寿君が11月10日、東京・TSUTAYA O-WESTでワンマン全国ツアー『NEW LEVEL TOUR 2018』のファイナル公演を開催。SPICY CHOCOLATEやTAK-Z、當山みれいがゲストに駆け付け、アンコールを含む22曲を熱唱した。また、11月8日に誕生日を迎えた寿君にバースデーケーキのサプライズもあった。ゲスト出演陣が口々に「このライブに来た皆、大正解」と言ったこの日の模様を以下にレポートする。【取材=木村陽仁】

SPICY CHOCOLATEがフロアを温める

 喜怒哀楽を共感したい――。人生に寄り添う歌を引っ提げて迎えたこの日。彼の人柄を象徴するように、終始笑顔に溢れていた。

 ツアーファイナルをお膳立てしたのは、SPICY CHOCOLATEだった。

SPICY CHOCOLATE(撮影=Real☆Shot MASATO)

SPICY CHOCOLATE(撮影=Real☆Shot MASATO)

 定刻を過ぎ、DJブースに登場したのはSPICY CHOCOLATEのKATSUYUKI。「おまえら、レゲエ好き?」と笑みを見せると、SPICY CHOCOLATEのナンバーを届けていく。「しあわせ feat. Ms.OOJA&SALU」や「キミと未来 feat. Ms.OOJA&寿君」「君のことが好きだったんだ feat. BENI, Shuta Sueyoshi(AAA)&HAN-KUN」など。この日の寿君にぴったりな選曲だった。

 「寿君が出てくる前に体を温めてほしい」と心身ともに温まるナンバーが次々と届けられていく。煽りや振りも入り、盛り上がる。KATSUYUKIも「今日はめっちゃ楽しみにしてきました。言葉に表せないほど」と高揚する場内を見渡し笑みを浮かべた。そして、次へとバトンを渡す。

 受け取ったのはDJ INKYO。「ここでみんなのバイブスをチェックします」と煽り、大歓声を得ていよいよ主人公の出番。印象的なメロディは本編の始まりを意味していた。

 「イエーイ! 調子はどう?」と嬉しそうな声が場内に響く。高揚する場内。主がいないステージに歌声が響く。程無くして袖から勢いよく飛び出した。寿君だ。やっぱり笑顔だった。

SPECIAL THANXで幕開け

 登場すや否や黄色い歓声が飛び交う。オレンジ色のライトを背中に浴び、温かみのある曲を届ける。感謝を曲で伝えるように披露したのは「SPECIAL THANX」。それは彼の真っ直ぐな人柄を象徴する幕開けだった。

 「今日は最高の思い出を作りましょう」と語って披露した「オレトオレバ」では歌詞の一部を同会場名に替えて観客を喜ばせる。

 汗が額から溢れる。「既に汗だくです」と笑みを浮かべた寿君は「初めての人もおると思うけど、問題ないよ。着いてきて」と優しい言葉をかけ「曇りのち晴れ」。手拍子や両手をあげてのジャンプ。彼の黄金に輝くネックレスも宙に舞い踊る。

 3曲があっという間に過ぎ去っていった。ここで息を整えるようにMC。この日を迎えられたことを「すごぶる気合いを入れて、すこぶる汗をかいて…」と語って喜びを表すと「きょうは古い曲から新しい曲まで、泣きたい曲から笑顔になれる曲まで、皆と喜怒哀楽を共感したい」とこの日に臨む思いを明かした。

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

 そして「メジャーデビューして、幾千の試練が俺を炙り掛けてくると思うけど…」と述べ、それに対する自身の決意表明とばかりに「ミチニイキル」を歌い届けた。そうした寿君の気持ちを声援をもってしっかりと受け止めていく観客。それに応えるようにピースサインで曲を締めくくる。

 確固たる思いを表現するかのように「WINNER」では大地を感じさせるサウンド、さらにステージ後ろからはオレンジ色のライトが照らす。曲間には「きょう色んな道を歩んでいる人が来ていると思うけど、パワーをもらって帰ってほしい」と思いを伝える。

 熱さ一辺倒ではなく、ユーモアがあるのも彼の特長だ。「自由に舞う」では、父親が「自由に舞う」という歌詞を「十二万」と聞き間違えていたこと、そしてトークの合間に必ずボケをいれるなど、関西流で進めていく。

盟友「ワンマン来てマジ大正解」

 そんな人柄も表れたこの日のライブには、SPICY CHOCOLATEだけでなく豪華ゲストも登場した。まずは「俺の運命共同体!」と紹介し呼び込んだのはTAK-Z。飛び跳ねるように登場したTAK-Zはハイタッチ。

 そこで「出会った頃のままで。」を2人で届ける。その熱きステージに大盛り上がり。寿君がモニターアンプに足をかけて、歌詞通りに「こっちおいで!」と歌うと、TAK-Zが彼に向って走り、背中を合わせて歌う。そんな息の合った2人ならではの光景が広がっていた。

TAK-Zと寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

TAK-Zと寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

 歌い終えて抱き合う2人。「汗が…」と嫌がるもがっちり。TAK-Zの熱さは場内を更にヒートアップさせた。

 「最高やん!」というTAK-Z。思いのたけを語る。

 「寿君とは喜怒哀楽を一緒に過ごしてきた。(これまでの人生で)うまくいかなかったこともあるけど、過去は変えられないけど、自分の気持ち次第。未来は変えられる」

 辛いことも、自身の考え方一つで前向きに変えられるという趣旨の思いを明かし、再び寿君と「あれから二人は。」と届けた。

TAK-Z(撮影=Real☆Shot MASATO)

