俳優の矢野聖人が主演を勤める映画『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』が3日、公開初日を迎え、矢野とともに共演の武田梨奈、岡本玲、秋吉織栄、葉山昴、近藤芳正、鶴見辰吾と、メガホンをとった藤原知之監督が登場、改めて撮影の経緯とそのエピソードなどを語った。

 本作は和歌山県に実在する『太地町立くじらの博物館』を舞台として描かれたドラマで、飼育員のリーダーに抜てきされた主人公が、同僚と協力し合って博物館を盛り立てていこうと奮闘する姿を活写する。全編和歌山でのオールロケで撮影は敢行され、主人公のクジラ井太一役をドラマ『よろず屋ジョニー』(フジテレビONE TWO NEXT)などに出演した矢野聖人が担当、東京から来た博物館の助っ人・白石唯役を武田、太一の同僚・間柴望美役を岡本が担当、他にも秋吉、葉山ら若手、さらに近藤、鶴見らベテランのバラエティに富んだ布陣が名を連ねる。

武田の前でクジラの真似をしていた矢野、その真実が明らかに!

 矢野は「正直スケジュールはすごくタイトでしたが、全然ボクはそんなに大変だとは思わなくて、むしろ主演をやらせていただくという喜びの方が強かったです」と、改めて初主演映画公開を迎えた喜びを語る。劇中では、矢野や武田ら出演者がクジラの調教師としてショーを見せるシーンも。

矢野聖人

 藤原監督は当初現地の博物館職員等に諸々の相談をおこない、最悪クジラなどの調教などが出来ない場合は実演部分を専門家との振り替えにするなど、撮影に対して万が一の準備をしていたことを明かしつつ「(結局は)みんな努力してもらい、一切を自分たちでやってもらえました」と語り、キャスト陣の撮影に向けた努力をねぎらう。

 一方、役の準備として撮影前に矢野や武田らは現場に入り、クジラの調教などの特訓を実施。完成披露上映会の場でも明かされたが、前乗りで現場に入った矢野が武田に対して気を使い、訓練の際に時々クジラの真似をして武田を笑わせていたことを「変な人でしたとか言われて」などとと振り返ると、周りより実演して見せろとせがまれる。

 そこで武田が笛を持って指示のポーズを見せると、矢野は直立した姿勢で腰のあたりで手をばたばたさせるポーズを披露。武田は余りのおかしさに絶句、矢野はその場に崩れ落ちることに。フォローとして司会者からさすがは主演とねぎらわれるが「僕が知ってる主演って、こういうのじゃない!」と一言、爆笑を呼んでいた。

矢野聖人、武田梨奈

撮影後にメインキャストのカナヅチ振りが判明

 一方、撮影後に実は矢野、武田、岡本の3人がカナヅチであったことが判明。岡本はその話を聞いて驚いたことを振り返る一方、矢野は「27歳で泳げないって、恥ずかしいじゃないですか」と言い出せなかったことを明かしながら、映画の冒頭で海に飛び込むシーンを回想し「正直怖かったけど、泳げないと主役が振り返られちゃうと、そっちの方が怖かった」などと冗談っぽくも不安に感じていたことを振り返る。

武田梨奈

 武田も同様の不安を抱えながら、友人から鬼のようなトレーニングを受け、撮影までに見事に水への恐怖症を克服していたことを明かす。その一方で、自分だけがカナヅチだと思っていた岡本は「みんなバリバリと泳げると思ってたから、その劣等感をお芝居に反映させて、私はうまいこと(弱点を)利用しました」とちゃっかり自身の演技に反映させていた敬意を語り、笑いを誘っていた。

 太一を見守る先輩飼育員の野崎沙也加役を務めた秋吉は「お姉さん間が足りないなと思って、静か過ぎたかなと」などと振り返りながら「太一たちが思う『クジラが好き』という気持ちに私も動かせされるところがありました。そんなところが伝わればと」と自身の役柄をアピールする。

岡本玲

 対して最初に太一らに反発する飼育員・渡辺ケンジ役を演じた葉山は、撮影前から飼育員の仕事などを習得する勉強のため現地入りしていたが、餌となる魚の内臓を取る作業などをドンドンとやらされていた挙げ句、撮影を行っていた半日中、結局ずっと餌の準備を実施し「俺、(現場で)バイトしてたんですよ!」などとコメント、笑いを誘う。

 今回特別出演した近藤は、なんと矢野と対面するのはこの日が初めて。「皆さんとは体温が違うんですが、一泊二日で帰ってきた和歌山の思い出、ほとんどございません」と冗談っぽく撮影を振り返りながら、ちょうど移動に台風がバッティングし、名古屋まで移動したあとにスタッフに車で迎えに来てもらうという大変な移動になったことを回想する。

秋吉織栄

 また、若い頃に自身が主演を果たした映画の撮影で、和歌山に訪れたことがあるという鶴見は「自分の若い頃を思い出したりとか、そういう楽しさがありました。30数年ぶりに和歌山に行って、役の思い入れもひとしおでした」と語った。【取材・撮影=桂 伸也】

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