夏はやっぱり海

大原櫻子

――「ツキアカリ」に通じる恋愛ソングとして、「甘えてしまうんだよ」は、ちょっとケンカしちゃった歌詞ですね。

 この曲は、ほぼ歌とギターだけ構成されていて、こういう曲は今までありそうでなかったです。実は、収録されているバージョンは未完成で、この続きがまだあるんです。ライブで完成版を披露する予定でいますので、楽しみにしていてほしいです。

――最初からそういう予定で?

 デモでいただいたのは、この長さだったんです。それで、この曲をぜひ歌わせてほしいと作詞作曲の小林未奈さんにご連絡したら、後日長いバージョンが送られてきて。すごく驚いたし、どっちもいいなと思ったんですね。それで、音源は短いものを収録して、“実は…”みたいな感じで、ライブでフルを披露したらサプライズ感があって面白いんじゃないかと。

――この曲のあとに、いきものがかりの水野良樹さん作詞作曲のシングル「さよなら」がきて。ケンカしてさよならするみたいな流れなのが面白い。

 そうなんです。意識してそうしたわけではないんですけど、結果的にそうなりました。「泣きたいくらい」から「ツキアカリ」につながる曲順も、同じ主人公のストーリーになっているみたいに感じますよね。

――『Enjoy』というアルバムですけど、単にエンジョイしているだけではない主人公像も、ちらほらとうかがえますね。

 そうですね。きれいごとで歌うだけの楽曲よりも、切なかったり壁にぶち当たっていたりとか、すごく人間くさい曲が好きなので。

――また、「夏のおいしいところだけ」も、いきものがかりの水野良樹さんの作曲で、作詞は元チャットモンチーの高橋久美子さん。ちょっと懐かしさのあるポップソングですね。

 可愛らしさがあるけれど、どこかメッセージ性もある曲になりました。主人公が、すごく可愛らしくて女性らしい女性だと思って。言いたいことがなかなか言えない、じれったいようなところがあるので、そんな可愛らしい女性を想像して、自分がなりきって歌いました。あとはフレッシュさを意識しましたね。この曲は、フリーライブをやらせていただいたときに初披露して、とても盛り上がりました。

――大原さん的な夏のおいしいところって言うと?

 やっぱり海だと思います。海に行ってはしゃげるのは、夏だけですから。昨年も友だちと一緒に海に行って、ちょっと泳ぎましたよ。本当は日焼けしちゃダメなんですけど、私って意外とやんちゃな面があるので、「いいや」と思って入っちゃいました(笑)。日焼け止めは、塗りたくりましたけど。

――ロックナンバーもあって、特に「energy」はすごく熱いですね。

 歌うとスッキリする曲です。こういう曲は、今まで歌ったことがなかったので、新鮮でした。ライブではエレキギターを弾きながら歌いたいです。歌詞は小名川さん曰く、大人への反抗精神みたいなものをテーマに書いたとのことです。私のイメージにはない要素かもしれないけれど、毎日いろんなニュースを見て、こういうメッセージを世の中に発信したいとか、世の中に訴えてやるぞ! みたいな気持ちはあるんです。と言って、いつも大人に反抗しているわけではなくて、気持ちの中にこういう部分も持っているということですけど。それに、同世代はこういう気持ちをしっかり持っていないといけないと思うし。

――友情を歌った曲もあって、「Close to you」はピアノが印象的で、切なさも感じさせるバラードですね。

 これは親しい友だちに向けた楽曲です。歌詞に出てくる<折れかけたかかと>は、ポキッと折れてしまった女性のヒールのことを表していて、女友達に向ける気持ちで歌いました。毎日のように「何かいいことないかな」と言っている子がいて、すごくリアルにこの歌詞に当てはまるんです。なので、その子のことを思い浮かべながら歌いました。

――そういう友だちを応援するみたいな。

 そうですね。一緒に歩いていこうと歌っています。

――今の年齢になって、10代のときと友だちの存在は変わりましたか?

 笑顔をくれる友だちが多いです。それに、何か悩みごとを相談し合うというよりも、自然と話したくて話すような存在ですね。10代とは違って、話す内容は前よりはすごく大きくて深いと言うか、大人の内容になったと思います。もちろん些細なことも話しますけど、自然とそう変わったのかなと思います。高校時代からの友だちで、今もしょっちゅう連絡を取り合っている子、おいて、その子がいなかったら、こんなに毎日楽しくエンジョイできていないんじゃないかな。

記事タグ