歌手で女優の知英が、主演映画『私の人生なのに』の公開初日を迎えた14日に、都内でおこなわれた舞台挨拶に登壇した。この日は、共演の稲葉友、落合モトキと映画でメガホンをとった原桂之介監督も出席。映画の撮影や役柄の印象などを振り返った。

 本作は東きゆう氏著、清智英氏原案のライトノベルを原作として映画化した物語。突然の病で新体操の道を絶たれた一人の女性が、かつて歌で交流した幼馴染みとの再会、そして音楽での交流を通して、自身の生きる意味を取り戻していく姿を描く。主人公・金城瑞穂役を知英、瑞穂の幼馴染みである柏原淳之介役を稲葉が担当、落合はアスレチック・トレーナで、瑞穂を深く気遣う誉田哲二役を務める。

「現場に居やすくしてくれた」知英の存在感が絶賛されるも、本人は大テレ

 同日に主題歌「涙の理由」が配信スタートとなったこの日の舞台挨拶。知英は「こんな日は多分ないと思います」と喜びを感慨深く語りながら「この主演を務めた映画の中で、役として歌っている歌なので感慨深い歌になっていると思います。曲を聴いていただき、映画を見たいと思ってもらえれば幸いです」と楽曲をアピールする。

知英

 また劇中で見せた歌唱シーンの撮影では「歌いながらギターを弾くというのは今までずっとやってきたけど、映画の撮影ということですごく緊張して、練習しながらできるかなと不安も感じていました。一方で“感情も高まってきたら、そこも自然に見せて欲しい”という監督の指示とかもあったので、なるべく“瑞穂”として歌おうと思いました。だからJYとか、自分がアーティストとしてでなく、瑞穂として歌う自分というのがすごく新鮮でした」と改めて振り返る。

 作品自体については「今回は、歌をぜひ皆さんに聴いていただきたい、歌詞も含め。(また、映画は)重く悲しい映画ではなく、ちょっとしたセリフが笑えたり、楽しい映画だと思う」と映画作品としてのアピールを語る。

稲葉友

 一方の稲葉は、知英との共演について「すごく楽しかったという思い出に尽きますね。終始役柄に近い温度感、空気感で居られて。とても居やすかったので、知英すげーなと思いました」と絶賛のコメントを送る。すると知英は「どういうところが?」と悪戯っぽく質問、稲葉は「そんなこと聞くなよ! すげー時間かかっちゃうよ!」とかわし笑いを誘いつつも「居やすくしてくれるし、明るくしてくれるし。(知英自身は)役もいっぱいで大変だったと思うけど、そんなことを感じさせずに可愛いらしい一人の女性としていてくれたので、僕は下手に余計なことをやることはなかった」と、知英に大きく支えられたことを振り返った。

 また落合も「日本語が上手で、すげーなと思いまして。あと、さっき楽屋で(ヘアスタイルをセットしているときに)“アホ毛が気になる”と言っていたんだけど、アホ毛を知っている日本人って、そんなにいないなと」などと再び笑いを誘いながら「重い役柄のところでも、居やすい環境にしてくれたので、ありがたかったです」と賞賛の言葉を贈る。(※アホ毛=跳ねた数本程度の毛)

 知英自身は「嬉しいです! ありがとうございます」と嬉しそうな思いを返答するが、稲葉は「あんた、すげーんだよ!」などと合いの手を入れ褒め殺し。すると知英は恥ずかしそうに「やめてー!」とコメント、会場を沸かせていた。

原監督、三人の雰囲気に好印象「そのままでいいと思える芝居」

 劇中の淳之介、誉田それぞれの役柄の印象をたずねられると、知英は「何でも頼れるような、頼もしい男性(誉田)と、幼馴染みだけど、意地悪だけど嫌いになれない、愛らしい男性(淳之介)という二人の男性がいたけど、この(二人の)真ん中が欲しいかな、と。どうでしょうかね?」と自身の印象をコメント。

落合モトキ

 他方、稲葉は「淳之介のようには、なかなかいられないかなと。なかなか(あのままに)居るのは難しいという気はしますね。ただ、どちらも根本的にあるものは近しいかなと思うので、こうありたいな、という感じで、淳之介みたいにありたいという感じではない」と自身の役柄に関する印象をコメント。

 対して落合は「淳之介は劇中でギターを弾いているけど、こうやって病気の人に対しては光のような、生きる兆しのような気がするので、その辺は(誉田は)持っていないと思うし、若々しくうらやましいところではないかと思いますね」とまた違った視点での印象を語る。

知英、稲葉友

 また、瑞穂の役柄が、途中で人生の大きな転換を迎えるという設定にちなみ「もし今の職業に携わってなければ、どんな職業になっていたか?」とたずねられ、稲葉は両親が中学校の教師であったことから、自分も教師、落合は自身の競馬好き殻競馬のスタートフラッグを振る係、原監督は一昨日に食べた料理が美味だったという理由で料理人とコメント。

 対して知英は「十代からこの仕事をやっているので、他は思いつかないけど…」と語りながら「強いていえば、動物が好きなので、動物園の仕事に就きたい。大変そうだけど、色んな動物を勉強したい。パンダの調教師とか」と明かす。

 そんな話を三人が和気藹々としているのを見つつ、原監督は撮影時に考えたことなどをたずねられると「それ、すごい難しいご質問だと思いながらも…お三方がお話をされているのを見ていると、何を考えていたかを見失いかけていたんですけど…」などと素のコメントを発し、笑いを誘いながら「今見ていてそのまま。そしてお三方がそのままでいいなと思える芝居だったので、(作品として)とても良かったのかなと」と本作の制作を振り返っていた。【取材・撮影=桂 伸也】

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