22/7、葛藤と成長 海乃るり・宮瀬玲奈・涼花萌 殻を破った3人
INTERVIEW

22/7、葛藤と成長 海乃るり・宮瀬玲奈・涼花萌 殻を破った3人


記者:木村武雄

撮影:

掲載:18年08月23日

読了時間:約20分

 デジタル声優アイドルグループの22/7(ナナブンノニジュウニ)が8月22日に、3rdシングル「理解者」をリリースした。今作は表題曲のほかに、タイプ別に、「絶望の花」「未来があるから」「韋駄天娘」「不確かな青春」がラインアップ。1つのシングルで5曲が用意される点を見ても期待の高さがうかがえる。

 最近は、アイドルフェスや米・ロサンゼルスで開催の『Anime Expo 2018』への出演。自身初の地上波TV冠番組『22/7 計算中』のスタート、天城サリー演じる藤間桜がVTuberとしてデビューを飾るなど様々な試みがなされており、キャラクターだけでなく、もともと持っていたメンバー個々の個性も際立ち始めている。

 22/7のシングルは、キャラクターとして、アイドルとして、そして声優として日々成長する彼女たちの“今”を重ねたと思われる歌詞が印象的で、今回の「理解者」も、秋元康氏が歌詞として表現した意図がうかがえるものとなっている。そんなシングルについて彼女たち自身はどのように思っているのか。そして、前作の「シャンプーの匂いがした」から今作までの期間、どのような思いで過ごしてきたのか。

 今回のインタビューは、前回に引き続き、海乃るり(戸田ジュン役)と宮瀬玲奈(立川絢香役)に加え、涼花萌(すずはな・もえ、京都出身)に参加してもらった。涼花は今年2月に開催されたディファ有明での公演『割り切れないライブ 〜シャンプーの匂いがした〜』で強烈な個性を放っていた。物事を冷静に捉える海乃、涙もろい棋士・宮瀬、そして笑顔が印象的な“花の妖精”・涼花。3人の個性に深く入り込んでみた。【取材=木村陽仁/撮影=大西 基】

殻を破った、それぞれの成長

――「シャンプーの匂いがした」をリリースされてから今作「理解者」のリリースまでに、ライブやレコーディング、初の冠番組スタートなど、様々な事があり、お忙しく過ごされていると思います。そうした経験のなかで気付いた点や成長された点はありますか?

宮瀬玲奈 いろいろなフェスに呼んで頂き、横アリや幕張メッセといった大きなステージに立つことが出来ました。そうした中で今までと同じようにやっているだけでは上手く伝えることができないんだなと実感しました。それからは演技のレッスンや、ボイストレーニングにも励んできて、今回は5曲も新曲を頂けたのでその成果が十分出せたのではないかと思います。ソロパートもたくさんあるので、今作ではみんな頑張って来た成果を感じてもらえると思います。

宮瀬玲奈

――「シャンプーの匂いがした」でも「大変だった」と話されていて、ディファ有明の時には感極まって涙を流されていました。日頃から努力されてその緊張感が一気に解かれたからだと思いますが、前作から比べて格段に成長したと期待していいですか?

宮瀬玲奈 ダンスが今回は激しくて…たくさん練習して作り上げました。自分で言うのはおこがましいですが、ダンスパフォーマンスは成長したかなと。フェスのステージでは「理解者」は歌っていませんが、「シャンプーの匂いがした」で大きな会場でのパフォーマンスを学んだので、次のステージで活かしたいと思います。

――宮瀬さんの趣味は将棋。「理解者」を将棋の一手、あるいは駒に例えると?

宮瀬玲奈 「王」かな(笑)。王様って、なかなか周りに理解者がいなくて独りぼっちのイメージなので。

――無茶ぶりだったのに、的確に応えられて凄いですね。海乃さんはいかがですか?

