『LIBYAN GLASS』各曲に迫る

UNCHAIN

――アルバムの楽曲はどうやって持ち寄っているのでしょうか?

谷川正憲 これで吉田が作れるということで全員が作曲できるので、だいたい何日までにみんなで曲を溜めて持ってきてもらって一斉に聴く、という感じです。

――「FLASH」は凄くファンキーな楽曲ですね。ねごと・蒼山幸子さんが作詞を手がけていますが、この経緯は?

谷川正憲 一昨年の20周年記念としてコラボアルバムをやらせて頂いたときに、ねごとの幸子ちゃんと一緒にデュエット作品を作って、そのときに歌詞を1曲書いてもらったんです。それで「相当、相性がいいな」と思って、是非またもう1曲やって欲しいなという思いでオファーしました。

――作詞を他の方が手がけた楽曲を歌うときに意識する部分はありますか?

谷川正憲 昔は全てを自分でやらなければいけないという使命感みたいのにかられていた時期もあったんですけど、もっとフレキシブルに「この曲に合う歌詞を探し求めてもいいんじゃないか」みたいな気持ちになってきて。もちろんメンバーの助けも惜しみなく借りるし、メンバーではない方の力も借りて良い音楽が作れるならそれでいいんじゃないかなという方向になってきたんです。

――「Traveling Without Moving」は、どこかで聞いたようなタイトルのような…。

谷川正憲 ジャミロクワイで同名曲がありますね。

――なるほど。カバーではありませんでしたね。ギターソロが凄くカッコいい楽曲ですが、どこから着手した曲でしょうか?

佐藤将文 ちょっとアダルトで男くさい、でもやんちゃな、みたいな。そういう遊んでいる感じが作れたらいいなと思って。リズムトラックから作りました。

――「butterfly effect」は谷川さんの作曲ですね。さりげないアプローチとは感じるんですけど、ピアノのループ・フレーズが印象的ですね。

谷川正憲 これはデモ段階から作っていて、それこそ、そのピアノ・フレーズから曲を膨らませていった感じです。ワンフレーズから曲を作っていくというのもけっこうありまして。

――ループ・ミュージック的な音楽はけっこう聴くのでしょうか?

谷川正憲 最近は聴きますね。谷くんもHIP HOP好きだし。洋楽のトラックとかって、超シンプルで音数が超少ないのが凄くカッコいいなと思っていて。「音数は少なすぎてどうやってあんなカッコ良くするんだろう?」というのは常に疑問で。それを常に探して挑戦している感じというか。

――谷さんはHIP HOPもよく聴くのですね。

谷浩彰 そうですね。そんなに詳しい訳ではないんですけど。“人力ループ”みたいなのが好きなんですよね。同じことをひたすら生でやっているのを感じられるのが好きです。

――「butterfly effect」は、同名の映画(The Butterfly Effect)がありますけど、これは関係がありますか?

佐藤将文 その映画は知っていてけっこう昔に観ました。それこそピアノのフレーズがbutterflyの姿のように鳴って、歌詞を書くのも早い者勝ちで最初に取りました。

――歌詞を書くのは挙手制なんですか?

佐藤将文 色んな形がありますけど、これに関してはそうですね。

谷川正憲 だいたいは歌詞が後になるので、そういうことが多いですね。

佐藤将文 テーマがピアノのフレーズで「これだ!」というのが浮かんだんです。ミステリアスな、熱くて、でもクールで。そういう曲になったのでイメージした形になりました。

――「-Beyond The World-」はインスト的ですね。ジャムセッションで作ったのでしょうか?

谷川正憲 これは最初歌入りだったんですけど、どうだったっけ?

佐藤将文 それのデモを出したときに、最初にインストで聴かせたけど歌を乗せたのも聴かせて…。

谷川正憲 結局、歌を抜いたと。

佐藤将文 ピアノをちょっとずつ弾いて曲を作るのが自分の中で流行った時期に作ったものなんです。鍵盤が手に入ったので、それを弾くのが楽しくてやっていたという感じです。「鍵盤でどこまで出来るだろう?」っていう感じで。

――鍵盤で自由に作った、という感じの楽曲?

佐藤将文 ギターを触らないという感じで。それこそワンフレーズがあって、それにどうコードを乗せるかなど実験的に作りました。

――この曲はコード進行がキャッチーですよね。3コードメインで。

佐藤将文 そうなんです!

――「Behind The Moon 」はどのように作曲したのでしょうか?

佐藤将文 これは「いいメロディの曲を作りたい」と思って。最初はギターを弾きながら歌って。最初はバラードなのかなと思ったんですけど、バラードにしたくないからという感じで、ダンサンブルがカッコいいかなと思って。

――ギターのキラキラした感じが綺麗ですよね。バラードと言われればそうもとれるというか。

佐藤将文 みんなでアレンジするときも「“どバラード”でいっちゃう?」みたいな。「いやあ、いきたくない」みたいな話をしながら。どっちにも振れるような感じなのかなと思います。

――「アイスクリーム」はHIP HOPな感じですね。

谷浩彰 完全にループですねこれは。8小節のループを組み込んだというか。歌詞の内容は、「テーマはアイスクリームで書いてくれ」と言われて「マジか」と思って。

――先にテーマがあったのですね。

谷浩彰 僕は食べる「アイスクリーム」しか想像できなかったんですけど、それをもとにしようかなと思って、叫ぶ“scream”や“Ice cream”も混ぜたら、結果ポジティブにもネガティブにもとれる内容になったと思います。

谷川正憲 これは「アイスクリーム」というフレーズから作った曲なんです。そこは変えずに、そこを膨らませてほしかったんです。

――テーマから膨らませるという作り方が多いのでしょうか?

谷川正憲 最近多いです。歌詞というかテーマ、ワンフレーズを先に決めちゃうというパターン。今作だと「I Am」もそうだし、過去作だと「beautiful girl」はサビのメロディが先に出てきて、という感じだったり。

――テーマが先にあった方が作りやすい?

谷浩彰 どっちもどっちという感じですね。なければないで、それはそれで難しいですけど。

佐藤将文 どっちも難しいよね(笑)。

――UNCHAINは色んなアプローチで作品作りをするバンドなのですね。

谷川正憲 そうじゃないと飽きちゃうという。

――そこがUNCHAINの中心にある何かかと思います。

谷川正憲 そうですね。長いことやり過ぎちゃっているので、色んなパターンを試して実験して、という感じでないと新しい風が吹かないということは最近凄く思うことです。

――「Just Marry Me」は逆に初期のシングル楽曲を思わせる雰囲気ですね。

佐藤将文 今はない昔のキラキラ感というのは滅茶苦茶意識しました。作り始めたのも夏で、海の見えるようなキラキラした景色があって。メンバーミーティングの中で「こんな曲も入れていきたいね」という、昔のキラキラした感じがあったら面白いんじゃないかというのもあったので。

――これは英詞ですが、どういった内容でしょうか?

谷浩彰 僕は今回3曲書いていますけど、Jeff Gallandという友達に英訳してもらったんです。僕が日本語でテーマをJeffに渡して。テーマは“結婚”ですね。「Behind The Moon」は“友達の死”だったり。だから僕の中では書いた3曲はネガティブだったりポジティブだったりというのがそこにもあるんです。今回の制作期間で、自分が感じた出来事が大きかったんです。

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