韓国出身の男性グループのNCTから派生したユニットの一つ、NCT 127。メンバーは、テイル、テヨン、ユウタ、ジェヒョン、ウィンウィン、マーク、ヘチャン、ジャニー、ドヨンの9人。韓国ではすでに高い支持を得ている彼らが5月に日本でもデビューした。その音楽性は5月23日に発売になった日本デビューミニアルバム『Chain』に表れている。そのNCT 127は、4月からショーケース・ツアー『NCT 127 JAPAN Showcase Tour “chain”』を福岡・愛知・大阪で実施。5月19日・20日の豊洲PITを舞台にした東京公演をもって同ツアーを締めくくった。ここでは、5月19日の模様を以下にレポートする。【取材=長澤智典】

悲鳴にも似た熱狂的な歓声を受け、メンバーらがステージへ

NCT 127

 場内を埋めつくした観客たち。翌20日を含め2日間で3公演、しかもどれも大盛況で、彼らの人気が日本でも急上昇しているのみならず、大きな存在に成長することを早くも確信する空気が場内には漂っていた。

 ライブは、メンバーの紹介映像からスタート。一人ひとり映し出されるたびに場内から沸き上がる、声。悲鳴にも似た熱狂的な歓声を受け、メンバーがステージへ。彼らが最初に届けたのが、「TOUCH』」。低音の効いたビートとファンキーな音のフレイバーをまぶしたHIP HOP/SOUL/EDMな音楽に乗せ、しっとりメロウに歌い踊り出したメンバー。満員の観客たちへ向け優しく歌いかけると、フロアー中の人たちが早くも虜になっていた。近くで口説くように語りかけるその甘い誘惑へ、心は早くも火照った微熱状態だ。

 トークコーナーでは、東京のファンたちとは半年ぶりの再会になることから、その間どうしていたのかの質問へ、ユウタが「日本でのデビューミニアルバム『Chain』の制作や、今回のショーケースライブの準備をしていました」と語れば、ジャニーが「みなさん本当に会いたかったです。みなさんと愛を交わしあえることを楽しみにしていました」と挨拶。テヨンの「僕たちは、みんなの彼氏だから、こんな風に触れ合えて嬉しい」という言葉には、フロアー中から熱い悲鳴が起きていた。

 ファンからの質問に「YES」「NO」で回答するコーナーでは、「他のメンバーをうらやましいと思ったことは?」について、ウィンウィンのみ「NO」と回答。その理由が、「みんなもすごく格好いいけど、自分もすごく格好いい」と自身に自信があることを伝えてきた。そんなウィンウィンの言葉に対して、マークが「メンバーみんな相性が良いからね」と前置きしつつ「でも、ウィンウィン兄さんのような自由さがうらやましい」と自由奔放な性格に憧れていることも伝えた。

 「一人旅など単独行動が好きか」の質問では、ドヨンが「一人旅もいいし、全員で行くのもいい」と回答。中には、「生まれ変わったら冒険家になりたい」という声も上がっていた。「毎日欠かさず行うことは?」の質問に、ウィンウィンが「シャワーを浴びる」と答えたところ、それは当たり前とみんなから突っ込まれる場面も。テヨンの「毎日掃除をする。しかも2時間おきに」というマメさには感心する。

 「どうしても苦手な食べ物がある」の質問に対してユウタが答えた「しいたけ」の回答に、フロアーからも納得する声がいくつか上がってきた。その反応を見てユウタが仲間意識を抱いていた。

 「ジェスチャーゲーム」では、9人が横一列に並び、一人ひとりジェスチャーをリレー。3問中2問が不正解。その理由の一つが、いつもテイルがジェスチャーを微妙に変化させてしまうから? それでも、メンバーの豊かなインスピレーションから、正解を導き出したときは、ファンたちも嬉しい驚きを覚えていた。

 メンバーらの刺激的なステージ映像を挟み、初の9人バージョンでの披露となった「Fire Truck」からライブを再開。強烈なHIP HOP/EDMなビートの上で、クールにワイルドに攻めるメンバーたち。野趣あふれる姿が、とても魅力を放っていた。

 続く「0 Mile」へは、華やかで明るい表情を投影。ポップな要素も強い楽曲に乗せハートフルにせまる姿へ、胸がドキッと嬉しくときめいた。とてもカラフルな音の中、メンバーたちと身近な距離で楽しくじゃれ合う。

 1曲ごとに多彩な魅力を放つところがNCT 127の持ち味。「Good Thing」では、ふたたびクールでワイルドなHIP HOP/EDMに乗せ、今度は男の色香を振りまきながらダンディに攻めてきた。ニヒルな中にもエモーショナルさを覚えるところも、彼等の醸しだす魅力? 力強く跳ねる躍動的なステージングもいかしてるじゃない。

 その勢いを増幅するように届けたのが「Cherry Bomb」。低音が効いた演奏の上で、凛々しくラップを中心に攻めるメンバーたち。親しみを持った表情とは裏腹に、雄々しく攻める姿勢が格好いい。一転、サビでのメロウな歌声にも心がキュッと疼いていた。何より、凛々しい男らしさを魅せる9人に、心が惹かれっぱなしだ。

この世界で僕らは一つになる

NCT 127

 MCコーナーでは、「みんなに支えられて嬉しかったです。この日のライブが、みなさんにとっても良い想い出になれたら嬉しいです。また成長した姿になって戻ってきます」と、銘々が感謝の気持ちを述べていた。

 最後は、日本語ナンバー「Limitless」を披露。<この世界で僕らは一つになる>の言葉通り、野性味満載な歌声とステージングでグイグイせまるメンバーらと一緒に、熱狂の中で溶け合う興奮を体感。MCで魅せる優しくて親しみあふれた姿とは異なる、彼らの中に眠る凛々しく男気あふれる様をパワフルなステージングを通し感じることで、ますますNCT 127の持つ魅力へ深くはまっていく。そんな嬉しい高揚を身体中が感じていた。

 飛び交う無数のレーザーの光。アンコールは、日本デビューミニアルバムのタイトル曲にもなった「Chain」を熱唱。とてもアッパーでハッピーなHIP HOP/EDMチューンだ。メンバーたちはダイナミックなパフォーマンスを魅力に、ファンたちを熱狂の渦の中へ巻き込んでいく。ラップを持ち味に激しく攻め続けるメンバーたち。でも、そこへ親しみを強く覚えるのも、彼らが本質的に持つ優しさに触れられたから。サビでは、メロウにソウルフルに歌いかける面も。「今始まる連鎖、繋がる連鎖」。彼らが「Chain」を通し放つメッセージは、これから日本のファンたちとも繋がろうとしてゆく心の連鎖を示している。きっと今回のデビューをきっかけに、NCT 127と「ひとつになれる」人たちが続々と増えていくはずだ。

 NCT 127が呼びかけ、手を伸ばしてきた「連鎖」の握手。その手をがっちりと握り、けっして途切れない鎖で互いを繋ぐ関係にしていく人たち。その関係性を改めて確かめる人たち、繋がり合う喜びを謳歌している人たちなどなど、ここにはNCT 127と「Chain」していくことに無上の喜びに浸る仲間たちがあふれていた。

 NCT 127がこれから日本でどんな大きな飛躍を示してゆくのか、その道筋をぜひ目撃し続けたい。

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