ラストアイドルの3rdシングル「好きで好きでしょうがない」が先日発売された。初めてバトルなしで一期生22人全員で歌った表題曲は、バトルを続けてきた彼女たちの姿が投影されたとも思えるドラマ性のある楽曲だ。カップリングにはシャッフルユニット曲も収録されており、新たな彼女たちの魅力がのぞく。今回は、間島和奏、阿部菜々実、長月翠の3人に話を聞く機会を得た。【取材=木村陽仁/撮影=冨田味我】

恵まれたドラマ性

 同曲のセンターを務めるのは、ファーストシーズンで敗退し、その後、セカンドユニットでデビューが決まるもお披露目を前にして怪我、急きょ椅子に座ってのパフォーマンスで乗り切った間島和奏。脇を固めるのは、ファーストでその間島を破った阿部菜々実、そして、ファミリー唯一の敗者復活者であり2つのグループを兼任する長月翠だ。

 同曲の歌詞は「好きだ」という言葉が80回も出てくることに加え、感情移入しやすいメロディも特長だ。それはファーストでの彼女たちの様々な感情が、このメロディや歌詞、振付に投影されているといっても過言ではないだろう。

 先日、東京・お台場でおこなわれた発売記念イベントでは、同曲を歌っている途中に機材トラブルで音楽が流れないアクシデントがあった。その状況にも彼女たちはアカペラで歌い続けた。だが、間奏などの部分は無音状態。響き渡るのは、ステージを強く踏む音や擦る音、そして息づかいだった。

発売記念イベントで音楽が止まった状態でパフォーマンスを続けるラストアイドル

 しかし、彼女たちは音楽がない分、歌やダンスで補おうと気迫が漲るパフォーマンスを見せた。その姿に心を打たれたファンは大合唱でメロディを歌った。発売記念イベントだが、本格的なライブをおこなっているような一体感があった。そこで生まれたのはファンとの絆だった。

 彼女たちはバトルの勝ち負けに加えて怪我や卒業など様々なドラマがあった。そして今回の機材トラブル。音楽が止まったのはサビ部の<ごめんね>という箇所。やはり彼女たちにはもって生まれたものがある。

 今回のインタビューはその発売イベント前に実施。セカンドから現在、そして同曲にかける思いを聞いた。

仲間の存在

――プロデューサーバトル第2弾(ラストアイドル in AbemaTV)も佳境です。セカンドシーズンからはプロデューサーを入れてのユニット対抗戦をしていますが、まずはセカンドシーズンを振り返っての感想を。

阿部菜々実 ファーストシーズンは個人戦だったので、いまは仲間が心強く感じています。LaLuceは1回勝った分、プレッシャーもあって、それに私は足を怪我して、それによって負けてしまったということもあったので…。だけど、仲間がいるから頑張れるというところもあって、改めて仲間の大事さを感じました。

――そのなかで仲間であった吉崎綾さんと古賀哉子さんが卒業されました。

阿部菜々実 2人は最年長でみんなをまとめてくれて…心細いというか…寂しいという思いが強くて。でも2人の夢を応援したいなという思いがありました。グループとしても、2人がいなくなったことで頼るメンバーがいなくなって…だけどその分、責任感が個々に生まれて自立しようとして。これを乗り越えていこうという思いが芽生えて、結束力は更に高まったと思います。

――リーダーはそれまでは吉崎さんでしたが、今は誰がその存在に近い?

長月翠 阿部です! メンバーで勝手に決めました。スタッフさんからみんなに「リーダーはどうする?」と言われて、「阿部でしょ」と。「いいよ」「だめだよ」と何も言わさずに勝手に決めました(笑)

――なかば強制という…。

阿部菜々実 私はリーダーに向いていないので「大丈夫かな?」と…。今もリーダーっぽいことはしていないので…。

長月翠 「立っていればいいよ」と。「立っていればリーダーに見えるよ」って(笑)。

阿部菜々実

阿部菜々実

――それも凄い話ですね(笑)性格的にはどうですか? パフォーマンス中は堂々としているけど。

長月翠 言葉数は少ないけど、みんなのことをしっかりと考えてくれて、アドバイスもしてくる。私にはないけど。

――怒られちゃうから?(笑)

長月翠 いやいや(笑)若いメンバーには「ここはこういうふうにした方が良いよ」と言っているのを見かけます。良い隠れリーダーです。

――表じゃないの?(笑)

長月翠 表です(笑)昔は本当に喋らなかったんです。でも無理矢理に喋らせていたら喋ってくれるようになりました。

――そうだったんですか?

阿部菜々実 聞かれたら答えるという感じでした(笑)。

――余計なことは言わないという感じなんですね。もしかしたら、それが賢い生き方かもしれませんね(笑)。

長月翠 羨ましいな。

――長月さんは…ね(笑)間島さんはMusicVoiceでは初めてのインタビューになるので、少し遡らせてください。間島さんはファーストシーズンの時に阿部さんに敗れたけど、Someday Somewhere(サムサム)としてデビューすることが叶って。その後は骨折して椅子に座ってのパフォーマンスをされて。いまこうして歌えているということについてどう思いますか?

