢部の2人はそれをものの見事に見せている。後に、この舞台が“転機だった”と振り返ることができる、そんな作品と言えるだろう。【木村陽仁】

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