要のグルーヴ、進化するメロディ

――ただ、ライブになると変わってきますよね。

 そうですね。全部が生音と、シーケンスと融合させていくというのがライブですが、それはやっぱり違いますよね。全部、生音とデジタルサウンドが入っているのとでは。

――グルーヴについてはどうでしょうか?

 極論、音楽は“グルーヴ”でしかないですね。グルーヴしないと何も生まれないというか。

――同期とグルーヴは相反するものではないかという考えもあったりするのですが。

 一定のクリック(※1)が走っているものは、どう足掻こうがテンポは動かないじゃないですか? 動かないから逆に自分(演奏側)が目立つんですよね。自分でグルーヴが作れるんです。(そのテンポの範囲内で)自分だけが遅くなったり速くなったりすることができるから、人がジャッジしやすいと思うんです。生かすも殺すも自分次第になってくるので。「何もブレずにそれだけやってて。俺だけ遊ぶから」みたいな。血が通っていない、真っすぐなことしかできないものに、人間が混ざるとグルーヴができないかというと、それは違うんですよね。グルーヴできる方法は必ずあるんです。そのなかでも生音だけの場合と、デジタルが混ざったものの場合とでは、そのグルーヴも種類が変わってきます。

 ※1 演奏時にテンポを維持するため鳴っている音。大まかにいえば、電子音のメトロノーム。

――日本の音楽に比べて海外の音楽の方がグルーヴを大事にしているという印象があります。

 海外の方がわかりやすくて、太くグルーヴしているんですよね。日本のグルーヴは線が細いというか、シャーペンで書いた感じです。アメリカとかはマジックなのかな。それくらいわかりやすい感じ。日本のは線が細いから日本特有のグルーヴ感になっていて。

――今作はそのグルーヴも感じましたし、メロディに関しても美しいと感じました。80年代・90年代のメロディの美しさの影響を受けているのかと。

 ギターも歌もそうですけど、メロディが良いのが凄く好きで。マルーン5とかコールドプレイとかは常にメロディが良いじゃないですか? 自分は、自分にしかできない音楽というものを目指してはいるんですけど、同時に一世風靡しているマルーン5などの音楽はヤバいと思っているんです。常に彼らなどが時代を作っているし。Aviciiが出てきたときもメロディが進化しているんですよね。自分でメロディを作っていると「こういうメロディだと昔っぽくなっちゃう」というのがあって、メロディは回っていっているというより、進化していってるんです。

 でもアンサンブルや楽曲はけっこう時代が戻ったりはしているんです。戻って、昔のようなメロディを付けたところで「ただの昔」という風になるんですけど、メロディはその中でどんどん進化しているんです。みんなが一番落ち着くのは「~っぽいよね」というのが聴きやすいと思うんです。それは、新しく出てきたバンドでも。けどメロディは必ず違うんです。詞もそうですね。

 昔は音源をデータで送り合うということができなかったから、わざわざCDに焼いて持って行ったりしましたけど、今はそういった手間が全部カットされているので、そういうものでインドア化されているというか。バンドを組まなくてもバンドっぽいことを自分の家で一人だけで出来ちゃうし。それの素晴らしい例が米津玄師さんだと思うんです。彼のような音楽は「~っぽい」という空気が見えたりするんですけど、それにプラスして、アニメの主題歌に入っているっぽいというか。なのに、メロディと歌詞は彼のオリジナルで、昔にはない表現をしているという。

――お話を聞いているとJUONさんはかなり音楽を分析されていますよね。

 そうですね。無意識に(笑)。新しい音楽があったら、「この音楽は何を意識して、何からエッセンスを持ってきて…」と。例えば、Suchmosはジャミロクワイっぽさが入っての新しい世界があって、とかそういう研究はしていますね、自然に(笑)。

――そういった中で悔しさを感じたりもしますか?

 いくつも経験しましたね。

――その悔しさが今作に出たり?

 なくもないかもしれないですね。自分が今まで聴いてきたロックというものを今自分が重んじて気持ちを色濃くしたい時期が来ているので。

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