T-BOLAN

▽T-BOLAN(Bye For Now、SHAKE IT)

 昨年6月に再始動したT-BOLANが登場。本間昭光の叙情的なピアノの旋律から、森友嵐士(Vo)の表情豊かなボーカルが紡ぎ出す神秘的な空間。オリジナルとは違うフェイクを多用し、アコースティックバージョンの「Bye For Now」を初めてフルコーラスで聴かせる。一筋の光が月のように頭上に輝くなか、マイクとの距離を調整しながらダイナミズム溢れる歌に、五味孝氏(Gt)のアコギのサウンドがそっと歌に寄り添うように奏でられる。2曲目は95年にリリースされた13枚目のシングル「SHAKE IT」を披露。「Bye For Now」とは180度趣を変え、ビートが効いたロックナンバーを浴びせる。大人の渋さも垣間見せたパフォーマンスで、ロックバンドの真髄を堪能させた。トークコーナーでは印象に残るステージを聞かれ、森友は今はなきライブハウス、日清パワーステーションでのライブが忘れられないと語った。

Ayasa

▽Ayasa(千本の矢)

 容姿端麗なヴァイオリニスト・Ayasaが登場。ライブでは香りにも拘った演出もおこなっているというエピソードから披露されたのは、今年リリースされたミニアルバム『CHRONICLE V』収録の「千本の矢」。大地を揺るがすようなリズムに乗って、艶やかなヴァイオリンの音色を響かせるAyasa。琴線に触れるような感情揺さぶるサウンドに、昇り詰めるようなフレーズ、琴をイメージしたというピチカート奏法など多種多様な表現力で楽曲を紡いでいく。そのドラマチックな展開は高揚感を煽りながらクライマックスへと向かっていく。その凜とした力強いパフォーマンスで魅了した。

尾崎裕哉

▽尾崎裕哉(Glory Days、サムデイ・スマイル)

 「Glory Days」ではファンキーなイントロから一転、ハイハットのみの音で力強く歌い上げる。力強くこぶしを握るとサウンドが一気に加わる。父をほうふつとさせる歌い方。不器用ながらも発せられる歌声は力強い。衣装はシンプルだが飾らずとも歌は華やかだった。終盤は歌と対峙するように体を斜めにして歌う。ストリングスが入り込み、静かなメロディのなかでゆったりと歌う。静と動のコントラストも彼の魅力だ。ベッキー「高音の張り上げた声が魅力的だな」と感想を述べると、周りの反応として「歌うのがけっこう難しいみたいで」というエピソードも紹介。音楽へのこだわりについては「最近スタジオを作っていまして、コブクロの黒田さんに相談して電源のケーブルとか。10センチぐらいの純金で出来たプラチナコーティングが2万円とかする」と語った。間を挟んで「サムデイ・スマイル」を披露。マイクと対峙していた先ほどとは変わり、アコギを持って歌い上げた。

吉澤嘉代子

▽吉澤嘉代子 with ハマ・オカモト(残ってる)

 ゆったりとしたメロディが流れる。そっと手を置くように、静かに歌いはじめる。白いニットのトップスのようにふんわりと純白な歌声を感じさせる。その優しい歌声を、ブランスのサウンドが街のネオンのように照らしていく。その斜め後ろでスーツ姿のハマ・オカモトがベースを弾く。味がある。連呼する<いかないで>。<首筋のキスが逃げていく>独特の歌詞で広げる歌の世界観は色気もあった。その世界はジャズバーのようにアダルティだった。吉澤のライブに参加しているハマ・オカモト。そんな吉澤の今年の目標は「バンド」とか。その理由を「楽屋にいると寂しい」からだという。前回も出演した彼女。改めてこの日のパフォーマンスを振り返り「去年と同じ皆さんとご一緒できたので更に楽しく歌うことができた」と満足気。

NOBU

▽NOBU(スタートライン/いま、太陽に向かって咲く花は)

