だからこの4人でバンドをやっているんだな

赤頭隆児(撮影=冨田味我)

――「飄々とエモーション」の演奏でのこだわりもお聞きしたいのですが。

高橋武 レコーディングをする段階で、ワールド記念ホールで演奏することが見えていたので、大きいところで鳴らすというイメージはすごくしていました。今回は収録曲4曲全てに言えることなんですけど、フレデリックは生音とリズムマシンの音を重ねることが多いんです。その割合が今回、リズムマシンの音量が大きめになっています。無機質感というのは以前より増していると思うんですけど、シンバルとか人間味が出る(ドラム)パーツに関しては相対的により強く出ていると思います。リズムマシンの一定の感じと僕が鳴らす生の部分のバランスがベストに出来たなと思っています。

――カップリングの「シンセンス」はクラップ(手拍子)が存在感を出してますよね。スネアドラムは入っているんですか?

高橋武 スネアも入ってます。ダンスミュージックではクラップがスネアを凌駕するレベルで入っていたりするので。それが個人的にも好きなんです。

――そのクラップも要所でパンチを与えている感じで気持ちいいです。康司さんはベースとしてのポイントは?

三原康司 この曲は誰か一人がすごくエモーショナルになってはダメで、お互いにバランスを取り合わないと出来なかった曲だなと思っています。それぞれの選択肢を選んで、自分が抑えるところというのは常にできていたとは思うんですけど、「飄々とエモーション」はよりそれが出来たと思っています。結果全部が合わさった時にこの曲が出来たなと。それもあって自分のベースとしても冷静と情熱の間といいますか(笑)。そういった感覚のものが録れました。今までの進化系が見せられたと思っています。

――健司さんはいかがですか?

三原健司 アリーナを想定して作ったということもあり、制作していた当時の話の中にもエモーショナルになりすぎないように、というのがあったけど、その中でエモーショナルになるのは歌だと思いました。冷静な演奏の上で感情剥き出しにしても良いのは自分だけだから、良い平行が保たれるといいますか。そういう意味で今回一番歌が大事で、今までも歌い上げる曲って意外となかったなとも感じていて。「シンセンス」とはBPM(テンポ)は一緒ですけど、それとは対照的な歌だと思っています。アンセム的なパートもありますし。フレデリックはリズムを基調としていたけど、それが歌に寄りつつある僕らがここで歌に意識がいったというのを知ってもらうためにこの曲は重要だなと思います。

――メロディに対する捉え方が変わったりも?

三原康司 そこはあまり変わってはいないです。聴こえ方は違うとは思うんですけど、それはリズムよりも言葉に比重を置いたからだと思います。

――隆児さんのポイントは?

赤頭隆児 ただの無機質にはしたくなかったんです。その表現としてエモーショナルすぎず、“飄々とした”というニュアンスでというのは意識しました。最後のサビの前からどんどんエモーショナルになっていくというのをギターで表現したんですけど、健司君の歌を一番立てたいという思いが強かったです。

――歌と楽器が今までとはまた違う混ざり方をしてますよね。

三原康司 本当にすごいバランスだなと思っています。ちゃんとお互いに理解しあっていると感じています。だからこの4人でバンドをやっているんだなと。

――武さんが正式加入して1年が経ってまたそこの絆も深まったと思います。その中で武さんがSNSでバンドの結成年数と自身が加入した年数は埋まらないけど、それをプラスに捉えているというメッセージが印象的で。

三原健司 タケちゃんのそういう意識があったから僕もアリーナで「ただいま」と言えたのかもしれないです。年月など関係なくバンドみんなで神戸に帰ってきた感覚があったので。

高橋武 僕もあのSNSで書いたことが全てなので、これ以上のコメントはでないんですよね(笑)。