海乃るり 「シャンプー」のリリース後から『割り切れない集い』というイベントをやらせて頂いています。「シャンプー」の時は「演劇編」だったのですが、今回は「インプロ編」ということで、インプロビゼーションと呼ばれる即興劇をやりました。「僕は存在していなかった」の時は、そういうイベントをやっていなかったので、今回のイベントを通してファンの方と接する機会が増えました。この経験はライブにも活かせると思っていて、ファンの方は、こういうふうにやったら喜んでくれるんじゃないかといった、歌やダンス、演技などとは違ったことを学ぶことが出来た期間になりました。

海乃るり

海乃るり

――海乃さんは趣味が「アイドルの表情研究」ですが、ご自身もそこでファンが喜ぶ仕草などを研究した?

海乃るり 面白いことをやると喜んでくださるみたいでした。「インプロ編」は特に可愛らしい仕草などを見せるようなものではなかったので、みんなで「面白いことをやってみよう!」と話していました。ファンの方に褒めて頂けたことがあって、それは、宮瀬玲奈ちゃんと一緒にやっていたときで、次のライブの会場(マイナビBLITZ赤坂)の名前を当てるゲームみたいなものをやったんです。その時に宮瀬ちゃんが「東京ドーム?」と素で答えて、「それはまだ早いんじゃないかな(笑)」というやり取り、2人の掛け合いを面白かったと言って頂けて。ファンの方と距離が近いので楽しいです。今まではライブで「盛り上げて」と言われてもどうしたらいいのか分からなかったのですが、今回の経験を通してこうやって盛り上げていくんだなと。

――「東京ドーム」は、宮瀬さんが目標として挙げている場所ですからね。本当に、素だったんでしょうね(笑)前回のインタビューでも言ったと思うのですが、海乃さんはメンバーの中でもライブ中は一歩引いて全体を俯瞰している印象があったのですが、インプロの時もどこか冷静に見ている部分がある?

海乃るり インプロの時はがむしゃらなのでそういうこともないのですが、ディファ有明の時は、みんなが泣いちゃったりしているのを見て「私はしゃんとしておこう」と客観的に見ていた部分がありました。ライブでは客観的に見ることが多いですね。

――ライブでは少し自分を押さえていたけど、インプロの時に新しい自分を出せたという感じでしょうか。

海乃るり 暴れられると言うか(笑)。新しい発見です。

宮瀬玲奈 そうだ!

強烈な個性、“花の妖精”涼花萌

――涼花さんはディファ有明でも強烈な個性を出していました。お話を聞くのが非常に楽しみだったのですが、まずはこの期間を振り返っていかがですか?

涼花萌 「シャンプー」以降はイベントやライブがたくさんあって、私はライブをやっているときが一番楽しいのでとても嬉しい期間でした。

――ディファ有明の時はステージに立っていかがでしたか。

涼花萌 (担当キャラクターのいるメンバー8人と違って)いつも私たちは(最初から出ず、MCなどから)呼ばれて出るので、今回は始めから出られて嬉しかったです。私たち3人は(8人に比べて)ダンスが下手なので、1st(僕は存在していなかった)はおそらく、やさしい振付をして下さったと思うのですが、2nd(シャンプーの匂いがした)は難しかったです(笑)。でも、とても楽しむことができました。

――あの公演の際、「私たちも早くキャラクターをもらえるように頑張りたい」と話していました。例えば、アイドルグループであれば選抜に入るように頑張るといったモチベーションがあると思います。そういった意味では8人とは違った努力もあるのかなと思いますが。

涼花萌 キャラクターがないのはすごく悲しい…です…。2ndの時に「すごく個性があるのに、なぜ出さない?」とメンバーの中で話があって。それで、確かに22/7のメンバーはみんな個性的だなと思って、みんなが出せたらいいなと。まずは私が出そうと思って、個性を出しました。

――それが花の妖精?

