INAとの出会い、思いを重ねたHIDE

――ロックとダンスミュージックが、今作の全ての曲で良いバランスの融合をみせていると思います。

 「We Gotta Go」も「THIS IS THE START!!!」もそうなんですけど、HIDEさんなどをプロデュースしているINAさんにプロデュースしてもらっていて。ちょうどレコーディング期間中にINAさんが出した本『君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡~』を貰ったんですね。自分もINAさんとやっているとき、その本で読んだ空気感の中に入った感じがあって、自分がHIDEさんなんじゃないかという、気持ちになるようなコミュニケーションをINAさんとできたんです。

 自分が「こうしたいんだよね」というボールを全部、INAさんに投げるんです。そしたらINAさんは全部キャッチしてくれて、全部汲み取ってくれるんです。デジロックというくくりの方に落とし込んでくれたのでビートもしっかりしていて、ギターのフレーズも数学のような配置になっていて。INAさんはギターフレーズの博士だったりするので、自分の思いを全部投げて構築していってもらいました。

――INAさんとの出会いは大きいのですね。

 あれだけ自分の音楽を美化してくれる人には会ったことがなかったですね。デモを渡すとスーパーサイヤ人になって返ってくるというか(笑)。素晴らしい人と楽曲を作るってこういうことなんだなと。

――今回は参加されているみなさんがとても豪華ですね。

 そうですね。3曲目が「BLACK FIRE」という曲なんですけど、これは自分がNEWSに楽曲提供させてもらった曲で、それをセルフカバーしてみようということでやった曲なんです。NEWSに提供したアレンジのまま自分で歌うというと、自分の中で普通過ぎてあまり気分が乗らなかったんですけど、どうせならリミックスじゃないけど一個一個レコーディングをして、新しい音でレコーディングし直して。TeddyLoidさんという方とコンタクトを取って「BLACK FIRE」をダンスミュージックのエグいところ、ディープなところを目指そうと。これはなかなか凄いところに来たんじゃないかと思ってます。NEWSのファンの方々にも「BLACK FIRE」がどういう風に変わったかというところを聴いてみて欲しいくらいですね。

――ところで、今作のアルバムタイトルの由来は?

 ファーストは、ダンスミュージックの比重が多めだったんですけど、今作は今まで自分がやってきたロックの比重を多くして『HOPE IN BLACK』というタイトルを入れました。

 黒の盤面なんですけど、この黒の中に…河原光さんというデザイナーと色々ディスカッションしながらですね。『HOPE IN BLACK』というのは、自分もこの2年間の中で母を亡くして、人を失うということを経験し、これ以上悲しめないんじゃないかなという経験もありながら、全てが灰色になるというか真っ黒になる世界になったんですけど、「それではいけないと思う」というのが僕にはあって。カラフルな色んな感情を、黒の中にも希望はあるということを込めたかったんです。

 これは作るにあたって、赤で塗って黄色で塗って青で塗って、色んな色を塗って重ねたところに黒で塗りつぶしたんです。もしこれの原画があったとしたら、擦ったら黒がなくなってくるんだと思います。中はレインボーの世界になっているというか。今まで自分がソロでやってきた集大成が今回のアルバムに出ているので、一番自分に近い作品になっているんじゃないかなと思います。そういう思い等もあって今回、『HOPE IN BLACK』というタイトルでやらせてもらいました。

 河原さんは「ギタリストはギターを持っている姿が一番カッコ良いんだ」って言い切ってくれて。「そうだよね!」って。河原さんもギターマニアみたいなところがあって、自分が持っているギターと河原さんが持っているギターを並べてアー写を撮ったんです。アミタマリさんという女性のカメラマンの方に撮ってもらったんですけど、女性のカメラマンの方にグッと来られるのはグルーヴ感があっていいですね。男性が女性にカッコつけていようとする気持ちってあるじゃないですか? そういうのが出たりするんですよね。男性カメラマンに撮ってもらうこととの違いというのも面白かったです。

――この表情も女性に撮ってもらったからこそのものでしょうか?

 彼女が引き出してくれたものだと思います。

――撮影の間はけっこうコミュニケーションをとったりするんですよね?

 そうなんですよね。お互いが「何がカッコいいか」というのを、撮りながら標準を合わせていくんですよ。どういう表情を彼女が欲しがっているのかとか。自分を撮ってくれるというよりも、お互い歩み寄りだと思うんです。相手が「その表情良いから撮らせて!」と言ってもらうところまで辿り着くというか、その人が良いと思うのってみんな違うじゃないですか? そういうところで新しいオリジナルの写真と表情が出来上がるんじゃないかと。

――ちょっと演奏と似ているところもありますよね?

 ありますね。それこそセッションですね。「ちょっと音出そうよ」というのと「ちょっとシャッター切ってみようよ」というのは一緒ですね。面白いです。今回は人間と人間がぶつかり合うような空気の中で、トータルで作品が作れたと思います。

――さて、これを引っ提げてのワンマンライブ『CHANGE THE GAME 10音 ~vol.10音~』が12月25日に品川プリンス ステラボールであります。

 ライブには、VAMPSでベースを弾いているJu-kenさんだったり、UZMKのドラムのDUTTCH、hydeさんのソロをやってるhicoくん、DJ NAKKID、ギターYOSHIの7人でツアーをやっていきます。

――かなり厚みのあるライブとなりそうですね。

 そうなんです。みなさん是非ライブに遊びに来て欲しいという気持ちでいっぱいです!

(おわり)

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