<エンタメ界の30代 Vol.06>
 変革期を迎えているエンターテインメント業界。テレビ最盛期やミリオンヒットが続出した時代に青春を過ごした30代は今まさに、その最前線で活躍している。その30代は今何を考えているのか、その人の考えや業界の展望を、リレー形式でインタビューする本企画。今回は、コンテンツの企画プロモーションを手掛ける株式会社agnamの代表取締役社長・中村太一氏。エンタメの新しい楽しみ方を想像するプロデューサーの素顔に迫った。【取材・企画=山本圭介/文・撮影=木村陽仁】

斬新なアイディア

 リアル脱出ゲームをご存知だろうか。SCRAP社が手掛ける体感型イベントで、一つの会場に集まった参加者が協力し、謎を解いて脱出するというリアルゲームだ。そのゲームの『進撃の巨人』版を企画・プロデュースしたのが、当時、博報堂DYメディアパートナーズの社員だった中村太一氏だ。

 中村氏は在籍中に、『進撃の巨人』などのコラボ企画を打ち出し、展開した。例えば、50メートル級の等身大巨人を登場させる『実物大巨人プロジェクトマッピング』(講談社×au)や、SUBARU「フォレスター」のCFに巨人を登場させた『実写巨人初登場CF』などだ。

 これまでの枠組みを超えたプロジェクトを打ち出し、そして、成功させた同氏はその可能性を広げるために、2015年11月に同社を退職。翌月に株式会社agnamを立ち上げた。手掛ける事業は「漫画をはじめとした『エンタメの見え方』を変える『新しい楽しみ方』を作る」こと。作品をより楽しむために様々なアイディアを駆使して実現させるプロデューサーであり、プランナーでもある。

 独立後のプロジェクトでは、名探偵コナン×Yahoo! JAPAN『仕掛けられた爆弾事件』、SEKAI NO OWARI×リアル脱出ゲーム『INSOMNIA TRAINからの脱出』の企画・プロデュースなどがある。

 斬新なアイディアの源泉は「何よりも作品が好き」。現在35歳の彼はこれまでに10万冊を読んでいる漫画少年。そのまま大人になった感じだ。物腰が柔らかい人柄だが実は行動派で理論派。面白そうだと感じれば、たとえ遠く離れた外国でもすぐに渡り、そして実体験する。人の行動心理にも見識が深く、常に作品、人と向きあっている。そうした行動へと突き動かすのはやはり『愛する作品』のため。中村氏はどのような男なのか。

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