紅白で恩返し

城南海(撮影=冨田味我)

――全国ツアー『ウタアシビ2018夏』も30日に始まります。

 セットリストは暫定ですけど、考えています。リハーサルもこれからですね。今回はバンドもガラリと変わりますよ。ドラムも入りますし。来年1月のデビュー10周年に向けて、初期の楽曲をやったり、ピアノで歌ったり、三味線1本で歌ったり。じっくり聴けるコーナーもありつつ、夏らしい楽しいライブにしたいと思っています。

 10周年については、ファンの皆さんに感謝を伝えたいですね。デビューから今までの曲を全部と新曲を収録したミュージッククリップ集も出す予定になっています。並んだ曲のタイトルを見ているだけで、懐かしいなと思いますね。それぞれの曲に思い出がありますから。

 この9年は意外とあっという間でしたね。色々な事がありました。オリジナル曲も、カバー、カラオケ、モノマネ、色々チャレンジさせてもらって。全てが自分の糧になっていると感じます。それを活かして、これからも自分の世界を作っていきたい。

――今後やりたい事のビジョンなどはありますか。

 もっと自分で作曲もしていきたいですし、海外でライブを増やしたいという事もあります。年末の『紅白歌合戦』にも出たいですね。地元の皆さんも応援してくださっているので、出演するだけで恩返しになるかなと。

――ところで、最近気になっていることなどあれば教えてください。

 私、笹川美和さんが大好きで。一昨年アルバム『月下美人』で念願だった楽曲提供をしてもらったんです(「晩秋」「月下美人」)。それもあって、先日笹川さんの15周年ライブにゲストで呼んで頂きました。初めて一緒に歌ったんです。デビュー前から大好きだった人と繋がって、同じステージに立つというのは夢の様な時間でした。ステージの笹川さんを見て、ますます好きになって。最近出した新作もずっと聴いていますよ。

――奄美の歌手同士のコラボレーションなどは?

 意外と奄美のアーティストと共演する事が最近までなかったんですよ。実は、元ちとせさんが同じ中学校の先輩なんです。元さんがメジャーデビューした時(2002年)に、「同じ学校の先輩がデビューしたんだって」と友達と話したのを覚えています。その時代、奄美の人たちは奄美出身である事をなかなか言えなかった。みんな鹿児島とか大阪に出ていくんですけどね。

 でも元さんが活躍されたり、島が注目されていくにつれて、奄美としてのアイデンティティを公言できる世界になってきた。きっかけはやっぱり元さんだったと思います。それで私たちも島を出ていって活動しやすくなりましたから。私もずっとお会いしたいと思っていたんですが、最近共演したりとか、お話したりできるようになって。

 島から第一線に行った方なので、島への想いや島の後輩たちの想いを聞いて改めて素敵な方だなと。私も先輩の背中を追って、自分ならではの形でやっていかないといけません。今またシマ唄から出て来ている人もいますから。

――世代を超えた交流は、今世の中に必要なことでもありますね。

 この間『唄島プロジェクト』(音楽を通して奄美の自然・文化の発信を目指す企画。元ちとせ、中孝介ら奄美のアーティスト15名が参加)が発足して皆集まったんです。ほとんど先輩ですけど、年下の子もいて。島出身というだけで家族、みたいなところがあるんです。1回会ったらみんな家族。すごい画期的な企画だと思います。

 島の人から見ると「同じ島から出た歌手なのに仲悪いのかな?」と思って見ている人もいるらしいんですよ(笑)。本人たちは仲良いんですよ。元さんとかは逆にそれをネタにしていて「仲悪いと思わせておこうよ」という感じ。みんな島の事を考えて活動している方ばかり。そこは受け継いでいかないとなと思います。

――ちなみに客演したいアーティストはいますか?

 うーん、チーフタンズ。アイルランドの音楽が好きでなんですよ。大学の卒論で奄美の音楽とアイルランドの音楽の共通点について書きました。歴史もだし、そこから生まれてきたサウンドも似ているので。沖縄や奄美のアーティストはアイルランドの人と結構やられたりしているんですよね。

 私も惹かれるところがあって、いつか現地の方と一緒に共演してみたいなと思っています。奄美は日本のルーツを色濃く残していますし、アイルランドの音楽がカントリーやロックのルーツになっているから、お互いに共通しているところがあるのかなと。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

 『西郷どん』の音楽に携わらさせていただく事で、愛加那さんの気持ちを描いたわけですが。この曲から島の暮らしとか、島の風景とか、当時の島の女性の気持ちとか、そういうものが伝わっていけば嬉しいです。ライブも今回は5カ所6公演なので、お近くの会場に遊びに来てください。待ってます!

(おわり)

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