 その歌の世界観は共感を呼ぶとして話題を集めている彼。アコースティックギターを肩ら下げて歌い出す。両曲ともストリングスがより世界観を際立させる。感情に染み入る真っ直ぐな歌声だ。「スタートライン」は本間がアレンジした。NOBU「本間さんには幼い頃から憧れていて、プロデュースしてもらえて嬉しい。本間さんの笑顔が大好きで」と語った。次ぐ「いま、太陽に向かって咲く花は」は想いれの強い再デビュー曲「いろんなことを乗り越えて。感謝しかない。ここから一歩一歩」と語った。

EINSHTEIN & 言×THEANSWER

▽EINSHTEIN & 言×THEANSWER(To U)

 EINSHTEINと言×THEANSWERによるヒップホップユニット。まずはそのヒップホップで紡いでいく。サビ部でも壮大に広がる。それはまさに雪解けのようだ。出場した「第7回BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」で知り合い、その後ユニットを組みデビュー。言×THE ANSWERは「お互いにないところを補える。僕はこれまでラブソングを歌ったことがなくて、今回はEINSTHEINの土俵でやったという」と語り、異なる個性が重なりあったことで新たな可能性が見出されたようだ。

JUON

▽JUON(“あいしてる”って言えなくて)

 赤色のギターを引き下げて歌う。CMでも流れている名曲だ。サビの<守りたい>という言葉は高音域で爆発的に響く。目の前にどんよりと広がる霞を一気に吹き晴らすようなだ。静かに展開していく楽曲からこそ、そのサビが印象的に広がった。CMのために書き下ろされた楽曲で最初は1分の曲だったそうだ。「今回フルサイズが出来たので、フルサイズを聴いて欲しいと思いました。最初は1分ちょいぐらいだったけど、それがまさかの5分」と語り、1分の曲から生まれた5分超の楽曲をフルコーラスで届けた。

ファンキー加藤

▽ファンキー加藤(冷めた牛丼をほおばって、失恋の詩)

 「今一番自分の想いを届けられる」として歌ったのは、彼を自身を投影させたかのような思い切りの歌詞が印象的な「冷めた牛丼をほおばって」。<何回でもまた一から始めるんだ>と決意表明ともいえるメッセージを熱く歌い上げていく。加藤は「普段はやってこなかったハーモニカを吹いてみたりとか、Aメロの三連拍で畳みかけるような歌とか」と語るなど、今作は挑戦的な楽曲だったという。さらに「花粉症がひどくて、春の時期にレコーディングがあるときは鼻声になる歌詞はあえて変えています」と徹底ぶりを披露した。「失恋の詩」では先ほどまでとは異なりマイク1本で歌い上げた。

Ms.OOJA

▽Ms.OOJA(WITH、さぁ鐘を鳴らせ)

 『PROUD』の収録曲である同曲は、2年間温めてきた、切なくとも芯の強いメッセージを込めたバラード。ピアノそしてストリングスの伴奏のもとでゆったりと歌い出すと、サビ部では彼女の伸びやかなボーカルが歌の世界観を壮大に膨らませた。<届いていますか>という言葉が力強く響く。続く「さぁ鐘を鳴らせ」はドリカムのカバー。JUONのギター伴奏のもとで歌いあげていく。JUONのコーラスも加わり、華やかになる。互いが刺激し合うように二人で声を合わせると熱を帯びていった。この曲を選んだ理由をMs.OOJAは「ドリカムがとにかく大好き。この曲は凄く勇気づけられた曲なので、テレビを見ている皆さんに元気が届くといいなと思って」と語った。Ms.OOJAはこれまでに様々なアーティストとコラボしたことがある。「いろんな方とコラボレーションすることで自分のいろんな引き出しをあけてもらうというか、いろんな発見をしているのが楽しい。委ねるというか。こんな自分がいたんだという発見がある」と語った。また、今回初共演となったJUONは「光栄」と喜ぶと、彼女も「素晴らしいバンドのメンバーとJUONさんと大好きなドリカムの歌を歌える、しかもフルコーラスで歌えるのは最高」と満足の表情をみせた。

AK-69

▽AK-69(Flying B)