涼花萌 私は高校生のときに本当に妖精とか、人魚になりたかったんですよ。でも「そういうことは親戚にも言っちゃダメ」と家族に言われて…でも、こういうお仕事なら言ってもいいかなと思って(笑)。

涼花萌

――“カミングアウト”されて、周りの反応はいかがでしたか。

涼花萌 お母さんが「良かったね」とすごく喜んでくれました。私は地味で目立たない様に生きてきたので、自分の言いたいことを言えたということが嬉しかったみたいです。「花の妖精です」と言っている間は、はっちゃけられるので楽しいです。

――気持ちが切り替わる?

涼花萌 (甲高い声で)「コンニチワー」とか言ったら引くじゃないですか。私は引いちゃうんですけど(笑)。花の妖精と言った時点で、自分がなりたいものになれたと思って吹っ切れるというか。

――ちなみに、好きな花は何ですか?

涼花萌 桜です。深田恭子さんのことがすごく好きで、彼女の好きな花は桜だと仰っていたので。もともとお花は前から好きで、お水を“ペー”とあげて種から育てたりしています。

――涼花さんは鳥も好きだということですが、なぜですか?

涼花萌 弟が小学4年生のときに「鳥を飼うのが夢なんだ」と言って、実際に家で飼っていたのがきっかけです。一回、ベランダを開けたら飛んで行ってしまったのですが、鳥自身が「間違えた」と思ったのか、Uターンして戻ってきました(笑)。なかでもインコとオウムが好きです。

――もしかして動物が寄って来るタイプ?

涼花萌 犬は寄って来ます。でも猫は…。私が猫アレルギーなので、それを察してか、猫は逃げちゃいます(笑)。

――お二人から見て、涼花さんはどうですか?

海乃るり すごく可愛いですね。オーディションで見た第一印象が「なんて可愛い子なんだ! あんな子がいたら、私は受かるわけがない」と思ったくらいで。実際に話しても、愛らしい性格で個性的で「とんだバケモノじゃん」と思っていて、正直、羨ましいです。

宮瀬玲奈 初めて見た時はすごく静かでしゃべらない子で、よく分からなかったのですが、レッスンで日が経つごとにいろんな部分を見せてくれて。ギャグセンスが凄くて、急に抱きついてきたりするのですが、それが可愛くて。一緒にいてワイワイ賑やかで、すごく楽しいです。

――まさに妖精ですね。

宮瀬玲奈 ああ! そうですね、まさに。

涼花萌 やったー! 嬉しい。フフフ。

花の妖精から見た宮瀬と海乃の魅力

――逆に涼花さんから見て、宮瀬さんと海乃さんはいかがですか?

涼花萌 るーりー(海乃るり)は、私の中で正統派アイドルという感じです。声優にかける想いも、アイドル活動にかける想いも良いバランスで両立していて。(戸田)ジュンちゃんの時はジュンちゃんやし、ステージに立つとアイドルって感じで。「シャンプー」の時のるーりーのダンスは指先まで意識していて、とても綺麗です。人差し指が(指先の動きを実演して見せる)こんな感じで。

海乃るり そこは意識していたので、見てくれていて嬉しいです!

涼花萌 れいにゃん(宮瀬玲奈)はオーディションの時、3次審査の終わりに話しかけてくれて、「めっちゃ可愛い子おる」と思っていて。めちゃ可愛いのに、コミュニケーション力が高いのは私の中では珍しくて。みんなに話しかけていてすごいなと。「シャンプー」は(立川)絢香ちゃんがメインの曲で最後ポーズを決める場面では、みんながはけた後も堂々とやっているのが凄いなと思っています。

涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈

涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈

――宮瀬さんはクールなイメージだったのですが、そうでもないんですね。

宮瀬玲奈 えっ、すごく嬉しいです。初めて言われました。普段クールと言われることは無いので嬉しい。

――そうなんですね…もしかしたら、キャラクターのイメージと混同していたのかもしれません。

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海乃るり
海乃るり
宮瀬玲奈
涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈
宮瀬玲奈
海乃るり
涼花萌、海乃るり、宮瀬玲奈

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