4人組ロックバンドのTHE ORAL CIGARETTES(略称=オーラル)が13日、東京・新木場STUDIO COASTで現在バンドが実施中のプロジェクト「ReI project」の一環となる対バンツアー「ReI project coupling tour ~Piggybacking Together~」のツアーファイナル公演をおこなった。ツアーは4日の愛知を皮切りに、大阪、東京の東名阪3公演をおこなうというもの。愛知公演にはLiSA、大阪公演には武瑠(ex. SuG)のソロプロジェクトsleepyhead、東京公演にはぼくのりりっくのぼうよみ(略称=ぼくりり)が出演。ファイナルとなった東京ではオーラルはアンコール含め全14曲を披露。そのアンコールでは「ReI」をぼくりりと共演し想いを届けた。【取材=村上順一】

ぼくのりりっくのぼうよみ

ぼくのりりっくのぼうよみ(撮影=AZUSA TAKADA)

 開演時刻になり、ぼくりりがステージに登場。挨拶もそこそこに、天井から降り注ぐライトを浴びながら「sub/objective」でライブの幕は開けた。多彩な楽器を駆使し、アンビエント感のある音楽を紡いでいく。そこに乗るぼくりりの歌は温かく包み込むよう。

 ぼくりりは「今日呼んでくれたTHE ORAL CIGARETTESに心から感謝します」オーラルを意識してバキバキで行きたいと宣言し「Butterfly came to an end」へ。アクセントが付いたリズムは心地よく響き渡る。サビへの爆発力が高揚感を煽る。コンテンポラリーなフレーズの応酬でぼくりりの音楽センスを見せた。「playin′」ではその躍動するリズムに合わせ、オーディエンスもクラップでグルーヴの一端を担い、ライブならではの一体感を味わった。

 MCではデビューまでの経緯を語るぼくりり。「気づいたらメジャーデビューしていた」と、ふんわりとした流れの中でリリースされたデビューアルバムだったが、オーラルのあきらかにあきら(Ba、Cho)にSNSで評価、反応してもらえたこともあり、自身の音楽が届いていることを実感しそれが励みになったという。そのあきらが好きな曲だという「Black Bird」を披露。自身をカラスに例えたというナンバーをピアノとぼくりりでしっとりとしたバラードで扇情させる。

 生まれた意味を自問自答する「在り処」に続いてアグレッシブな「Liar」では、オーディエンスも腕を掲げ盛り上がる。ぼくりりのエナジー漲る熱の入った歌声が響き渡るなか「For the Babel」へ。突き抜けるような歌とバキバキのベースとドラムサウンド、そこに絡むパーカッションと複雑に展開。「超楽しい!モッシュがぼくりりのライブで観れる日が来るなんて…」と感動したことを告げ、ラストは「罠」でエンジョイする姿を存分に放ちステージを終了した。

THE ORAL CIGARETTES

ライブの模様(撮影=AZUSA TAKADA)

 会場が暗転すると、恒例の4本打ちが響き渡り、「今日という日が何かを踏み出す一歩になればいいなと思っています。今日は一緒にヤバい光を見に行きましょう」と山中拓也(Vo、Gt)の言葉から「ReI」でライブの幕は開けた。今のバンドの感情を放つナンバーは序盤からクライマックスのような空気感を作り出していた。

 鈴木重伸(Gt)によるイントロでのキャッチーなギターフレーズが印象的に響いてきた「エイミー」、そして、「音楽というものに一曲一曲向き合えるように」と一気にギアを上げた「5150」では、オーディエンスによるクラウド・サーフィングが楽曲の激しさを表し、それに比例するかのようなシンガロングが新木場STUDIO COASTを包み込んだ。

 そして、躍動するリズムに身を任せ、体を弾ませ盛り上がった「気づけよBaby」、続いて、「かかって来い!」と気合の入った言葉から投下された高速ナンバー「Mr.ファントム」によって、ステージもフロアは早くもボルテージはマックスといった状態。この先のことなど気にしないといった姿勢を感じさせたパフォーマンスだった。

 「ここまで5曲やって、もう(みんなには)信頼感しかない」とオーディエンスに感謝を述べる山中。「どんな声でも、どんな表情でも俺はここに立っている」と投げかけ、妖艶な雰囲気をもった1曲「マナーモード」。山中はギターを置き、ハンドマイクでエナジーを注入。さらに「エンドロール」で感情を揺さぶり掛ける。

 ここで山中からの指名で鈴木がマイクを手に取りMCをおこなった。普段ほとんどMCを取らない鈴木だが、この日は久しぶりにエンジンが掛かったようで異例のトークを披露し会場を沸かせた。MCが終わらなさそうな空気を感じたのか、山中が「次の曲に行こうか」と遮るかのように次の曲「CATCH ME」へ突入。レーザーが縦横無尽に飛び交うなか、<CATCH ME!! >と会場全体が一体感に包まれる。

 「勝ち負けじゃない、逃げるか逃げないか、挑戦するかしないかが人間が変わって行く一番大事なところだと思います。ボロボロになっても戦っていくことをこれからも誓っていきます。あなた達と向かい合って隣り合ってという思いを込めて…」と話し、それを証明するかのように披露されたのは「トナリアウ」。オーディエンスに語りかけるように歌い上げる山中、そして、それを彩るかのように、あきらかにあきら(Ba、Cho)の声が重なり合い、フロアに降り注ぐ。

 「全力で伝えます!」とこの日リリースされたニューアルバム『Kisses and Kills』から色気のあるサウンドスケープを持つ「容姿端麗な嘘」を投下。イントロでのあきらのスラップ奏法がド派手に弾け、リミットを外すかのような全力のパフォーマンスは、オーディエンスに確実に伝染。それはサビでのシンガロングの大きさが物語っていた。

 ラストスパートは美しいヘドバンがフロアに広がった「カンタンナコト」、「狂乱 Hey Kids!!」とキラーチューンを畳み掛け、「いつだって等身大120%でステージに立ちます」この言葉を体現するかのようなステージを展開した「BLACK MEMORY」。中西雅哉(Dr)による会場を震撼させるイントロのドラムが感情を昂らせる。オーラルが放つ鬼気迫る空気感のなか、ステージ前方へ繰り出し、手を伸ばせば触れるほどの近距離で、オーディエンスとコミニュケーションを取るかのように歌う山中。「お前らで良かった!」と感謝を告げ、メンバーはステージを後にした。

 アンコールに応え、先ずは中西がステージに登場。回を重ねるごとにキレが増して行く恒例のショッピングコーナーでオーディエンスを楽しませた。再び3人も登場し、「『ReI project』に終わりはないんです。自分たちがヨボヨボになってもバトンを繋いでいきたい」と語る山中。ラストはぼくりりを招きもう一度「ReI」を全身全霊で届ける。永遠にこのプロジェクトが続いて行くことを確信できたステージだった。

 深く長いお辞儀で感謝を伝えるオーラル。BGMとして流れていた「ReI」に合わせ歌うオーディエンス。この瞬間、より一層気持ちが繋がった空間が生まれた。多幸感に溢れるなか『ReI project coupling tour ~Piggybacking Together~』の幕は閉じた。

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