共鳴するもの

――HYDEさんはStarsetさんを高く評価されていますが、何か彼らから影響を受けた部分はありますか?

HYDE 僕の音楽に直接反映されているかはわからないけど、僕は世界をターゲットにしているので、彼らとのツアーは自分のなかで糧にしていますね。彼らと回ったことは自分にとってすごく大きい。

――逆にStarsetさんはHYDEさんから得ているものはありますか?

ダスティン・ベイツ 今回のツアーはワールドツアー向きだったなと思う。もちろん違うところもあるけど、ここまで美意識やアプローチ的に近いもの、似ているところがあるなって実感したし、少なくとも目指すところがすごく近いのかなと思う。そこはすごくありがたかったなと思う。

HYDE 僕も思ってたんだけど、アメリカのバンドってTシャツにジーパンみたいなシンプルな衣装のバンドが多かったりするじゃないですか? 僕はステージングや演出は凝りたいタイプなんだけど、それはアメリカではやりにくい雰囲気があって。だけど、そういうなかで衣装や演出も凝っているStarsetが身近にいてくれたから、改めて「あ、やっぱりそうなんだよね」「こういうライヴは楽しいよね」と思えて。彼らと出会えてすごく良かった。

――総合芸術としてのアプローチとしてですよね?

HYDE そうそう。

――楽曲制作のときにアメリカのプロデューサーを入れるのも、そうした観点からですか?

HYDE やっぱりアメリカと日本を比べたときに違いはあって。アメリカで売りたい場合に、何が正解か、何が受けて何が受けないのかという点がいまいち微妙なところがあって。その感性は、アメリカ人じゃないとわからないところもあるし、現地のプロデューサーがいたほうが、アメリカで伝わりやすいと思っていて。

――となると、今回のソロ曲もアメリカ寄りなんですね。

HYDE それは常に意識しています。マイファーストストーリーのSHOに作ってもらった曲だけど、その曲もアメリカのプロデューサーを通すようにしてる。それはさっき言ったように、わからないところがあるから。例えば、僕はStarsetの曲を聴いたら、Starsetの曲は日本人が好みそうというのは分かるけど、アメリカの人たちにはStarsetが日本で受けそうってことは分からないでしょ?それと同じで、僕の音楽がアメリカで受けるかどうかは、現地の人じゃないと分からないと思うだよね。だから、アメリカで活躍しているプロデューサーを立てたいというのが大きい。

――そういった意味では、Starsetさんと一緒にやることでその感覚が近づいていく、研ぎ澄まされていく?

HYDE そうそう。だから彼らのステージを見るとすごく刺激になるね。

日本と世界

――ところで、東京五輪・パラ五輪の開催が近づいて、日本の良さを再発見する流れもあるなかで、もっと世界に目を向けていこうという動きもあります。日本とアメリカで活動されていて、気づいた点、日本の社会に思うことはありますか?

HYDE 日本ってよくガラパゴスって言うじゃん。それが日本の良いところでもあるし、悪いところでもある。独特の文化は育つけど、実はそれアメリカでは既にやってるよ、とか、むしろもっと深いところをやっていたりもする。一長一短というかね。特に日本人は鎖国感もあるから。でもね、オタク的な文化を活かしつつも、海外を見ないとダメだとは思うんだよね。案外、盲目で気がついていないことがいっぱいあると思う。

――音楽という観点で見た場合もそう感じるところはありますよね。規模が違うというか。例えば、アメリカのステージは派手な演出があって華やか。グラミー賞もそうですけど、トニー賞の華やかさは桁違いなところがあって。そのなかで音楽やミュージカル、もちろん映画もそうですが、垣根がなくなってきていると思います。

HYDE 音楽がどんどん配信文化になっているからライヴの重要性は高まっているよね。そのライヴ自体がいまは演奏しているだけで納得しているかもしれないけど、どんどん多様化する雰囲気は感じます。おっしゃる通り。

――そのなかで目下、どういう展開をされていきますか?

HYDE 久しぶりにソロになってすごくフレキシブル。フットワークも軽くて、忙しいけど、自由にできるなということに気がついたので、今この状況をすごく楽しんでます。僕はこれまで、自分のことよりもまわりのことを気にしてたから、いま、自分を探求するのがすごく楽しい。どんどん自分を磨いてね、また彼ら(Starset)と一緒にライヴができるように、自分を磨きたいです。

ダスティン・ベイツ 僕らはいま3枚目のアルバムのレコーディングをやっていて、ミュージックビデオも作っているし、そのときはツアーもね。HYDEとライヴができる日を楽しみにしているよ。

(おわり)

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