ロックバンドの9mm Parabellum Bulletが5月27日、東京・日比谷野外大音楽堂で、ワンマンライブ『9mm Parabellum Bullet presents“カオスの百年 vol.12”』を開催。同会場で約2年前におこなわれたライブで、滝 善充(Gt)が左手の不調からライブ活動を休養。今回はそのリベンジ的公演。対バンでは滝を除くメンバーで結成されたアコースティック編成の新プロジェクトAC 9mmが登場、様々なアレンジで9mmの曲を披露。この2年での3人の成長を感じさせるステージを見せた。そして、9mmは滝とサポートギターを含む5人での編成ではあったが、何の問題も感じさせない、むしろパワーアップした演奏を披露。アンコールを含め全16曲をパフォーマンス。滝も最初から最後までステージに立ち、アグレッシブなギターソロも見せた。菅原卓郎(Vo.Gt)が「リベンジは軽く超えて、もっといい日にしたい」と話したように高い壁を乗り越え、新たなるステージへと踏み出す彼らの門出のような一夜となった。【取材=松尾模糊】

AC 9mm

9mm Parabellum Bullet presents(撮影=西槇太一)

 2016年の6月に同会場でおこなったワンマンで滝が左手の不調から、『TOUR 2016 “太陽が欲しいだけ”』の追加公演以来彼はライブ活動を休養。2017年はモバイル限定ライブのアンコールのみ出演、12月30日の『rockin'on presents COUNTDOWN JAPAN 17/18』では一夜限りの復活を遂げていた。今回は9mmにとって、そのリベンジ的な意味を持つ公演。開演前から多くのファンが詰めかけていた。

 見事な晴天に恵まれ、日差しでまだ明るいうちにステージに用意された白い電球のような特殊な加工が施されたドラムセットの前に新プロジェクトであるAC 9mmのかみじょうちひろ(Dr)が登場。観客から拍手が起こる中、ドラミングを始めるかみじょう。そこへ、中村和彦(Ba)が登場しリズムに合わせてベースを奏でてグルーヴを生み出していく。

 そして、黒いハットを被った菅原卓郎(Vo.Gt)が登場し、ひと際大きな歓声が会場に響き渡る中で「Answer And Answer」を披露。菅原はアコースティックギターを弾きながら歌唱し、観客は手拍子で応じた。

 菅原は「AC 9mmです。9mmの胸と曲を借りてやっているバンドです(笑)」とAC 9mmについて説明。「かみじょう君が出たら、みんな立つのかな? とスタッフの方と話していて、僕は『かみじょう君出たら、立つっしょ!』と言っていたんですが、皆さん行儀よく座っていて(笑)。今日はゆっくりしてください」と呼びかけた。

 さらに「これ(特殊な加工が施されたドラムセット)、何かと思ったでしょ? これ光るんですよ。気づかなかった?」と未だに沈まない太陽と、ステージに当たる照明のせいで、ドラムセットが緑や赤に点滅していたことに観客が気づいていなかったことを知り、菅原は大爆笑。

 気を取り直して、AC 9mmは「Psychopolis」と「Battle March」を立て続けに披露。情熱的なプレイで観客の目と耳をくぎ付けにした。AC 9mmは他にも中村がアレンジしたというアコギのカッティングが印象的な「ハートに火をつけて」など計8曲を披露し観客を楽しませた。

 菅原は「あとは9mmの人たちが頑張りますから(笑)。今日までの悪いことは全部過ぎ去ったことだから、みんなの力で良い夜にしましょう!」と呼びかけた。

リベンジは軽く超えてもっといい日に

9mm Parabellum Bullet presents(撮影=西槇太一)

 ステージセットの転換が終わると、すっかり日も落ち夜のベールが会場を覆った。そして赤い照明がステージを照らす中、先ほどの3人と滝 善充(Gt)そして、サポートギターのfolcaの為川裕也が登場。会場の観客は総立ちで彼らを迎えた。

 3本のエレキギターから発せられるノイズが響き「The World」で、9mm Parabellum Bulletはステージを開始。滝も冒頭から激しくギターをかき鳴らし、2年前にこの会場での左手の不調を忘れさせるくらい観客を熱狂させた。

 菅原が「行くよー!」と呼びかけ、「Mr.Suicide」を演奏。滝がモニターの上に立ち、お馴染みでもあるギターを掲げるポーズを決めると、観客からは大きな歓声が上がった。そのまま、「Lost!!」へと突入。中村のシャウトが曲を盛り上げる。

 MCでは、菅原が「何て言うんですか? リベンジ? リベンジは軽く超えて、もっといい日にしたいなと俺は思っているんですよ。いろいろ越えてきましたが…今日はみんないい時を過ごしてください。新しい伝説作るか? 行けるか!」と2年分の想いの丈をぶつけ、観客から歓声が上がった。

 滝の奏でるメロディアスなギターリフが気持ちいい「I.C.R.A」から「Vampiregirl」へとステージを展開。シンガロングも起き、会場の一体感を演出した。

 そして為川に代わり、HEREの武田将幸がサポートギターとして登場。菅原は「今日はスペシャルですから。いつも俺たちを助けてくれる2人にやってもらおうと思って」と滝の休養中ツアーなどでサポートを務めている2人について言及。

 この日は、5月28日~9月8日まで期間限定で無料ダウンロード配信される新曲「キャリーオン」も披露。菅原は「俺たちと一緒に進んでくださいという気持ちを込めたんで」と曲への想いを語る。菅原のギターストロークから始まる疾走感溢れる楽曲だ。

 さらに、9mmはこの日の公演に訪れた観客に「キャリーオン」のCD音源が配り、その太っ腹ぶりを見せた。菅原は「滝もこうしてステージにいるし、なんだかんだ言って俺は『もうダメかな』と思う時にこうやってステージで見るみんなの顔を思い出して元気をもらっています。なので、これからも俺たちにもっとやれ、というエネルギーを飛ばして下さい」と呼びかけた。

 そして、かみじょうのドラミングから始まり、菅原と滝がマラカスを振るダンスナンバー「Talking Machine」などで会場のボルテージを上げ、シンガロングで会場を一体にした「新しい光」で本編を終了。

 アンコールではサポートギターの2人を含む6人で再登場。ギター4本という圧倒的音圧で「Black Market Blues」と「Punishment」を披露し、この日のステージを締めくくった。

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