間島和奏 “暫定”の時は、セカンドユニットの話はなかったので、自分の夢が叶うか、叶わないか、そういうギリギリのところで戦っていました。その後、セカンドユニットでデビューする、という話をいただいたときも「受けないでおこう」と思っていたし、迷っていました。

 でも、夢を諦めきれなくて、サムサムとしてデビューさせていただくことになりました。なのに、足を怪我してしまって、スタートの切り方としては最悪という。悔しいし、何より皆さんに本当に申し訳なかったという気持ちが強くて。正直「どうしよう…」と思ったけど、「足の怪我」をあえて使って下さって「Again & Again」という曲になって、そしてああいうパフォーマンスになって。

 しかも、サムサムのメンバーも「みんなで頑張ろう」とそれを受け入れてくれて、スタートはくじいたけど、そこで絆ができたし、本当にありがたかった。凄く嬉しかったです。

間島和奏

間島和奏

――負けた時も絶望感があったと思いますが、怪我の時も似たような絶望感があった?

間島和奏 絶望というよりも「どうにかしなきゃ」という焦りでした。怪我しても、包帯をしてそれを靴下で隠して踊るつもりでいたので、スタッフさんやマネージャーさんにも携帯で知らせる時に「怪我しちゃったんですけど、踊ります」というメールを送ったんですよ。踊る気満々で行ったら「椅子に座るパフォーマンスになります」と伝えられて。申し訳ないという気持ちも強かったんですど、私にやれることをやらないといけないと必死に頑張りました。

――責任感が強いんですね。やり切ったけど、でもやれる範囲は限られてはいた。あの出来事で学んだことはありますか?

間島和奏 みんなに支えられているんだなということは一番に思ったし、自分の怪我によって、みんなで立って踊ることはできなかった。嫌じゃないですか、パフォーマンス中にグループの誰かが座ってるのって。他のメンバーからしたらすごい嫌だと思うんです。それを誰も、文句も不満も言わずに「一緒に頑張ろう」って言ってくれたので、メンバーの優しさに気づけたし、メンバーが大好きになったし、グループが立ち上がった最初の段階で絆ができたのは大きかったと思います。

――阿部さんも言っていましたが、やっぱりメンバーの存在は大きいんですね。

間島和奏 やっぱりメンバーの存在は一番、大きなって思います。個人プレイではなくチームプレイなので、メンバーの絆は大事です。

――まさに花ですね。花びらで集まって花になるような、そんな関係性なんですね。さて、長月さんはセカンドシーズン、シュークリームロケッツ(シューロケ)として表題曲「君のAchoo!」を勝ち取ったわけですが、その後はどういう思いで過ごしてきましたか?

長月翠 セカンドシングル「君のAchoo!」が出て、プロデューサーバトル第2弾が発表されるまで少し間があって、ファーストシングルの「バンドワゴン」の時は「セカンドが出ます」という発表の2日前に呼ばれて説明があったんですけど、それがなくて。「あ、これは半年ぐらい活動がないのかな」と思っていた矢先、ちょっと遅めのタイミングで、「AbemaTVで新たなプロデューサー対決の番組が始まります」と言われて。自分の中では少しの準備期間があると思っていたから、意外と忙しい日々を過ごしました。

長月翠

長月翠

――セカンドシーズンが終わった直後は、次が決まってなかったんですね。

長月翠 そうなんです。その期間はライブとかをやっていたけど、他の活動はあまりないという感じで。「どうなんだろう?」という不安もありました。

――今こうして新たな戦いが始まっていますけど、その空いた期間に「将来どうなりたいのか」と考えたりする時間もあったのかと思いますが。

長月翠 私たちは戦い続けないといけないけど、もう疲れちゃったんで…。

阿部菜々実、間島和奏 (笑)

――本音ですね(笑)

長月翠 疲れちゃったから、1回休憩はしたいなと思っています。

――私生活で?(笑)。

長月翠 いやいや…違う。ラストアイドル1期生の22人で。でも2期生が入ってくるから、どうなるのか分からないけど。1回、バトルを忘れて楽しいロケとかをしたいです。

――ずっと戦い続けていますからね、その気持ちは分からないでもないですね。間島さんは将来こうなりたい、というのはありますか?

間島和奏 (ラストアイドル)ファミリーとして考えた場合、色んなところで言っているんですけど、ツアーをやりたいなと思って。そのためにはまだまだ知名度も低いし、もっともっと活動の幅を広げていかないといけないと思うんです。まだまだ東京と大阪、たまに地方という感じで、地方を回れていなくて。ファンの人たちにはいつも遠くから東京に来てくれたりしているので、私たちが会いに行けるようになりたい。全国をまわるツアーをやりたい。

――間島さんは北海道出身ですもんね。北海道から来られている方もいらっしゃるのでしょう。阿部さんは山形出身ですけど、どうですか?

阿部菜々実 色々なところを回りたいのもそうですし、歌番組にも出たいなって。今回のシングルは22人で歌っているから、22人で歌番組に出られたらいいなと思いますし、この22人で大きなことができたらいいなと。

――山形に凱旋ライブもね。

阿部菜々実 やりたいです。


記事タグ

関連記事は下にスクロールすると見られます。