どんな場所でも自分たちの音は出せる

カワイヒデヒロ

――ところで、6月はじめにブルーノート東京で『fox capture plan “Greatest Blue Tour 2018 Final”』をおこなわれましたね。

岸本亮 終わった後も数日余韻がありました。そういうことはあまりないんですけど。ブルーノートには2014年に『Blue Note Record‘s 75th Anniversary Year BLUE NOTE plays BLUE NOTE』というイベントで出演した事もあって。

井上司 その時は往年の名曲を演奏する、という形で自分たちの曲を演奏できるわけではありませんでした。

岸本亮 当初は「2デイズもやれるのか?」と心配な気持ちはありましたけど(笑)以前やらせて頂いた、Billboard Live東京さんでのライブと似た様な感じかとも思いましたが、それとは違う雰囲気で。ブルーノートはやはり「ジャズの殿堂」という感じで、そういう緊張感がありました。

――皆さんはジャズバンド、という認識でよいのでしょうか?

岸本亮 もちろん、このバンドをジャズと見てくれている人も、ジャズじゃないと思ってくれている人、どちらも嬉しいです。でも僕らの中にはどちらが正解という事もなくて。

カワイヒデヒロ ジャズバンドとか、ロックバンドというジャンルにこだわっているわけではないんですよ。色々な側面があった方が楽しい。もしかしたら僕たちがジャズの世界でなんとか頑張ろうとしていてブルーノートに立ったら、ある意味で聖域みたいな感じだったと思います。でもそういう訳でもなく、いつも通りにライブをする感覚でしたね。だから僕はそこまで身構えていませんでした。

岸本亮 でも目標にしていた場所のひとつではありますから。このブルーノートでの経験が次に繋がっていくんだな、と貴重な経験でした。価値観が変わる様な2日間でしたよ。

井上司 確かに。今後が楽しみだな、という気持ちでした。

カワイヒデヒロ どんな場所でも自分たちの音は出せるんだな、という自信にも繋がりましたね。

岸本亮 後から映像で見返して、演奏も静かすぎず、力みすぎずタイトに演奏できたなと。自画自賛になってしまいますけど(笑)。

――1日目はアルティメット・ピアノ・トリオ、2日目はシュプリーム・アンサンブル with ストリング・カルテットと編成も変えていましたね。

カワイヒデヒロ はい。2日とも来てくれたお客さんも来てくれたので、楽しんでもらえてよかったです。

岸本亮 初日のトリオは新曲が多くて、敢えて代表曲の「疾走する閃光」もやりませんでした。ブルーノートのステージで映える曲ではないのかなと。リリースライブとかではないですし、こういう時こそ新曲でお客さんに楽しんでもらいたいという気持ちがありましたから。

 2日目にやったストリング・カルテットとの共演も何度もやっていますが、せっかくなので去年リリースしたアルバム『UNTITLED』の中からフルアレンジでやってこなかった曲や、今回のサントラからも「We Are Confidence Man」を特別アレンジで披露しました。

――ツアーのタイトルに合わせて「GREATEST BLUE」という曲も書き下ろして演奏したそうですね。

カワイヒデヒロ 一見イントロのコード進行を聴くとハービー・ハンコックの「処女航海」だなという感じなんですよ。

岸本亮 人力ドラムンベースっぽいのは2000年代のジェフ・バラード(ドラム奏者)や、e.s.t(バンド)、さらに途中でブラックミュージックぽいグルーヴになって2010年代のジャズをオマージュしています。テーマ自体は往年のジャズっぽいメロディ。『ジャズ』をテーマにジャズの面白い部分を凝縮して作りました。それでいて、fox capture planらしいものに仕上がったかなと。

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