五輪旗が全国都道府県を回る「東京2020 オリンピック・パラリンピック フラッグツアー」のフラッグ歓迎イベントが7月31日、兵庫県神戸市の兵庫県公館で開催された。小池百合子東京都知事やスペシャルアンバサダーを務めるTOKIOの長瀬智也らが出席。およそ500人の一般来場者の前で長瀬は「その場にはいなくてもきっと何かが届いていると僕は信じてます」とエールに期待し、一緒に盛り上げていきたい気持ちを語った。

 イベントは神戸市立神港橘高等学校の「龍獅團」による中国獅子舞のパフォーマンスから開幕。司会者はこの日の登壇者を告げ、スペシャルアンバサダーを務める長瀬の名前が読み上げられると、会場には大きな歓声が上がった。

 オリンピックフラッグを持った小池都知事が入場したのに続き、長瀬はパラリンピックフラッグを持って入場。開催地から井戸敏三・兵庫県知事、久元喜造・神戸市長が参加し、さらに、オリンピアンでアーティスティックスイミングの中村麻衣さん、パラリンピアンで陸上選手の永尾嘉章さんらが登壇し、フラッグの引継ぎでは、オリンピックフラッグは中村さんから小池都知事、井戸県知事に、パラリンピックフラッグは永尾さんから長瀬、久元市長に手渡され、それぞれ兵庫県代表の生徒に引き継がれた。

フラッグをもって入場する小池都知事と長瀬智也

 挨拶に立った小池都知事は兵庫県出身。開口一番に「戻ってきました」と笑顔で告げると、来場者から盛大な拍手が鳴った。「23年前、いまわしい阪神大震災でこの地域も本当に厳しい状況になりました」と切り出した小池都知事は、直近でも西日本豪雨や台風12号の災害に見舞われたことに触れる。そして、それらに打ち克ち、「大会を成功させていくために、オリンピック、パラリンピックの両方で機運を高めていただきたい」と呼びかけた。

 同じく挨拶に立った長瀬は大きな声で「こんにちは」と語り、「大きな声を出してみました」と照れたような笑顔を見せる。そして、「本当に率直に、この時代に生きられていることを嬉しく思います」と東京オリンピック、パラリンピックが開催されることを喜んだ。

 そして、「記憶にも新しいサッカーのW杯でも日本人選手の方々が、本当に頑張って僕らに勇気とか色んなものをくれたような気がします。それ以上の盛り上がりが東京に来ると確信しております」と力強く挨拶。大会の盛り上がりにはアスリートへの声援が大きなカギとし、一緒に大会を盛り上げていきたい気持ちを語った。

 兵庫県の井戸知事は、大学1年のときに昭和39年の東京五輪を経験。「ブルーインパルスが五輪のマークを欠いてくれたのを覚えています。素晴らしい演出でした」と懐かしく振り返りながら、「それに負けないような50年後のオリンピックということで、大いに期待したい」と語った。

 さらに井戸県知事は東京五輪の翌2021年に『ワールドマスターズゲームズ2021関西』が開催されることを取り上げ、「『オリンピックのレガシーは我々が』と意気込んでおりますので、大いに盛り上げ、その(オリンピックの)勢いと熱意と思いを関西でつなげたい」と言及。久元市長も挨拶を述べた。

 選手代表として参加した中村さんは、シンクロナイズドスイミングから名称変更したアーティスティックスイミングのオリンピアン。ロンドン2012大会、リオデジャネイロ2016大会に出場し、リオ五輪では銅メダルに輝いた中村さんは神戸市出身。「フラッグツアーに参加できて光栄に思います。ロンドン、リオと2大会出場して皆さんの応援が励みになった」と選手としての視点で語り、一緒に応援できることを楽しそうに語った。

パラリンピックフラッグを振る長瀬智也

 永尾さんは陸上競技のパラリンピアンで、7度の大会に出場。アテネ2004大会では銅メダルを獲得している。3月末まで兵庫県職員として働いていたことを話し、井戸県知事らの前で壇上にのぼった自身に「違和感ったら半端ないです」と語り、会場を沸かせた。そして、2013年に招致が決まったときのことを振り返り、「全身の血が逆流するような感覚を今でも覚えています」という。

 そして、「それほどすごい大会が東京にやってくるんだなと。再来年に向けて、オリンピック、パラリンピックが全国に回って、機運を高めていこうということで、一番盛り上げていただきたいのが出身の兵庫県。兵庫県が盛り上がれば、全国が盛り上がる」と呼びかけた。

 挨拶に続いて、長瀬、中村さん、永尾さんによるトークショーも開催。中村さんは銅メダルを獲得した瞬間の記憶を口にし、長瀬は「今の話に鳥肌がたつくらい感動してしまった」と感激の声。さらに、長瀬は永尾さんに「7大会出場されて、30年くらい。それだけ長く競技を続けることの源は?」と問いかけた。これに永尾さんは「まずは陸上競技が好きだということ。走ることが好き。それと負けたときの悔しさ、それがバネになって心を動かしていく」と競技と向き合ってきた自身の気持ちを口にし、長瀬を感心させていた。

 最後に来場者にメッセージを送った長瀬。「オリンピックを見ていて、いつも僕は泣いてしまったりするんですね。選手の顔を見て色々考えてしまったり、選手と一緒に戦っている人達だったり、監督であったり、そのやり取りもそうですし、その中に皆さんの声援もあるからこそ泣けてくるなっていう、もらえる元気もあったりする」と自身が抱いている五輪との向き合い方に言及する。

 そして、「実際に競技を見られる方はいらっしゃると思いますが、声を選手に向けて精一杯送ってあげて、その場にはいなくてもきっと何かが届いていると僕は信じてますし、何かそういうものが輝くイベント、大会だと思っている。そういう気持ちで一緒に参加して盛り上げて行けたらいい」と述べ、およそ500人の来場者に対し、2020年へ向けて盛り上げていこうと呼びかけた。

 また、イベント後には小池都知事の記者会見もおこなわれ、兵庫県内で予定されているフラッグツアーの流れを紹介。そして、「今日は久しぶりにTOKIOの長瀬君がスペシャルアンバサダーとしてまた顔を出してくれました」と笑顔で話し、兵庫県出身のアスリートら関係者それぞれが色々な形で頑張ってほしいと語っていた。

 同フラッグツアーは2016年10月から開催。都内62区町村、東日本大震災の被災3県および熊本県でおこない、1番目の東京都を含め、兵庫県は32番目の巡回となった。【取材・撮影=小野眞三】

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