俳優の野村周平(24)が22日、東京・池袋でおこなわれた、自身主演の映画『純平、考え直せ』の初日舞台挨拶に、共演の柳ゆり菜(24)らとともに登壇、映画出演への思いなどを語った。この日は同じく映画に出演した岡山天音、毎熊克哉、佐野岳、佐藤祐基、藤原季節、木下愛華、森田涼花、片岡礼子と、メガホンをとった森岡利行監督も登場した。【取材・撮影=桂 伸也】

 『純平、考え直せ』は直木賞作家・奥田英朗氏の小説が原作の映画作品。新宿・歌舞伎町に巣食うヤクザの親分からの勅命で、3日後に鉄砲玉になる任を課せられた、極道を夢見る一人の男と、その男が殴りこんできた不動産業の店舗で偶然出会い、惹かれた女性が、残された時間を過ごす中で揺れ動く思いなどを描く。主人公のチンピラ・坂本純平役を野村、純平に惹かれる女性・山本加奈役を柳が演じる。

容赦ない野村のツッコミ、コメントに会場爆笑

 11人と大所帯で登壇したこの日の舞台挨拶で、歌舞伎町のコインランドリーを縄張りとするゲイのゴロー役を演じた佐野が、コインランドリーという場所に対するこだわりや、純平とのやり取りで、映画のみに存在するセリフなどを回想、映画の撮影について語る中、野村は、なかなか話の着地点がつかめない佐野に対して「時間がないんだよ! 俺もそんなに喋らんかったわー!」とツッコミを入れ、佐野にプレッシャーを与える。

 また他の登壇者との共演シーンはなかったが、撮影前に一日だけホストクラブに体験入店、役柄であるホストの仕事を学んだという藤原は「監督に、自由にやっていいと言われて…」などと撮影を振り返ると、野村は「元々自由だろ!」とすかさずツッコミ。さらには見所の一つである岡山と柳のハードな絡みシーンで、大変だった撮影を柳らが振り返っていると「俺は隣で韓流ドラマを見てたよ」などとあっけらかんと語るなど、野村は要所で痛烈なツッコミを入れて会場を沸かせる。

野村周平

 そんな野村は最後に、映画のストーリーに密接に関係しているSNSの存在に関して「SNSの住人というのはその中でしか生きていないので、心もとない発言をしてしまうことも多々あると思う。作品ではやっぱり人と会わないと何もわからないので、会ったこともないのにSNS上だけで人格なんかを否定するなよ! ということを言いたいんですけどね…」と、近日SNSで度々炎上することが話題となっている自身の思いを重ねるように語る。

 そして「これからは、僕は(作品に対して)何もすることがないので、皆さんの手で…少しSNSを否定しましたが、皆様のつぶやきなどで広めていただければと思いますので。皆さんの宣伝の効果で『カメラを止めるな!』みたいな感じになるかもしれないので! 僕らもカメラを止めたくないので!」と少し自虐っぽさを含めながら作品をアピール。

 最後には「(スタッフから)変なことを言え、と言われてて…」と前置きの後、一呼吸し「俺のことは嫌いになっても、『純平』のことは嫌いにならないでください!」と、AKB48卒業前の前田敦子のセリフをもじったコメントを叫び、会場に爆笑を呼んだ。

「野村はまさに『純平』」会ってみないとわからない魅力を語る共演者、監督

 一方で純平の兄貴分・北島役を演じた毎熊は、野村とは2、3日程度の共演だったが、互いに役柄そのものの人間として対峙していたことを振り返り、野村に対して「共演してカッコいいなと思って。たぶん歳も6から7個くらい違うけど、今時の人というよりは一昔前の男、まさに純平のよう、ちょっと時代遅れのような。でもカッコよかったですね」と絶賛の声を掛ける。

 純平の母親役を演じた片岡も「久しぶりに会えた、可愛い息子という感じ」と撮影で感じた野村の好印象を回想する。その一方で「試写の時、(野村が)こんなにキレキレの状態にいたというのが複雑な気持ちでした、お母さんとしては」と、撮影で見た表情とは違う野村の姿を印象的に感じた様子を振り返る。

 そして盛岡監督も「前までに知っていた彼と、僕が会って一緒に仕事をした彼は、全然イメージが違った。実際に、本当に生身の人間と会ってみないと、人となりというのはわからない。そんなことをこの映画で本当に感じました。礼儀正しくて人に気を使うような男だったので、純平に本当にピッタリ。魂を込めてやってくれた」と野村の人柄に強い印象を感じたようだ。

 一方、片岡は21年程前に森岡監督が脚本を手がけた映画『鬼火』に出演、その際に片岡がスカジャンを着ていたことを振り返りながら「今回は息子(の純平)がスカジャンを着ていて」と、少し感慨深い思いを吐露していた。

柳と岡山、ハードなシーン撮影を振り返る

 柳と森岡監督は以前、森岡監督が2017年に演出を手がけた舞台『海街diary』で共に仕事をしたことがあり、森岡監督はこの日それを振り返りながら「映画の方が舞台稽古よりもっとハードだったけど、すごく根性を見せてくれた」と厳しい現場で柳が撮影で見せた意気込みを賞賛する。

 そんな言葉に柳は「ほんとに大変なシーンがあったけど、根性があると言っていただけるのは嬉しいです」と森岡監督の言葉に素直に喜びを見せながら「でも私はこの作品に本当に惚れてしまったので、この作品のためなら、私の全てをささげますというつもりで、この作品を愛しました」と自身が作品に込めた強い思いを明かす。

柳ゆり菜

 また劇中の大きな見所でもある岡山と柳のシーンに話が及ぶと、いきなり岡山は「本当にすみませんでした!」と、柳に対して役柄として見せたバイオレンスな演技を詫びる。そんな岡山に対して野村がすかさず「来てる人は、本当にみんな(お前のことが)嫌いだからね!今日は覚悟決めろよ!」と観衆を煽り、会場を沸かせる。

 そんな岡山だったが、劇中では柳の髪の毛を切るというショッキングなシーンも。岡山はその時を振り返り「緊張しましたね。余り手加減したら…とプロデューサーさんは言ってくるし、逆にヘアスタイリストさんからは『切り過ぎたら修正が利かなくなる』とか言われるし。なかなかカットも掛からなかった」と猛烈なプレッシャーで過ごした現場を回想、柳も「お互いヒリヒリしながらやりました」と同調の声を送る。

 一方、岡山の演技に対して柳は「さすがの天音さんで、すごい嫌な奴を見たので、入ってきたとたんに、本当に嫌だなと思いました。怖かった」とその出来を絶賛しながら、この件で岡山が柳に対して対面のたびに謝ってくることを合わせて「本人は優しい方なので、皆さん誤解のないように」と岡山へのねぎらいの思いを込め語っていた。

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