ACIDMANが7月13日、日本武道館で全国ツアー『ACIDMAN LIVE TOUR “Λ(ラムダ)”』ファイナルをおこなった。結成20周年の彼らがリリースした11枚目のアルバム『Λ』を引っ提げてのツアー。アルバム、そしてこれまでの作品に収められた音源は、ステージの3人、そして観客のエネルギーを吸い込み、とてつもない力を放っていた。【取材=木村陽仁】

 場内を照らす幾つかのスポットライト。月光にも似た光は何かを探すように辺りを巡り照らす。その中で暗くなる場内。始まりを告げるSE。歓声が向けられるステージにまずは佐藤雅俊と浦山一悟が登場する。そして、キーボード前には大木伸夫の姿があった。

 「白い文明」――。それは静かな始まりだった。ひとり、スポットライトの光を浴び、キーボードを弾き語る大木。大切な思いを歌を通して大事に届けていく。順にベースの佐藤、浦山のドラムが加わりダイナミズムが生まれていく。大木はギターに持ち替え、歪んだ音をぶつけていく。それは静かに燃えるようだった。

撮影=AZUSA TAKADA

 再び暗くなり、ステージは深い青の色に染まる。大木がイントロを奏でる。「ミレニアム」だ。夜明けのように、暖色を浴びる大木はそっと歌う。しかし<風の中で>を起点に一気には華やかになる。それに合わせて一斉に歓声が沸く。高揚感のなかで一つになる場内。熱量が高まっていく。

 大盛り上がりのなかで大木はこう語る。「ACIDAMANです。日本武道館へようこそ! 最高の夜にしましょう」。短い言葉だが盛り上げるのに十分だった。

 そこからはアグレッシブなナンバーが続く。「新世界」「FREE STAR」。そしてこの章を締めくくるように「prana」。武道館の天井には星空のようなライティング。その星空の下で静かに歌う大木。ステージに後ろには「Λ」の電飾が現れる。

 ここで改めてMC。同アルバムに込めた思いを語っていく大木。「文明が発展して栄えて、失って。でも僕らはこの地に立っている。そんな曲です」として披露したのは「stay on land」。

 この日のライブはライティングも重要な役割を担った。黄金色のライトは文明や太陽を表しているよう。青のライトは水や空のようだった。それらは時折、ギターやベースのボディに反射して場内に一筋を作る。そして、「stay on land」の終わりではその光を失う。その時に浮かび上がったのは『Λ』の黒影。それはピラミッドのようにも見えた。

撮影=AZUSA TAKADA

 静まり返る場内。アルペジオの音色が響く。やがて赤いライトが下から照らす。一悟がドラムカウントする。「イコール」。情感を触れる優しいメロディで心を撫でる。そして「赤橙」へと続いていく。

 10曲を終えてMC。大木は、自身主催フェス『SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI”』を振り返る。そのなかで「彩-SAI-」を前編と後編に分けて届けた。「Λ」には火の鳥が飛ぶ。そして、手塚治虫さんの『火の鳥』に魅せられたこと、「ダークマター」の存在などを語り「想像力が大事、愛していきましょう。人間に生まれてあっという間に死ぬ。ポジティブに。生まれたというのは素晴らしいこと。希望を」と述べてインスト曲「Λ-CDM」を届けた。

 約6分超にも及ぶインスト曲は、吸い込まれていくようだった。それを終えると当時に時間を遡るように逆再生の音が鳴る。「世界が終わる夜」だった。いつしか「Λ」は消え、光が差し込む。深層部に触れるような感覚だった。そのなかで目を涙を浮かべ叫ぶように歌う大木。佐藤も一悟も激しくと音を奏でる。まさに弾きじゃくるようだった。

 もう一つの章を終え、一悟のMC。6度目の武道館に感慨に触れながらも「ここからは緩い感じになります」と一気に緊張の糸が緩む。和やかな雰囲気に笑いが絶えない。福岡で買ったという自撮り棒で場内を撮影。そして、「この後は後半戦。15本を回ってきた集大成。皆さん『Λ』を受け止めてくれる準備をできていますか。最後の最後まで全身全霊でやらせて頂きます」と気持ちを新たにした。

撮影=AZUSA TAKADA

 そうして始まった後半戦はまず「最後の星」から。アンプから流れる電子音が静かに響く。アルペジオ、そしてドラムカウント。美しい音色。3つの白光が三人を照らす。この章も静かな始まりだった。そして「MEMORIES」「空白の鳥」と続ける。

 そして本編最後は「愛を両手に」。命の尊さや短さを語り「1分1分大事にしましょう。大切なのは愛」と語り披露した同曲は、音源とは異なるような雰囲気が醸し出されていた。場内の熱量を吸収して更に歌に力が加わったような感覚だ。誰もが大切な人、あるいは出来事、ものを思った瞬間だったに違いない。涙で始まり涙で終わった。そんな曲であり、そんな夜だった。

 アンコールでは内こもったエネルギーを解き放つように「ある証明」でアグレッシブに。ラストのラストは「Your Song」。全てを終えた武道館のステージ後ろに浮かぶ「Λ」の電飾。それはやがてかけらとなり、それがあわさって「FIN」という文字を作った。「Λ」はここに結実した。

1. 白い文明
2. ミレニアム
3. 新世界
4. FREE STAR
5. prana
6. stay on land
7. イコール
8. 赤橙
9. ユートピア
10. 水の夜に(album version)
11. 彩-SAI-(前編)
12. 彩-SAI-(後編)
13. Λ-CDM(instrumental)
14. 世界が終わる夜
15. 最後の星
16. MEMORIES
17. 空白の鳥
18. 光に成るまで
19. 愛を両手に
[ENCORE]
20. ある証明
21. Your Song

撮影=takufujii

撮影=takufujii

撮影=TAKAHIRO TAKINAMI

撮影=TAKAHIRO TAKINAMI

撮影=TAKAHIRO TAKINAMI

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撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

撮影=AZUSA TAKADA

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