世界興行収入No.1シリーズのマーベル・スタジオ最新作、『アントマン&ワスプ』が日本でも好評だ。単体作品の続編となる今作では、頼りなさすぎる世界最小ヒーロー、アントマンと完璧すぎるワスプのコンビネーションの妙も見もので、主演のアントマン役ポール・ラッドの肩の力が抜けた名演もパワーアップ! まったく新しいバディ・アクション・ムービーとして、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースへの期待も高まる。

 そのアントマン役、ポール・ラッドが来日を果たした。前作以上に楽しい作風に仕上がっている本作は、ペイトン・リード監督をはじめ、気心の知れた仲間内でアイデアを出しあい、「自分たちが楽しめるものを作った」と制作のポイントをインタビューで語ったポール・ラッド。また、ディズニーランドというパーク内での『アントマン&ワスプ』の新機軸展開、自身がマーベル・シネマティック・ユニバースの一部として当事者になっている気分について熱狂の渦中にいる今の心境も聞いた。【取材=鴇田崇】

ポール・ラッド

ポール・ラッド

――前作以上に楽しい作風に仕上がっていたと思います。ペイトン・リード監督との信頼関係があってこその今作だとも思いますが、その点はいかがでしょう?

 前回の1作目にペイトンが参加して以来、どういうタイプの映画にしたいのかということや、笑いがいかに大切かということ、このジャンルにあって独創的なものを作り上げることがいかに大切かということについて僕たちはすべての意見が一致しているよ。僕たち常に、とても楽しいけれど感動的な部分もあるもの、ビジュアル的に人々を感嘆させるものでありながらも、可笑しくあるものを求めていて、それは今回でも同じことだった。

 どういう映画を作りたいと思っているか? ということに関しては、僕たちはいつも同じ考えを持っているって感じるよ。そのおかげで、ひとりの俳優として信頼して委ねることができるしね。彼が、彼自身の求めていることをしっかりと捉え切るだろうと僕自身も彼のことを信頼しているよ。

――監督のムチャぶりではないでしょうけれど、あなたがドラムを叩くシーンが何度か登場していましたが、得意ですか?

 ぜんぜんだよ(笑)! 監督はドラマーだから得意だけれど、まったく練習をしていないし、インストラクターも入っていないからね。それこそ、君が叩くのと同じくらいの雰囲気を出せればよかったわけだから(笑)!

――いわゆる見せ場ではないですからね。ヒマつぶしで叩いているくらいの。

 僕の知っている役者はほぼ全員、なんとなく演奏が出来そうな感じだけれど、だからといって演奏を聞きたいほどではないレベルだよ(笑)。歌を歌いながらドラムも叩くこともできるけれど、プロのドラマーが聞いていたら思わず、「辛い!」と思うような腕前だ。要はできないということ。

――ところで、アントマンのコスチュームについてですが、一作目と比べて改良しているようですね?

 少しだけ変わった。一番最初のスーツは、ずいぶん昔にデザインしたという設定だった。だからアナログな部分が残っていたし、傷やスレなどがあったよね。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では少し光沢があって、少しだけ輝きもあった。それにヘルメットのケーブルがなくなっていたかな。そして本作のスーツは、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』のものと一作目の、ハイブリッドのようなものだと思う。少し一作目のものに近くなっているけれど、ケーブルがないというような違いはあるし、ちょっとしたバリエーションになっているよね。きっとインターネットの世界には、すべての答えを知っている人がいる(笑)。僕より詳しい人がたくさんいるはず。もうこれ100回以上着ているけれど(笑)。

――ワスプ役のエヴァンジェリン・リリーは、とても楽しい人そうですよね。共演していかがでしたか?

 彼女は可笑しくて楽しい人だ。彼女はとても才能豊かでね。そして彼女はまた、こういったことすべてを楽しめる人だ。だから、こういうクレージーな世界で格闘するのではなく、そのことを楽しめる人と一緒に飛び込めることは、とてもいい経験だった。彼女と仕事をすることは大好きだ。

――アドリブも多そうでした。おそらく撮影現場ではアドリブの応酬だとは思いますが、彼女はそういったことにも対応するタイプですか?

 もちろん。間違いなくね。まったくと言っていい。でも多分、人々が思っているほど、僕たちはアドリブをしていない。マイケル・ペーニャと僕はちょっとアドリブをするけれど、僕たちは明らかに過去にそういったことをしたからね。でも、自分たちが書いたものに沿って演じてはいたかな。

ポール・ラッド

――ところで、アントマン&ワスプは、パークス・リゾーツでも人気を集めそうですね。2019年に香港ディズニーランド・リゾートにオープンする新アトラクション用に、エヴァンジェリンと撮影をしに行ったそうですね。

 そうだね。近い将来、香港ディズニーランド・リゾートにオープンする予定のアントマンとワスプのライド・アトラクション用の撮影でね。ライドに乗っているとサイズ感が変わるみたいで、いわゆる激しいジェットコスーターではないようだよ。ゲストはライドに乗って小さくなったり大きくなったり、それに近い体験が楽しめるみたい。僕も楽しみにしている。

――もともとディズニーランドには、よく行かれていたそうですね。パークでは、どのようにして過ごすタイプですか?

 今でも大ファンだよ。ずいぶん昔はアナハイムに暮らしていたので、カリフォルニアのディズニーランドには、しょっちゅう行っていた。車で10分くらいの距離でね。今でも仕事でカリフォルニアに行くことがあれば、必ず子どもたちを連れていくようにしているくらいだよ。子どもの頃は、「カリブの海賊」「ビッグサンダー・マウンテン」「スペース・マウンテン」、フロリダのWDWでは「ロックンローラー・コースター」が好きだった。あれはかなりやばい(笑)。パークではやりたいことだらけで、あそこに行くとマジカルなフィーリングに、僕は本当にハマる。時に“ハピエスト・プレイス・オン・アース”と呼ばれているけれど、本当にそういう気持ちになるよね。『リトル・マーメイド』の曲が流れて来るだけで、そういう気分になる。君は何が好き? 『カーズ』の「ラジエーター・スプリングス・レーサー」? あれは最高だよね。フロリダにはないものだ。

――さて、以前『スター・ウォーズ』シリーズのマーク・ハミルに「一生ルーク・スカイウォーカーでいることは重荷ではないのか?」と聞いたことがありますが、あなた自身もマーベル映画10周年という節目に巨大なコンテンツの中にいるわけで、この先もずっとアントマンとともに歩く人生については、どう思っているのでしょうか?

 人がすごく情熱を感じているものの一部になれることは、とてもスリリングなことだけれど、僕はまだそのことに慣れていないんだよね。この作品は、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を撮影していた隣のスタジオで撮影していたけれど、当然、その映画に出ているヒーローたちがコスチュームを着たまま歩いていたりするわけで、その様子を見ていると、まるで自分が10歳児に戻ったように興奮していたと思う。なので、スリルを感じるとともに、まだまだ慣れていない自分もいるということで。

ポール・ラッド

――とはいえもう単体では2作目なわけで、どうして慣れないのでしょう?

 まあ、そういうことを自分の中で許したくないから、だろうね。そうあることは、僕にとってすごく重要だよ。僕はこの仕事をしていることに喜びを感じていたいし、それを忘れたくはない。だから、まずはファン心をなによりも先に演じている自分よりも大切にしたいと思っている。この仕事で生計を立てていることに心から感謝しているし、本当にこの仕事は僕はやっていて楽しいと思っている。だって、クリス・エヴァンスが衣装を着てキャップのシールドを持っていたら、そりゃわくわくするでしょう!

(おわり)

記事タグ