jan and naomiや長岡亮介らが出演した『TOKYO CUTTING EDGE vol.02 』が去る7月6日、東京・恵比寿LIQUIDROOMで開催された。前回の4月19日にO-WESTで開催されたVol.1に続いての公演で、jan and naomiやEYヨ(ボアダムス)大沢伸一(MONDO GROSSO)、長岡亮介(ペトロールズ)、WONK、DJ AYASHIGEの6組が熱いサウンドで深夜の恵比寿を彩った。【取材=村上順一】

アーバンなサウンドで魅了したWONK

WONK

 リキッドルームの天井にはクリエーター・Bashicoによるカラフルな風船で埋め尽くされ、いつものライブハウスとしての顔とは違った表情を見せていた。会場がオープンするとオーディエンスを迎えたのはDJ AYASHIGEによる妖艶なサウンド、そこにサブベースによる低音がブンブン体に響き渡る。オーディエンスはステージに食い入るように見入るもの、遠くから全体を見守る人など、それぞれが楽しんでいる様子。中にはスピーカーの前で、よりサウンドを浴びるオーディエンスの姿も見られた。

 そして、続いてメインステージにトップバッターのWONKが登場。「Introduction #1- From The Inheritance 」で幕を開けた。WONKは結成5年を迎えるソウルミュージックバンドで、ムードたっぷりのしっとりとしたサウンドで染め上げた。長塚健斗によるシルキーで甘い歌声はリキッドルームを優しく包み込み、スリリングなインストセクションもオーディエンスを熱くさせる。「Butterflies」や「Dance on the Water 」など次々と披露。高らかに抜ける荒田洸のスネアドラムが目頭を熱くさせ、温かみのある江崎文武のエレピサウンド、それらを繋ぐ井上幹のベース、インパクトのあるサックスなどバリエーション豊かな表情を見せつけた。「皆さん朝まで踊り狂いましょう」と疾走感のある「Loyal Man’s Logic 」で締めた。

 大沢伸一がオリエンタルなボーカルをフィーチャーしたサウンドでトリップさせていく。エレクトロを知り尽くした至高のサウンドを響かせ、多くのオーディエンスをその世界観へ誘うと、メインステージに長岡亮介とausが登場。サウンドチェックから盛り上がりを見せていたのが印象的。リズムマシンのサウンドにエレキギターのソリッドな音色を重ね、そこに乗るボーカルは世界観をより明瞭にしていく。ausの敢えての手弾きによる演奏で無機質な機械音に生のグルーヴを注入していく。この揺らぎが水の中にいるかのようなユラユラとした心地よい空間を作り出していたかと思うと、ドラマチックに熱を帯びていく展開に。音が生きていることを実感させてくれるような楽曲たち。長岡の個性的なコードワークが独特な世界観を演出し、内面から刺激していくようなステージであった。

jan and naomiと長岡亮介がコラボ

jan and naomi

 DJブースにはボアダムスのEYヨ。4つ打ちの体を動かしたくなるリズムに効果的なFXとシンセサウンドが、午前3時のハイになった気分にさらなる高揚感を与えてくれる。まさにドーピングともいえるサウンドをこれでもかと浴びせてきた。

 この夜のトリを飾ったのは今年の4月にメジャーデビューしたばかりのjan and naomi。1曲目は「time」。白く発光する照明のなか幻想的な音色を奏でる2人。その世界観は独創的で、破壊から再生を感じさせるサウンドでオーディエンスを魅了していった。2人の声とサウンドの一体感は類を見ない広がりを与え、現実逃避させてくれるようだ。深い夜の闇に更にズブズブと潜っていく感覚を与えたかと思うと、時折見せる一筋の光、希望へ向けて進んでいくようなポジティブさも垣間見せる。

 2人は楽曲によって楽器をギターやベース、サンプラーなどにチェンジ。終盤ではノイズによる最高にカオスな空間を作り上げた。そして、長岡亮介をゲストに招き「CSKE」コラボレーション。jan and naomiの楽曲に長岡のギターで新たな息吹を注入。この空間に溶け込んでしまうかのような感覚を味わせてくれた。ラストは子守唄のような優しいサウンドが印象的な「ポートレート」で、このイベントに余韻を残しながら幕は閉じた。

(おわり)

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