ロックバンド・Halo at 四畳半がツーマン・ライブツアー『Halo at 四畳半 東名阪 2man TOUR 2018 ARK“WANDER LIGHTS”TOUR』の東京公演を6月22日、東京のSHIBUYA CLUB QUATTROにておこなった。

 Halo at 四畳半は渡井翔汰(Vocal, Guitar)、齋木孝平(Guitar)、白井將人(Bass)、片山僚(Drums)の4人からなる、千葉県佐倉市出身のバンド。約6年のキャリアの中でリリースしたのは、シングル1枚にミニアルバム3枚と、どちらかというと少ない印象もあるが、2013年にはグッドモーニングアメリカ企画のコンピレーション『あっ、良い音楽ここにあります。その参』に参加、以降様々なライブイベント、ロックフェスなどに出演し、2016年には『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2016』にも出演するなど着実にその実力と人気を伸ばし、現在ロックバンドの中でも要注目のバンドの一つとして話題を呼んでいる。

 またこの日はアンコール時に、秋にメジャーデビューすることが決定した旨を発表、ファンに大きな衝撃と喜びを振りまいており、今後の進路がさらに期待される様相を呈していた。そんな上り調子な様子が垣間見られる彼らのこの日のライブを、今回はレポートする。【取材=桂伸也】

「現実を大きく上回るような感動を」見えない力が観衆を動かす

cinema staff(撮影=オチアイユカ)

 今回の共演者は、先輩バンドとなるcinema staff。Halo at 四畳半がかつて同じ音楽人として憧れをもち、近づいていくことを夢見たというバンドであり、この日はフロントアクトとしてステージに登場。彼らは同じバンドとしてのこれまでの付き合いを振り返りながら、このイベントに呼ばれたことを心から光栄に感じたと語り、その思いをぶつけるように最高のステージを演出し げた。

 そして、いよいよその時間はやってきた。SEと共にステージに現れた4人。「ここはさまよう光の避難所。様々な人間が、それぞれの生活を、それぞれの思いを抱えてここに集まっている。現実を忘れさせたいわけではない、その現実を大きく上回るような感動を、あなたに手渡しに来ました」ギターをつま弾きながら、渡井は観衆に語り掛ける。その思いを溢れさせるかのように、ステージは「リバース・デイ」で幕を開けた。

 片山の奏でるバスドラとフロアタムによるリズムは、何か未開のジャングルを歩いているかのような光景を見せる。しかしそこは、真っ暗で先の見えない不安な場所ではない。キラキラと輝くような光が、齋木のギターで表され、聴くものを明るい方へ導いていく。渡井が歌い上げる詞は、まさしくその光をたどる物語。そんな歌が見えない力となり、強く腕を引っ張っているかのように、観衆は一人、また一人と自身の腕を振り上げ、4人に向けて手のひらを広げてみせる。

 さらに一部にはマーチの雰囲気も感じられる、キャッチーでポップな「カイライ旅団と海辺の街」でさらに聴くものの気持ちを持ち上げ、疾走するビートがその高揚した気持ちをじっとさせない「ステラ・ノヴァ」と、抑え切れない興奮を観衆に与え、猛烈な熱気を会場に充満させていく。

 「これ(このライブ)を目撃してくれているからには、絶対にあなたの心に何かひとつでも、大きな傷跡と思い出を残して帰ろうと思っています!」憧れの先輩バンド、cinema staffが今回快くツーマン・ライブに応じてくれたことへの感謝とともに、この日の意気込みを語った渡井。そしてテクニカルな雰囲気も感じられる「ペイパームーン」に続き、何処までも走り続けるようなリズムに乗せた「劇場都市」、一転して穏やかながら凛とした雰囲気を漂わせる新曲「ヒューズ」、そして「ユーフォリア」へ。「ここに集まった人間の数だけ、夢がある。これは、その夢を守り抜くための曲」そう曲に向けた思いを言葉にする渡井。再び会場の観衆は、強く後押しをするそのサウンドに押され、喜びに溢れた表情でそのリズムに身をゆだねていった。

偉大な先輩への感謝、ファンからの後押しへの感謝

Halo at 四畳半(撮影=オチアイユカ)

 「さっきまで緊張が、他のメンバーから移っちゃって。生まれて始めて『ステージは早く終われ』とか思ってたけど、今はずっとやっていたい!」観衆に向けて語り掛ける白井。彼もまた、かねてからcinema staffを尊敬していた一人であり、この日を迎えるまでの日々を感慨深く振り返る。そんな思いもあってか「into the green」より「春が終わる前に」へと、さらに「箒星について」、「飛行船」とテンポが速くなっていくその雰囲気に従って、鳴り響くサウンドにますますの力強さを加えていく。

 そしてあっという間に迎えたラストナンバー。この日の感謝とともに、見るもの、聴くものへ、心からの叫びをぶつける渡井。その思いをたっぷりと込めた「モールス」で、ステージは終わりの時を迎えた。会場の者たち全員で響かせた高らかなコーラスの中で、さらに叫ぶ渡井の声が、観衆の胸に突き刺さっていく。「神様に選ばれなかろうと、才能がなかろうと、俺たちはあんたを選ぶ!一人ぼっちだなんて言うな!あんたは絶対に一人じゃない!」

 彼らが与えた“現実を上回る感動”に満面の笑みを浮かべる観衆。だが彼らはそれでも再びアンコールをせがむ。そして感謝の思いと共に再びステージに現れる4人。共にツアーを回るcinema staff、ツアーを作り上げてくれるスタッフ一同、そして最も大事なファンへの感謝。その言葉に続け、渡井はバンドのひとつの決断をこのときはじめて明かした。それは、バンドがいよいよメジャーデビューを果たすこと。その声を聞いた瞬間、フロアからは大きな叫びのような歓声が固まりになって上がった。その声に感激を覚えた白井と片山は、思わず自分の顔を抑え、目を赤く腫らす。渡井と齋木は、その光景を満面の笑みで眺め、来たるべき時を実感しているようでもあった。

 アンコールとして披露したのは、疾走するビートも印象的な新曲の「悲しみもいつかは」、続けて観衆とともに歌い上げた「シャロン」。強い思いで後押しされるような歌が印象的なHalo at 四畳半は、多くの人に逆に後押しされ、またひとつ大きな存在へと変わっていく。果たしてその行く末やいかに?また大きな力で、聴くものを光へ導いていくことだけは、ブレないに違いないだろう。

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