哀川翔の娘で女優の福地桃子が、映画デビュー作にして初主演を務める映画『あまのがわ』が30日、東京・六本木で開催の『第31回東京国際映画祭』で公開され、舞台挨拶に福地と、共演の吉満寛人、住岡梨奈、渡邉幸愛、園田あいか、生田智子、古新舜監督が登壇。劇中に登場し、一つのアクセントとなるロボット・OriHimeとともに、福地は映画初主演の感想などを語った。

福地桃子

 本作は、大好きな太鼓を母に反対されたことがきっかけで、人に対して心を閉ざして不登校になった一人の少女と、交通事故で体の自由が効かなくなり生きる目的すらも見失った青年の心の成長を描く。主人公の女子高生・史織を福地、半身不随で希望を失う青年・星空を、『仮面ライダーゴースト』の御成(おなり)役を務めた柳喬之が演じる。

 「普通の女子高生の感じる葛藤や日常での些細な問題や家族のコミュニケーショントラブルなど、そんな些細な問題にテーマを敢えて当てて考える時間がとても多かった作品」と本作のイメージをとらえる福地は、「普段の自分には考えたりすることができないことを、沢山教えていただきました」と撮影のひと時を振り返る。

福地桃子、生田智子

 さらに福地は、作品の印象について「日常の些細なこと、当たり前の生活を振り返る瞬間がどこかにあればという思いがすごく強かったです」と語り、「劇中では屋久島が舞台なんですけど、そこの自然とか、そこで出会う大人の方だったり、今このロボットがすごく最新で色んな分野でいろんなんなことが進化している中で、敢えて自然と関わるというところをすごく大事にした作品となっています」と述べ、改めて作品をアピールした。

 劇中で、福地と親子として母親役を演じる生田は「実際母親をやっていますので、この役をやりながら自分は母親としてどうなのかとか、いろいろ考えながら演じさせて頂きました」と改めて自分と向き合っていたことを明かしながら、今回、子を演じた福地に対して「先日私たちも試写を見させていただいたんですが、とても頑張っていて、作品もそうなんですけど、桃ちゃんの頑張りに感動し、本当に母親の気持ちになりました」と役柄を超えた関係になった様子を見せていた。

 2014年にこのロボットと出会い、そして岩手・盛岡に在住する障がいを抱えた一人の人物との出会いが、この映画を作るきっかけになったと語る古新監督は「私に勇気をくださいました」とそれぞれの出会いが映画制作のきっかけを作ってくれたと振り返りながら「体が動けるって当たり前な感覚ですけど、障がいを持っている方でも社会に参画できる、そんなことを映画にこめて、色んな人たちが助け合っていける、そんな社会が広がると良いな、という思いでこの映画を4年近く制作に向き合いました」と作品に込めた思いを語った。

渡邉幸愛

 また、シンガーとしても活躍している住岡梨奈は、今回映画出演を果たすとともに、映画のために書き下ろした楽曲「あまのがわ」が主題歌として採用されており「本当に屋久島に行って書いた曲だったので、すごく映画のイメージとか、人とのつながりとかも描けたかな、という、本当に私の人生にとってもいい経験だったと思っています」と楽曲制作の貴重な時間を振り返っていた。【取材・撮影=桂 伸也】

記事タグ