TAK-Z(撮影=Real☆Shot MASATO)

 ここで一端、寿君はステージ後ろに下がり、TAK-Zのみとなる。そして再び思いを伝える。

 「寿がこうしていられるのは、皆のおかげ。そして寿がおって今の自分がいます。運命共同体と言える人はなかなかいない。寿のワンマンに来てマジ大正解。ワンマンは彼の生き様だから」

 そうして「繋がりは大事」と語って呼び込んだのは當山みれい。2人で「ひとつだけの」を届ける。TAK-Zの飾らないまっすぐ歌声、當山の伸びやかな歌声が交差。そして歌われる楽曲は、メッセージをより強くさせた。

當山みれい(撮影=Real☆Shot MASATO)

當山みれい(撮影=Real☆Shot MASATO)

 TAK-Zが去り、今度は當山が寿君との出会いを明かす。『渋谷レゲエ祭』での共演が初だったといい、楽屋に挨拶に行ったときにその印象に驚いたという。

 「初対面で人見知り全開の私にことやんは、笑わせてくれたり、楽しませたりしてくれて。『緊張してへん?』とか。ことやんは愛情を擬人化したような人で。そんな熱いことやんのライブに来ているのは大正解」

 その思いを伝えきったところで寿君が再登場。2人で「キカセテホシイ」を歌い上げた。當山は帰り際に「最後まで楽しんで!」と言葉を送った。

當山みれい(撮影=Real☆Shot MASATO)

當山みれい(撮影=Real☆Shot MASATO)

試行錯誤の日々も幸せに思えた

 豪華ゲストとのコラボレーションを終えてここからは後半戦。「それぞれのストーリーがあって今日は一つ屋根の下にいる。今隣にいる当たり前の幸せをどうこう思う前に感謝しよう」と語り、バラードナンバー「SUMMER LOVE」「大阪 X'mas Eve Lover」を届ける。これまでとは異なる、伸びやかな歌声で聞かせる。時折、声を枯らしながら力強く歌う。まさに全身全霊で届けているようだった。

 改めてMC。メジャーデビューまでの道のりを振り返る。すぐにスーパースターになれると思った学生時代。一度はあきらめた夢。そして、MOUNTAIN KING時代。「めっちゃでたらめだと思った社会は緻密にできていて…ストリートで頑張ってきてそれでメジャーに行って」と語り、メジャーデビューアルバム『ニューレベ』に込めた思いを明かす。その上で「今来ている人たちは寿君ファミリーとして大事にしたい」と伝えた。

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

 更に「インターネットで繋がっているから友達じゃないよ。俺は目と目を合わせて、フェイストゥフェイスで向き合っている。俺の頑張りが皆のパワーになれたらいい。そういう気持ちを込めた曲です」と述べて「Believe in myself」。曲中には「思い通りいかない人生だけど、試行錯誤の日々も幸せに思えた」と語り、笑顔を見せる。

 以降は、エネルギー漲る力強い曲が並んだ。そして、彼の熱いメッセージも並列した。「ファイナルに来た皆が明日笑えるように」「皆の笑顔があったら何も怖くない」。寿君と観客の間を行き来する歌声。まさに喜怒哀楽を共有しているようだった。あまりの激しさに途中で酸素補給缶を吸い、ステージに倒れ込む寿君。あぐらをかいて「力をくれー!」と言うその表情は満面の笑顔だった。

寿君とJAtoJA(撮影=Real☆Shot MASATO)

寿君とJAtoJA(撮影=Real☆Shot MASATO)

 そして、本編ラストは「あー夏休み」。「夏、いろんなところでかけてもらって、いろんなフェスで歌った曲」として歌った同曲。バックダンサーとして呼び込んだ「JAtoJA」とともに歌い、踊った。亜熱帯のような盛り上がりだが、爽やかさがあった。

大阪 BIG CATで『寿君 ありがた夜 2019』

 盛大なアンコールに押されて登場した寿君。「Sing a Song for you」を届けたあと、「いつも歌うときは緊張しています。ほんまに皆の愛を感じています。いつも歌う時は自信に満ち溢れているように見えるけど、実は繊細。ほんまに未完成で悔しい時もあります」とし、この日のライブや、これまでにリリースした新曲、アルバムを上回るものを出していきたいとの思いとともに「今の現状に満足したら止まってしまう」と胸中を明かした。

 その道のりの先の一つとして、来年6月30日に大阪 BIG CATで『寿君 ありがた夜 2019』の開催が決まったことを発表。それに向けて様々な展開をおこなっていく考えであることを示した。

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

寿君(撮影=Real☆Shot MASATO)

 さらにこう述べた。「俺はやり続けます。今日という日に代わる日はない。当たり前はいつももろい。だから今日という日を大事にしていきたい」。10分超にわたるMCでありったけの思いをぶつけていく寿君。その言葉を受け止める観客。温かさが広がっていた。

 「俺は一生懸命に音楽で答えようとしていくから、皆も応えてくれるか!」と語って「ONE LIFE」「ENDLRESS SUMMER」を披露。最後はピースサインした手を天高く突き上げた寿君。この姿は観客の脳裏にしっかりと焼き付いたはずだ。

 終演後、「ハッピーバースデートゥーユー」と歌いながらケーキが載ったワゴンを押して登場したゲスト陣。11月8日に誕生日を迎えた寿君を祝った。ローソクの灯を一気に吹き消した寿君の笑顔が陽炎のように残っていた。

(撮影=Real☆Shot MASATO)

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