テーマは「忘れてゆく過程」

井上唯(撮影=片山拓)

――みなさん、歌詞に描かれる世界観はどう感じていますか?

矢川葵 サクライさんに「これはどういう意味ですか?」と聞いても、「自分なりに考えて」と言われるから、毎回メンバーそれぞれに考えながら歌っています。

コショージメグミ 今回の「elude」に関しては、サクライさんが収録した曲のイメージを事前に伝えてくれたんですけど、そのイメージが、わたしが思っていた世界観と合っていたので、自然に表現できたんじゃないかと思っています。

井上唯 昔は、頑張って歌詞を理解しようと考えていたんですけど、最近は、経験の積み重ねもあって、メロディや仮歌を通してイメージがつかめるようになったなとは思っています。

――4人の中で、意識の共有もしていくのでしょうか?

和田輪 話しあったりはしないですけど、それぞれにパフォーマンスしている姿を見ていると、そんなに大きく解釈が外れてはいないなとは感じます。

――サクライさんは、「レインコートと首の無い鳥」「おかえりさよなら」にどのようなイメージを投影したのでしょうか。

井上唯 今回の作品のテーマが、「人工知能に忘れることを覚えさせ、その忘れていく過程を描く」こと。それを楽曲や衣裳、ジャケット、タイトルなどにも現しています。

――そのイメージを、どう受け止め解釈するかになるわけですよね。

井上唯 そうです。前回のシングル「cotoeri」でも人工知能というテーマは使ってたんですけど。「そことは繋がらない」とサクライさんは言ってて。だから今回は今回で、「人工知能が忘れてく…あーそうなんだ」と思いながら、自分なりに雰囲気をつかんで表現していきました。

――表現する側も、毎回イマジネーションを広げながらなんですね。

井上唯 そこは、聴いてもらう人にもそれぞれにイメージを広げて聞いてもらえたらいいなと思っています。

コショージメグミ わたしは、「この曲をライブでやったらどうなるんだろうな」「ライブでやったときにどういう風に見えるのか、どう感じるのか」と、イメージや考えを巡らせています。

――Maison book girlの世界観は、聴き込むほどに深く意識や体内へ染み込んでいく。そんな感覚があります。

和田輪 正直、最初のとっつきにくさはあると思うんですけど。それを、わたし達の歌やダンスを通し壊していけたらなと。とくに、今回の2曲については、そう思っています。

――メンバー自身も、とっつきにくさは感じますか?

和田輪 サクライさんの仮歌が入る前のピアノメロだけの音源の時点では、どう歌声を乗せるかの解釈が難しいんですけど。そこへ仮歌が乗ると、ちゃんとポップスとして成立する形が見えてくる。それを、わたし達の歌声を通して、もっと明瞭なものにしていく。特に今回の曲たちに関しては、そう感じました。むしろ、それぞれの楽曲をポップに、メロディアスに伝えるのが自分たちの役目だと思っています。

矢川葵 確かに解釈の難しさはあるんですけど。みなさんへ発表するまでにも、メンバー内でレコーディングや振り入れなどを通して理解を深めて、ライブや音源を通したお客さんたちの反応も観ながら変化させていきます。どの楽曲も一緒に育てながら自分たちの曲にしていく。そこに、面白みがあるなぁと思っています。

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