BiSHが所属するプロダクションWACKとavexの共同プロジェクトのEMPiRE(エンパイア)が去る1日、マイナビBLITZ赤坂で、1stワンマンライブ『THE EMPiRE STRiKES START!!』を開催した。メンバーのYUiNA EMPiREが、BiSへの完全移籍が決まっていることから、この日が現行体制では最後のライブ。同時に、新メンバーに加わったMAHO EMPiREとMiKiNA EMPiREの初お披露目の場でもあり、現体制ラストと新体制のスタートが同時に披露されたLIVEとなった。この日の模様を以下にレポートする。【取材=長澤智典】

全く同じセットリスト

EMPiRE(撮影=外林健太)

 やはりEMPiREは、一筋縄ではいかなかった。この日、彼女たちは2つの編成をもって舞台に姿を現した。一つが、「WiTH YUiNA EMPiRE」(以下、WiTH YUiNA)と題した、誕生以来、現在までを支えてきた5人編成によるスタイル。そしてもう一つが、「NEXT EDiTiON」(以下、NEXT)と名付けた、2人の新メンバーを加えた新生EMPiREとしての姿。何より衝撃的だったのが、2つの編成で披露した楽曲たちを並べたセットリストだ。「WiTH YUiNA」も「NEXT」も、まったく同じセットリストだったのだ。

 この日の公演は、2階奥までエージェント(EMPiREファンの総称)たちが詰めかけるほど完全ソールドアウト状態。つまり、会場を埋めつくしたエージェントたち全員が約2時間強の中、同じセットリストのライブを立て続けに体験したことになる。

 メンバーが変わればステージにも変化が出てくるように、同じ曲順と言えど、そこには異なる魅力が描き出されていた。同じ日に、2つの編成を同時に見せることで、その違いをEMPiREは一番わかりやすい形で突きつけてきた。もちろん、エージェントたちも2つの表情を味わっていたが、どちらの表情でも大騒ぎしていた。

この編成での最初で最後のワンマン公演

 「WiTH YUiNA」のステージは暗転から、「NEXT」では幕が開くと同時にメンバーたちが姿を現す形でスタート。冒頭を飾った「EMPiRE is COMiNG」の時点で「WiTH YUiNA」はわちゃわちゃとした可愛い衝撃を与えるステージングで、満員のエージェントたちを熱狂の中へ一気に連れ込んだ。「NEXT」では、メンバーらの力強く躍動的なステージングを通し、最初からエージェントたちを熱狂の渦の中へ巻き込んでいった。

 エージェントたちも、「WiTH YUiNA」のときは、この編成での最初で最後のワンマン公演ということもあり、ライブ姿を新鮮に受け止めていた面もあったが、「NEXT」のときには、メンバー編成が異なるとはいえ、一度、EMPiREのライブを経験している慣れもあったことから、どの楽曲でも、「WiTH YUiNA」のとき以上に熱く立ち向かう傾向が見受けられた。ただし、「NEXT」のライブが始まった時点では、まだ「WiTH YUiNA」と同じセットリストで進行していくことは分からなかったこともあり、改めて楽曲へ新鮮さを覚えながら楽しんでいた面も、序盤にはあったように見受けられた。

 いきなりメンバー全員がお尻をペンペンと叩きながら歌い踊りだしたのが「Buttocks beat! beat!」。楽曲のテンションも一気にアップ。「WiTH YUiNA」がワイルドさとわちゃわちゃした様をミックスしたステージングを描けば、「NEXT」では、舞台左右袖に設置した台の上にメンバー2人が飛び乗ったりと、舞台上を目一杯駆使し観客たちを煽る姿も見せていた。両スタイルともに、可愛い仕種でお尻をペンペン叩きながら歌い騒ぐ様が瞼に熱く焼きつけば、観る側にも嬉しい興奮を覚えさせていた。

 「WiTH YUiNA」の凛々しいステージングに胸が熱くなったのは、「デッドバディ」。「NEXT」でも、気持ちが熱を帯びてどんどんアガっていく高揚感。メンバーらが隊列を組んでパフォーマンスしていく様は、2つの形態ともに印象深く瞼に焼きついた。

これからも6人で大きな帝国を築きたい

EMPiRE(撮影=外林健太)

 「このライブが5人のEMPiREとして最初で最後になります」とMCで語った「WiTH YUiNA」。「これからも6人で大きな帝国を築きたいです」と未来へ向けてメッセージを放った「NEXT」。MCからも、それぞれの立場が見えてきたところが面白さだ。

 「MAD LOVE」では、メンバー一人ひとりが歌うたびに、メンバーへ向けた熱い声が飛び交っていた。雄々しいステージングに心沸き立つ高揚や感情の昂りを覚えた「WiTH YUiNA」。甘い衝撃にも似た身近な熱狂を感じた「NEXT」。パワフルなのに甘えた香りを「NEXT」に覚えたのは、錯覚だったのか?

