静岡朝日テレビの情報番組『コピンクス2020』内で放送されているオリジナルストーリー「港と僕とトリロジー」がネットに進出する。8月15日に動画ストリーミングサービス「SHOWROOM」で完全版がこの日限定で生配信されることが決まった。これまで視聴エリアが静岡に限られていたため、ファン待望の全国デビューとなりそうだ。一方、物語は今クールで急展開を迎える。ナレーションとして花川芽衣(22/7)が演じるノナカナオ(僕/俺)と、栗田桃花演じる本山葵(もとやま・あおい)が互いを意識し始める。先般おこなわれた収録では2人とも互いの距離感を意識して臨んだという。2回目となる今回の収録はどのような思いで取り組んだのか。彼女たち自身にも見られる変化。収録終わりに話を聞いた。【取材・撮影=木村陽仁】

2回目の収録、緊張感も解れ

 ドラマの舞台は、栗田の出身地でもある静岡県静岡市。実在する静岡市内の風景をバックに、主人公(僕/俺)の回想を通じて高校生活の淡い青春を描く。ノナカの声を演じる花川はナレーションも担当。高校一のヒロインの本山を栗田が務めている。

 4月に放送が始まると早速、反響の声が届いたという。花川は「私が男の子役を演じるのが意外だったという(ファンの)反応が多かったです。私が演じることで出る男の子感が良いという声も頂きました」、現在中学3年生で14歳の栗田は「もともと『コピンクス』を見ていたお父さんが『嬉しい!』って言ってました」と身内の反応に笑顔を覗かせた。

 ドラマで脇を固める映画プロデューサーの藤巻直哉(藤巻直美役=楽天家でやや適当キャラの女子高生)と、占いタレントのゲッターズ飯田(飯田飯子役=引っ込み思案な文科系少女)が女子高生を演じる意外性や緩さも番組の反響を手伝っている。

収録に臨む藤巻直哉と花川芽衣

 この日おこなわれた収録は7月~9月に放送される分。花川と栗田は2回目の収録ともあって緊張が解れた様子で所々笑顔を覗かせる。スタッフとの打ち合わせを済ませると録音室へ。前回と同じく隣り合わせに立ち、マイクを共有する。藤巻と飯田を含めた4人が揃うとリハーサルに臨んだ。合間には藤巻と飯田が冗談めいたトークをおこない、場を和ませる。それに2人が笑みを返すといった感じだった。そうした楽しい雰囲気はドラマにも表れている。

 収録を終えた2人。前回の出来栄えを60点と答えていた栗田は「70点くらい」と評価。「前回よりは緊張はなく、より葵ちゃんを意識することが出来ました」と満足の表情を浮かべた。一方、「大切なお仕事なので絶対に失敗しちゃいけないというのはありました」という思いで収録に臨んだという花川は今回、キャラクターの背景がより鮮明になったことで演じやすくなったといい「良い意味で深く考え過ぎずにできました。自分がやりたいノナカができたと思います」と手応えを口にした。

 今回の収録分では、葵とノナカが互いを意識し始める重要なシーンもある。2人ともその距離感を表現できるように心掛けたようで、花川は「ドキドキ感が伝わるように、ぎこちなさと言いますか、自分もデートしているような感じで。(栗田さんを)横に感じながら自然に出来る2人の間でやりました」、栗田は「恋する女の子を想像して、声を高くしました。ぎこちない『間』が表現できたらいいなと思いながらやっていました」と明かした。ただ、今回はセリフが多く尺に収めるのが難しかったとも語った。

 収録に臨むにあたって、栗田は「ちょっと前まで風邪をひいていたんですけど、完全に治せるように頑張ってきました。風邪をひくとすぐに声がだめになっちゃう人なので。のど飴をなめたりしてきました」と茶目っ気に笑み。対する花川は「台本を読んだ自分の声を録音して聴くという作業と、地元独特の表現があるので、よりイメージしやすく巴川や次郎長道中の動画を見てきました」と語った。明朗な栗田、生真面目さが見える花川。対照的な2人が演じることでもキャラクターの個性が立つ好材料となりそうだ。

“ギタ女”はドラマ初出演

 初収録は今年3月。それぞれ、これまでの3カ月間で変化があった。

 栗田はテレビ朝日系ドラマ『ハゲタカ』(7月19日スタート)に出演が決定。企業買収を描いた作品で、綾野剛演じる主人公の鷲津政彦の大きな因縁で繋がっていく渡部篤郎演じる芝野健夫の娘役(幼少期)を、栗田は演じる。このとき既に、栗田の出演シーンは撮り終えており、「緊張しましたが、渡部篤郎さんに話かけてもらって落ち着くことが出来ました」と目を輝かせた。

 そんな栗田は前回、エレキギターを習い、布袋寅泰の楽曲をコピーしていると話していた。愛用のギターは白のストラトキャスター。「最近は欅坂46さんの曲を弾いています! 先生の演奏を見て弾いてもいますし、『Fだよ』『Eだよ』と言われたらそのコードを押さたりもしています」。

 前回の取材で、「今はアクロバットやダンス、バレエ、ギターもそうですし、色んな習い事をしているのでマルチに活躍できる女優さんになりたいです」と夢を語っていた。改めて「女優さんになりたいというのが一番の夢なので、いっぱいオーディションを受けていきたいです」と意気込みを語った彼女はまずは女優としての道の第一歩を踏んだ。

 その栗田は静岡朝日テレビで、7月21日に『サタハピしずおか』、26日に『とびっきりしずおか』に出演。更に、日刊スポーツ静岡版にも登場、地元進学予備校CMにも出演するなど、地元でも注目を集めている。

アイドル像への葛藤

 一方の花川は、所属する22/7としてセカンドシングル「シャンプーの匂いがした」をリリースし、オリコン週間シングルランキングで8位を獲得した。更に同シングルのキャラクターPVにも挑戦した。

 「私の今の一番の目標は(花川が22/7で演じるキャラクター)ニコルちゃんを素敵なキャラクターにすること。(キャラクターPVでは)ニコルちゃんの良さを引き出せるように頑張りました。また、声で演じるのは楽しいと凄く感じていて、その楽しさをニコルちゃんの役にも繋げていきたいなと思いました」

 そんな花川はデビュー前からアイドルに憧れていた。それも「元気なアイドル」。しかし、自身が目指すアイドル像と今の自分はかけ離れているのではないかと、悩むこともあり、それがプレッシャーになっていた時期もあったという。

(記者)ブログを見たら悩んでいると書いてあったけど?

