俳優の野村周平(24)が主演を務める映画『純平、考え直せ』の完成披露上映会が28日、東京・台場でおこなわれ、野村が共演の柳ゆり菜(24)とともに登壇、映画出演への思いなどを語った。この日は同じく映画に出演した佐野岳、佐藤祐基、藤原季節と、メガホンをとった森岡利行監督も登場した。

 『純平、考え直せ』は直木賞作家・奥田英朗氏の原作小説をもとに映画化した作品。新宿・歌舞伎町を舞台に、ヤクザの親分からの勅命により鉄砲玉になる任を課せられた、極道を夢見るチンピラの男と、その男に偶然出会い惹かれた女性との3日間を描く。チンピラ・坂本純平役を野村、純平に惹かれる女性・山本加奈役を柳が担当する。

佐藤、佐野、野村、柳、藤原季節、森岡監督

 佐野は、純平が歌舞伎町で出会う一人の男・ゴロー役、佐藤は純平の地元の先輩でバイク修理工の安田正平役、藤原は純平の運命をSNSで知り、心動かされるホスト・草太郎役を務める。主題歌にはthe pillowsの「眩しい闇のメロディー」が起用されている。また、本作はカナダでおこなわれる第42回モントリオール世界映画祭の「World Greats」部門に正式出品されることが決定している。

黒スーツにサングラスで登場、硬派な作品出演を喜ぶ野村

野村周平

 観衆が叫ぶ「純平!」コールに迎えられ、この日は黒のスーツにサングラスというクールな姿で登場した野村は、最初の挨拶で司会者からサングラスを外すようリクエストされながら「もうちょっと着けさせてください。舞台挨拶でこんな無礼なことは、なかなかできないし」とまんざらでもない様子を見せながら「でもこの後で(ネットのニュースとかで)『野村周平、サングラスで登壇。調子乗ってる』とか書かれるんだろうな。明日の朝にはテレビで言われたり。そうなりたくないから外します」などとコメント、調子のいいところを見せて、笑いを誘っていた。

 一方で、野村は今回演じた役柄が、これまで演じてきた作品の役柄と比べるとかなりの硬派であると語りながら「最近では『ちはやふる』とか、そういう作品のイメージがあると思ってたんですけど(今回の作品のような)作品が来ないかな、と思っていて。そうしたらこの話が来たので嬉しかったです」と、待ち望んでいたチャンス到来の喜びを語る。

柳ゆり菜

 そんな野村の印象に関して柳は「メチャクチャですけど、全編に通じるカッコよさというか、魅力が沢山詰まった人。なので素敵な純平になっていると思います」と劇中の純平の姿に合わせてコメント。「わが道を行く、芯が通っていて、しっかり自分のスタイルを持っている。それを貫き通すのって結構強さがいると思うので、その強さを持っている人ですね。人と歩く速さが違う、追いかけられちゃう、そういう魅力を持った方だなと。そこは純平にもあって魅力的だと思います」と絶賛。

 その柳の言葉に、野村は「ありがたい。ヒロインの方にそう言っていただけると嬉しいですね。基本、褒められなくて、『ムチャクチャだ』とか『ハチャメチャだ』『変わっている』『どこに需要があるの?』とかしか言われないので、こういうことを言われるとすごく嬉しいです」とコメント、感謝の気持ちに笑いを込めて返した。

佐野岳

佐野岳

 役柄に深い共感を持って今回役を演じた柳は「いろいろなことを考えて現場に行ったけど、(現場では)あまり何も考えずに、その場で起きたことを感じてやるということを、すごく大切にした」と撮影を回想。野村のリードもあって自然と役柄になれたことを振り返る。そんな柳のことを、今度は野村が「初めて共演させていただいたんですけど、覚悟がすごいというか、女優をやっていくと決めたからには、しっかりと芯を一本通して女優業をやられている方だと思いましたね」と評価する。

 一方、野村とデビューしたばかりのころに共演したという佐藤は「あの頃は本当に無口な少年だったのに、こんなにも喋る少年になって、人はこんなにも変わる者なんだなと」とコメントし笑いを誘いながら「演じるというか、そのまま先輩としている、という感じで、良い環境だったし、芝居も楽しかったです」と撮影を振り返った。

森岡監督版『ローマの休日』2人乗りべスパでハプニング さらに“炎上ネタ”まで…

佐藤祐基

佐藤祐基

 森岡監督は今回の作品に対して「本当にリアルに若い人たちの生活みたいなものを見ていて楽しかったです。ほとんど演出してなかったけど、楽しかった。(純平と加奈の)2人の2泊3日は、僕なりの『ローマの休日』になったと思います。髪を切ったり、(2人は)べスパにも乗るし、青春ならではの壁ドン、床ドンもあるので」などと撮影を振り返る。

 その言葉から、野村と柳は2人でバイクに乗るシーンの撮影を回想。柳は野村の運転のうまさには安心していたことを思い出しながら、一方で撮影時に撮影スタッフに置いていかれ、2人で、バイクでそのまま一般道を追いつこうとしていたハプニングを回想。野村はその際一般人の車が隣に来て話しかけられたことを「なんか(隣の車の)窓がピーっと開いて『大丈夫ですか? なんか撮影ですか?』って」などと振り返り笑いを呼んでいた。

藤原季節

 本作は2年前に撮影を実施。短期間のうちに撮影を終了した当時を野村が「2週間くらいでチャチャっと撮っちゃいましたね」と軽い雰囲気で語ると藤原がボソッと「言い方が悪い」とツッコミ。柳も「そうだよね!」と調子を合わせると野村は少しあせったように「いや、“ちゃんとしっかりチャチャっと”っていう意味だよ! 軟派なチャチャっとじゃねえ、硬派なというか…」とコメント、会場を沸かせる。

 さらに藤原は、作品の中で純平の行動に対して様々なSNSのコメントが記されるというポイントに関して「SNSの中で、純平を中心にSNSが炎上していくという、まさしく野村周平にピッタリな作品だと。炎上がここまで似合う俳優は」と、近年野村のツイートなどで炎上が発生しているという時事ネタを入れコメント。すぐさま野村は「もうやめてもらっていい? 俺、何も悪いことつぶやいていないし」と返し、会場に爆笑を呼び起こしていた。【取材・撮影=桂 伸也】

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