 きらめくミラーボールの輝きの中へ身を浸すように、ディスコソウルナンバー「Don't tell me why」が届けられた。「WiTH YUiNA」はメロウで親しみやすい歌の中にも攻めな表情を隠し持てば、「NEXT」はダイナミックな動きを見せながら、エージェントたちと一緒に心地良く揺れる風景を描き出していた。両チームとも、会場中の人たちと一緒に大きく手を振り上げ、身体を揺らし歌っていたように、共に横ノリなグルーヴに浸り楽しめるのも魅力だ。

 「TOKYO MOONLiGHT」では、ともに心地良くステップを踏みながら歌い踊る様を見せていた。「WiTH YUiNA」がスタイリッシュさも垣間見せながら心地好い高揚感を沸き立たせれば、「NEXT」では常夏のラテンムードも加えるようにエモーショナルな表情を持ってダンサブルに攻めていたところも、それぞれのライブごとに際立って見えた印象だ。

あの強烈な存在感に強く惹かれるものが

 力強く雄々しいステージングを通し、圧を持ったパフォーマンスを描き出したのが「LiTTLE BOY」だ。胸高ぶる興奮を導きだした「WiTH YUiNA」、ガツガツとしたメンバーらの気合いが伝わってきた「NEXT」のパワフルなステージング。両チームとも可愛さよりも凛々しさを前面に押し出し攻めたように、あの強烈な存在感には、見ていて強く惹かれるものがあった。

 「Black to the dreamlight」でも、ともにダイナミックなライブを展開。熱いグルーヴを場内に作り上げ、沸き立つ気持ちを身体中に駆けめぐらせた「WiTH YUiNA」のステージング。「NEXT」ても、胸にグッと押しせまる熱いパフォーマンスを通し、エージェントたちの魂をしっかり捉えていた。

 一気に速度を上げ、会場中の熱を大きく集約させたのが「コノ世界ノ片隅デ」だ。「WiTH YUiNA」のライブでは、楽曲や歌、パフォーマンスが激しさを増すたび、気持ちも一緒に熱く高ぶっていた。「NEXT」でも、力と熱と光をグイグイ集めるように響く歌やパフォーマンスへ導かれ、魂が熱くなるのを覚えていた。

 希望に満ちた輝きを一気に集約するように響いた「アカルイミライ」。沸き立つ歓声と手拍子が大きなグルーヴを作りだせば、「WiTH YUiNA」のメンバーたちもダイナミックな動きで舞台中に輝きを集約させていた。「その姿についていきたい」と思わせる頼もしい存在感を発揮していたのが「NEXT」。こちらでも、輝く光の中へ一緒に飛び込み、共に未来へ向かって走りたい気持ちへと導いてくれた。

 「WiTH YUiNA」のステージでは、この日を持ってEMPiREから卒業しBiS 2ndへ完全移籍を果たすYUiNA EMPiREがMCを担当。ここまでEMPiREとして全力で駆けてきたぶん、後悔のないように5人のEMPiREやYUiNA EMPiREとして少しでも爪痕を残せられたらと語れば、これからはBiS 2ndの一員としてEMPiREと共に上を目指していきたいと、涙交じり熱く語っていた。「NEXT」では、MiKiNA EMPiREが自分はいびつな存在だからこそ、それを魅力にEMPiREの中で輝き続けると宣言すれば、これまで優等生な人生を送ってきたMAHO EMPiREも、自分の意志で人生を切り開いてゆくことを誓っていた。

 最後にEMPiREは、「FOR EXAMPLE??」を披露。アルバム『THE EMPiRE STRiKES START!!』の冒頭を飾った楽曲を最後に持ってきたところも冴えたセンス。力強いビートの上で、「WiTH YUiNA」が沸き上がる気持ちのままに想いを届ければ、「NEXT」も興奮と高揚沸きだす気持ちを重ね合わせ、エージェントたちの魂を熱く揺さぶるステージングを見せていた。

最初からエンジン全開で走り出したEMPiRE

EMPiRE(撮影=外林健太)

 あえて対比させる形でここまで書いてきたが、「WiTH YUiNA」= YUiNA EMPiREを加えたEMPiREとしてのワンマンライブを観るのは、これが最初で最後になる。ここでは「NEXT」と記した新生EMPiREが、本当の意味でEMPiREとしての歴史を描き続けてゆくことになる。

 これからEMPiREは、6人編成で突き進んでいく。7月からは、新体制6人による初の単独ツアー『EMPiRE NEXT EDiTiON TOUR』がスタート。ファイナルは、9月4日、ふたたびマイナビBLITZ赤坂でおこなうことが決定した。さらに、9月5日には、新体制によるMini Albumの発売も発表になった。最初からエンジン全開で走り出したEMPiRE。でも、彼女たちの歴史は始まって間もないように、これからも、まだまだいろんなことをやからしてくれるに違いない。そこ、期待してようか。

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