エレキバイオリン&ダンスユニットの平安式舞提琴隊が7月19日、東京・恵比寿クレアートでファーストライブ『前略、平安式舞提琴隊、参上。』おこなった。GARNiDELiAの「極楽浄土」やオリジナル曲「源氏物語」などアンコール含め全12曲を披露。バイオリンとダンスという新しいエンターテインメントの形を見せたライブのもようを以下にレポートする。

2人のシンクロしたダンス

YURiE(撮影=片山拓)

 メンバーはYURiE、KiRAの二人。これまでYouTubeにおけるMVやSHOWROOM、LINE LIVEといったネットメディアだけの活動だったが、はじめての人前でのライブとなった。1曲目、一世風靡セピアの「前略、道の上より」のカバーからスタート。40代以上には懐かし選曲だ。冒頭からバイオリンを持っておらず、バイオリンを置く台(提琴台)においてあり決めポーズからダンスでスタートした。そして、おもむろにバイオリンを取り出し、ダンスをしながら演奏しだす。「ソイヤッ」の掛け声も小気味良い。このパフォーマンスによってエレキバイオリン&ダンスユニットの意味がわかってきた。

 2曲目はGARNiDELiAのヒット曲「極楽浄土」のカバー。キャッチーな曲でありながら、ダンスもヒットしたこの曲は多くの”踊ってみた”コンテンツになっているがなんと、彼らのダンスを全くそのまま踊りながら、バイオリン演奏をしている。通常クラシックバイオリン演奏ではバイオリンの位置を観客に対して固定するのが定石。しかし、エレキバイオリンで演奏する彼女たちは、自由に踊りながら、いろいろな角度(ターンや、ジャンプなども)で演奏しつづける。

 一見、簡単そうにやっているが、楽器を少しでもかじったことがある人がみれば、これがどれだけ難しいことか理解できるはずだ。つづけて3曲目はREOLの「宵宵古今」のカバー。これもスピード感のある激しいダンスが繰り広げられる。黒いマスクをした二人がシンクロしたダンスをしながら演奏する姿はエンターテインメントとしての新しさに圧倒される。

 MCになると、まだ舞台経験が少ない、たどたどしい感じがなんとも初々しい。これも今の二人にとって魅力のひとつだろう。4曲目はこちらも懐かしいアンルイスの「ああ無情」。おなじみの「フッフー」というコールも健在。お客さんは初グッズのひとつ、ブテキンペンライトを振りながら、バブル期を彷彿されるノリで楽しんでいた。途中のダンスはパラパラがあったかと思えば、本格的なEDMのダンスパートが組み込まれたりして全くあきることがない。

 5曲目は中島みゆきの「糸」。この前のMCで「二人になってしまって、ライブをやるかやらないか、迷いもあったけど、二人励ましあいながらここまできました」という気持ちがメロディーで表現され、唯一のバラード曲だったが、演奏力の高さも垣間見ることができた。第一部、最後の曲は進撃の巨人のテーマ曲「紅蓮の弓矢」。激しい演奏とダンスに圧倒される。やはりバイオリンだけの演奏では到底表現できない新しいエンタテインメントに仕上がっていた。

追加メンバー該当者なし

KiRA(撮影=片山拓)

 ここで休憩を挟んで第二部へ。7曲目はこれもGARNiDELiAの「桃源恋歌」。ダンスのレベルの高さが心地よい。曲調がバイオリンにもあっていて、後半への期待が高まる選曲となった。

 ここでMC。実はもともと3人組であったが、直前にメンバー1人が脱退。追加メンバーオーディションを行なっており、そのメンバー発表が行われるという企画だった。そこで天の声!? にてスタッフから追加メンバーについてコメントがあり、該当者なしという結果が発表された。また、今後のオーディションは日本を越えて、アジア各地で行うとも同時にアナウンスされ、しばらくはYURiEとKiRAの二人で活動するとのこと。このライブをみたら、如何にレベルが高いことをやっているかがわかる。そうそう簡単にはメンバーが集まらないのは致し方ないだろう。逆に国際的なユニットになってパワーアップした姿をみてみたいとも思った。

 8曲目は唯一のオリジナル曲という「源氏物語」を初披露。紫式部の源氏物語を題材にしたというこの曲は和メロのバラードメロディーに最近のEDMのリズムが組み合わされていて、
新しさを感じる曲に仕上がっていた。ダンスもより流行りっぽいダンスが披露され(動きの難しさが他の曲よりもあった印象)、さらにYURiEの高速ラップが挿入され、踊りながらラップする姿も目新しい。

 つづけて9曲目、YMOの「東風」。これも懐かしい曲だが、見事に現代風にアレンジ。ダンスも途中、テクノポリスと融合したアレンジでコミカルな動きも楽しい。ここで、観客をスタンディングさせて、ラスト2曲、「残酷な天使のテーゼ」「ライオン」を演奏。ペンライトを振りながら、観客と一体になって盛り上がる様子は、これまでのバイオリンライブではあり得ない光景となっていた。

 そしてアンコールは「千本桜」。衣装も着替えて、よりキュートにかつ激しく演奏。大いに盛り上がって幕を閉じた。終演後、サイン会もあったが、長い行列ができていた。そして、海外からのメディアの取材も入っていた模様。2020年に向けて、日本、「和」が注目されている昨今、海外からの注目が集まらないわけがない。

 今回、ファーストライブとしては120点の出来だったのではないかと思う。ファンも「応援したい」と思わせる空気が漂っていた。オリジナル曲もどんどん増やして、ぜひ海外でも活躍してほしい。これからの進化がますます楽しみな平安式舞提琴隊だ。

記事タグ