花川 憧れだったのは元気なアイドル。私は結構、ネガティブですぐに泣いちゃうし、それを(ファンの前で)見せたことがあって、そういうのが私の理想と離れていて、これのままでいいのかなと悩むときがありました。

(記者)今回の課題は?

花川 ノナカのキャラクターをもっと面白く出来ないかなと思って。うまくやりたいという気持ちがどうしても自分の心のなかにあって、それに集中していると面白みというか、キャラクターが薄れてしまうのではないかなって。そういう個性を大事にしていきたいなと。

(記者)うまくやろうとする気持ちが逆効果に?

花川 自分がやりたいと思っていたニュアンスが消えてしまうというか、(22/7での)ダンス(パフォーマンス)もそうなんですけど、お客さんに届けたいという気持ちはずっと持っていないといけないと思うんです。でも、失敗しないようにという気持ちの方が強く出てしまって、気持ちを伝えたい部分が薄れちゃうのと似ているなと。

(記者)それを克服するためには?

花川 ネガティブにならないようにしています。例えばライブ。きょうは自分が後悔しないようにというのがまずあって、失敗しないようにというよりかは、お客さんに届けたいという気持ちを大事にしようということを、出演前の控室で思っていたりしています。

(記者)今後に向けては?

花川 こうやって声優としてのお仕事を頂けるのは私にとって凄く嬉しいので、私の集大成として「コピンクス」の作品をより良いものに出来るように頑張りたいと思います。グループとしてはもっと多くの人に知ってもらいたいという気持ちが強いので、そのために自分は何が出来るか。自分らしさを見つけて、その自分らしさをもってファンの皆さんを笑顔にしたい、恩返しをしたいと思います。

 そんな彼女たちの声優としての能力を高く評価しているのは他ならぬスタッフだ。花川の言葉からは、スタッフや視聴者の期待に応えようと更に高みを目指す意思が見える。それは栗田も同様で、言葉には発しないが、録音ブースから聞こえる葵の声からは、見えない努力が見え隠れする。

 ちなみに、22/7は7月から新たな展開を迎えた。自身初のテレビ番組『22/7 計算中』がTOKYO MXでスタート。更に、メンバーの藤間桜(CV.天城サリー)がバーチャルYouTuberとしてデビューした。さらに8月には3rdシングル「理解者」の発売も決定し、彼女たちの魅力が別角度から見られる機会が増えた。

SHOWROOMでプロローグ完全版を配信

藤巻直哉、花川芽衣、栗田桃花、ゲッターズ飯田

 8月15日には「SHOWROOM」にも出演する。配信時間は19時からの予定。ここでは、脚本を担当する竹屋なかこと児玉雨子が、すでに放送した物語に新たな演出を加え、映像をディレクターズカットとして再構成、今年4月~6月に静岡県内限定で放送した「港と僕とトリロジー」のプロローグ部分を完全版として生配信する。花川と栗田の2人がスタジオでMC進行にも挑戦し、更に藤巻や飯田も交えた収録の裏側などの極秘映像も初公開する予定。

 花川は「(SHOWROOM配信を聞いて)驚きしかないです。嬉しいです。もっと多くの方に見て頂けるのは嬉しいです」、栗田は「嬉しいですね。花川さんと一緒に出来るので楽しみです。みなさんに知ってもらえたらいいなと思います」とそれぞれ、喜びを語った。

 なお、「コピンクス2020」の制作は、数多くの人気アニメ作品を手がけるクリエイター集団10GAUGE。「コピンクス」シリーズはこれまで、コピンク*名義でのオリジナル楽曲をメインに、静岡だけでなく都内でも音楽ライブを開催するなどしており、番組から派生する今後の展開も楽しみにしたい。

情報

花川芽衣(22/7)
青森県出身 8/22に3rdシングル「理解者」を発売するアイドル声優グループ「22/7」のメンバー。TOKYO MXで番組「22/7 計算中」も7月から放送開始
http://www.nanabunnonijyuuni.com/

栗田桃花
静岡県出身 地元静岡でのCM出演、雑誌モデル活動のほか、7/19初回放送のテレビ朝日系「ハゲタカ」でドラマ初出演。現在、中学3年生
https://www.instagram.com/kurimomo330/

「コピンクス2020」
静岡朝日テレビで毎週火曜23時10分から放送のミニ情報番組。2011年から放送の番組「コピンクス」シリーズからは、宮本佳林(Juice=Juice)、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)らの人気アイドルを輩出したほか、番組テーマ曲が有線インディーズチャート1位を獲得するなどしている
http://www.satv.co.jp/0300program/0095pinkss/

ライブストリーミング動画配信サイトSHOWROOMで特別番組放送決定
「コピンクス2020」SHOWROOM配信2018夏SP(仮)
2018年8月15日(水)19:00-予定 出演:花川芽衣(22/7)、栗田桃花
https://www.showroom-live.com/minatotoboku_live20182020

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