4人組ロックバンドのTHE ORAL CIGARETTES(以下オーラル)が18日に、Zepp Tokyoで全国ツアー『Kisses and Kills Tour 2018 Live house series ~Directly to various places~』のツアー初日公演をおこなった。ツアーは6月にリリースされた4thアルバム『Kisses and Kills』を引っ提げて、全国のライブハウスを回る『Live house series~Directly to various places~』と、12月8日の名古屋 日本ガイシホールから2019年3月17日の横浜アリーナまで4公演をおこなう『Arena series ~Directly In a wide place~』のトータル19公演をおこなうというもの。ツアーファイナルかのような盛り上がりを見せた9月18日のもようを以下にレポートする。【取材=村上順一】

ツアー1本目だからめちゃくちゃ気合い入ってます

THE ORAL CIGARETTES【撮影=Viola Kam (V’z Twinkle)】

 夕方から降り出した雨は徐々に勢いを増し、開場時刻の頃にはお台場は土砂降り。多くのファンがびしょ濡れになりながらもライブハウスに向かう姿も多く見られた。開演時刻が迫るフロアは隙間もないほどの超満員。これから始まるステージへの期待感が高まっていくのがひしひしと感じられる。今回のツアーは6月にリリースされた4thアルバム『Kisses and Kills』を引っ提げてのライブ。“Kiss”と“Kill”という真逆の感情をテーマに作り上げた作品がライブでどのような姿を見せるのかに注目が集まる。

 ライブでは恒例の4本打ちに続いて、ライブが始まった瞬間からトップギアといった様子のステージとフロアの盛り上がり。一瞬も気の抜けない熱い空間が広がっていた。山中も2曲目が終わったところで「ヤバいぜ」と興奮を隠せない様子。「もういいかい?」のような希望と愛に溢れた曲、「PSYCHOPATH」のような狂気を放つようなシリアスな曲など、“Kiss”と“Kill”という言葉に隠された2面性を打ち出してていく。

 「ツアー1本目だから、めちゃくちゃ気合い入ってます」と、この言葉を体現するようなステージパフォーマンスで魅了していく。あきらかにあきら(Ba、Cho)も気合十分といった闘牛の前掻きのような仕草を見せてたのも印象的だった。山中は「自分の感情を大切にしましょうということを歌ったアルバムです。今日は一人ひとりどんな感情でも良いので、各々が自分の思うような感情を持って帰って下さい!」と投げかけた。

 この日、特にエモーショナルだったのは「トナリアウ」と「ONE'S AGAIN」だった。この2曲で全てを浄化してくれるような、感情のうねりが生まれていた。オーディエンスも一緒に歌い上げるひとつの意思がそこにはあった。

めちゃめちゃ幸せでした

THE ORAL CIGARETTES【撮影=Viola Kam (V’z Twinkle)】

 今回の『Live house series』について言及する山中。「アリーナでは出来ない雰囲気がライブハウスにはあります。今から俺らでそれを作るんやぞ。お前らライブハウスに来たからには覚悟は出来てるだろうな」と煽ると、歓声で応えるオーディエンス。「俺ら果てまで付き合います。付いてこいよ!」とアグレッシブなナンバーを立て続けに披露していった。

 その中でもライブでは今や欠かせない曲の一つとなっている「BLACK MEMORY」。リズム隊の繰り出す嵐のようなグルーヴに、鈴木重伸(Gt)のエッジの効いたギターサウンドがアドレナリンを分泌させ、ボルテージはマックスまで高まった。フロアもクラウド・サーフィングをおこなうオーディエンスの姿。そのフロアの熱気が2階席まで立ち上ってくるほどエキサイトした空間。山中もステージを離れ、観客の手の届く近い位置で、ダイレクトにオーディエンスとエネルギーのやりとりをするようなパフォーマンスでさらにヒートアップ。

 山中は「マジで最高です! 余裕で予想を超えてきました」と今日の盛り上がりに満足そうな表情を見せていた。そして、「困難を越えてこそ人は強くなれる。辛いことがたくさんあったから向き合えた。時代をひっくり返すようなことがしたい、俺らの音楽でみんながワクワク出来るような人生を作っていきたい。辛いことやしんどいことがあったらライブハウスに戻ってこい。俺らは大きなところや海外も経験して日本でカッコいいと思われるバンドになって帰ってきます。ダサいと周りに何を言われてもいい。あなたたちが味方だったらそれ以外は何も必要ないですから…」と思いを綴った。

 ツアー初日だが、すでにツアーファイナルかのような演奏の完成度と、オーラルとフロアが同化するかのような一体感を見せていたライブに、中西雅哉(Dr)も「今までのツアー初日で1番だと思う。こんな初日ないよマジで!」と話していたのが、それを証明していた。

 まだ始まったばかりのツアーだが、真のファイナルではどのようなステージになっているのか否が応にも期待が高まった。そして、全体を通して愛に満ちたセットリストだったと感じた。きっとここに来たオーディエンスも様々な感情を抱いたはずだ。最後に山中は「めちゃめちゃ幸せでした」と喜びを伝え、初日公演は大盛況のなか幕は閉じた。

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