私の脳内の全てが入っている、岡部磨知 3年間積み重ねた集大成
INTERVIEW

私の脳内の全てが入っている、岡部磨知 3年間積み重ねた集大成


記者:村上順一

撮影:

掲載:18年04月21日

読了時間:約15分

エレクトーンは小さい頃に凄く憧れた楽器

――キャストがいるんですね。1曲目の「『むげん』へ」はロールプレイングゲームのようなイメージがありました。

 正にそうです。ロールプレイングゲームはファンタジーが広がって、それがどこまで行ってどういう世界観が広がるのかやってみないとわからなくて、現実よりもよっぽど凄い世界観なのかなというのもあって。そういうところが「準備はできましたか?」的な感じで。主人公はもちろん聴いて頂く方達なんですけど。

岡部磨知

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――あえて「むげん」と平仮名にしたのは?

 これは、ファンタジーという意味の“夢幻”と、インフィニティという意味の“無限”の両方の意味を入れたいイメージでそうしました。

――「『むげん』へ」は、ハープからの導入部分が凄いと思いました。あれはどういう気持ちで弾かれたのでしょうか?

 バイオリンのアルバムで、むげんへの誘いという序章、みなさんが想像するバイオリンっぽい感じに聴こえるフレーズを、飽きない尺で入れようと思って入れました。私はハープに憧れがあって、ハープをバックに弾きたいというのがありました。弦楽器に対するひとつの理想の形です。実は最後にあの導入部分を制作しました。

――エレクトーン奏者で編曲も担当されている安達香織さんとの出会いは?

 そんなに長くなくて、まだ出会って1年くらいです。夏に一度、コンサートの本番をやらせて頂く機会があって、そこで凄くいいなと思って「何か一緒に作りたい」と思い、今回どっさりと色んなことをお願いしました。

――エレクトーンという楽器をどう捉えていますか?

 小さい頃に凄く憧れた楽器でした。鍵盤はもともと好きなんですけど、YAMAHAのSTAGEAという、何百種類もの音色が入っているエレクトーンがあって、「これは何でもできちゃう楽器なんじゃないか」と思いました。それもあってSTAGEAと一緒に何かやれないか、というのがきっかけです。

自分の中で譲れないキーがある

――岡部さんも参加されているNanaa Mihgo's(ナナーミゴス)が今回編曲で参加されていますね。(編注=水田直志プロデュースのファイナルファンタジーXI公式音楽ユニット)

 Nanaa Mihgo'sはメンバーの人柄はもちろんですけど、音楽的にも演奏的にも素晴らしくて、参加出来ていることがラッキーだなという感覚でやらせていただいています。水田さんにしかできないオシャレで唯一無二のアレンジのセンスがあります。ダメ元で「私の曲をNanaa Mihgo's風にアレンジできますか?」と尋ねたら快諾してくださって、夢のような作品になりました。

岡部磨知

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――そのNanaa Mihgo'sでやってみたいと思った曲が「トライアンフ」で。

 そうです。Nanaa Mihgo'sのメンバーと、私のオリジナル曲をやりたいと思ったのがこの曲です。Nanaa Mihgo'sとやるんだったら、盛り上がる大勝利曲みたいなゲームのイメージで書こうと思って。ライブでも盛り上がるし世界観もゲームに寄せたいと思ったので、「トライアンフ=勝利」という意味を付けました。

――楽曲制作についてもう少しお聞きしたいのですが、今作で難産だった曲は?

 どれだろうな…。意外とどれも苦労しているというか。私は出てこないときは一切やめちゃうんです。出来る気がするときは、けっこう一日で書き終わっちゃうので。

――通常どのように作曲していくのでしょうか?

 鍵盤で作っています。基本バイオリンは使わないです。このキー(調)で弾きたいけどバイオリンのレンジなどかなり厳しい時もあるので、「このキーでやりたい」というときに、弾けるかどうかは試したりします。

――バイオリンを弾くのに難しいキーは?

 シンプルに黒鍵が多いキーです。どの楽器もそうかもしれませんが、やっぱり♯や♭が6個とかあると弾きにくいというのもあるし、バイオリンは「G・D・A・E」という調弦なので、それらの開放弦の音が組み込まれている調がバイオリンは鳴りやすいというのが大前提であります。♯や♭が多いキーを持っていくと「何でこんなキーにしたの?」と、一緒にやる人に言われたりします(笑)。

 ちなみに「トライアンフ」はBメジャーという♯が5個の曲で作ったんです。そのなかでキーチェンジがあって(笑)。でもそれは譲れなくて、絶対にこの雰囲気のキラキラした感じにしたいと思ってこのキーにしたということはあります。

――弾きにくいけども譲れないと。先ほども仰ってましたが、絶対音感があるがゆえに、キーへのこだわりは強いですね。

 キーによって曲の色味が変わるので、自分の中で譲れないキーはあります。逆に、作るときに気にすることとして、同じようなキーにならないようにしようとか考えます。「そんなに気にならないよ」と言われるんですけど、私は気になっちゃって...。アルバムをカラフルにしたかったんです。

――♯と♭で同じキーになることがありますよね? 例えばF♯とG♭では同じキーだと思いますが、自身の中で違う感覚だったりも?

 違います。なるべく調号上の♯と♭が少ないキーを正解とするように思っていて。♯と♭にそれぞれ置き換えた場合に、少ない方の調をとるようにしています。これは私に限らず、多分みんなそうしていると思います。

――それによって演奏も変わりますよね?

 フィンガリング(運指)が変わるので、音程の取りやすさが全然違います。

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岡部磨知
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