 不穏な空気を感じさせるメロディから始まる。両手でマイクを持ち歌う。本間バンドのもとで荒々しくも力強い言葉を畳みかけていく。まさに格闘技のように全身全霊をもって“打撃”を加えていく。最後はリングに膝ま着くように両ひざを地面につけて雄たけびのように歌い上げる。昨年10月開催の武道館ライブが伝説にもなっている。AK-69は「再起をかけた戦いの一つだったので、成功できたのは嬉しかった。(不安は)ありました。皆に反対されたところから始まったので、でもやれると信じて」と語った。

井上美優 with 岡部磨知

▽井上美優 with 岡部磨知(この空の果て)

 テレビ朝日系木曜ミステリー「科捜研の女」主題歌である同曲。同ドラマで主演を務める沢口靖子から「のびやかで美しい」と評価されたその歌声。岡部のバイオリンのもとでそっと届けるように優しく歌い上げる。途中から本間バンドが加わり、夕日に染まるようなライティングのなかでしっとりと。豪華バンド編成のなかでも埋もれることない存在力があった。最後の伸びやかな高音が綺麗に響いた。ベッキーは「素敵でした歌詞の世界観に深みがある」と称賛。これに井上は「どの曲も基本そうですが、音源が届いた時点からこの曲にはどんな世界観、どんな映像が似合うのかなとよく考えて、まだ自分が見たことがない作品を参考しながら、世界観を作ってから詞を書いています」と制作の裏側を明かした。一夫のハマは「特にDメロの鬼のような歌い上げはすごい」と絶賛すると井上は「一番魂を込められるところです」と語った。

氣志團

▽氣志團(幸せにしかしねーから、ジゴロ13)

 2015年にリリースされた「幸せにしかしねーから」は、綾小路翔が友人の結婚式に2日連続出席し、幸せな気分になった中での帰りの新幹線で詞を書き上げた“純粋ラブソング”だ。当時は数十万円から数百万円はするエアロの付いたVIPカーが買えるほどの学ランが話題を呼んだ。学ラン姿で登場して熱く歌い上げる。綾小路翔の額には汗がにじみ出ている。大トリ前のトリで再び登場した氣志團。今度は、ボーカル組は真っ赤なスーツ姿、楽器隊は紫色のスーツ姿で登場。先の「幸せにしかしねーから」のカップリング曲に収録されているナンバーでアゲアゲ、揃った振付も見どころだ。最後は銃弾に沈む…。21年目の氣志團の気迫みなぎるパフォーマンスにベッキーも「圧が凄い」とタジタジ。トークでも綾小路翔節が炸裂。「「2015年ぐらいからテレビ露出が急激に減ったんですよ。この曲(ジゴロ13)を披露するのは今日が初めてでございます。本当に疲労が凄い」とも。「幸せにしかしねーから」に絡み氣志團にとっての幸せは? と聞かれると「こんだけ幸せに…と言っているんですけど信頼されないんですよ、このバンド。21年このバンドやってきて悲しかったことばっかです。でもたまに良いことがあるんですよ」とユーモアを交えて語った。

香西かおり

▽香西かおり(酒暦、流恋草)

 ヒット曲「酒のやど」の作家陣と共に送る王道の“酒演歌”を、ストリングスなど加わった本間バンドのもとで演歌を歌い上げる。演歌の風情を感じさせながらも、演歌では異色ともいえる楽器編成が新たな世界観を見せていく。異なる音楽が見える。番組の大トリを飾るのは、香西の3枚目シングルで、第24回日本有線大賞を受賞し、第42回NHK紅白歌合戦への初出場を決めさせた大ヒット曲。ギターサウンドを軸にしたバックバンドのもとに伸びやかに歌い上げていく。この歌について香西は「この曲で歌謡界に香西かおりという歌を歌う人がいることを知らしてくれた曲なので、大切な1曲です」と語った。前回も大トリを務めた香西。「1年ぶりに楽しませて頂きました」と笑顔だった。

 全ての曲目を終えて、本間は「あっという今でしたね。充実しているということなんですね」。ベッキーは「音楽って楽しくなったり、元気もらえたり、パワーもらえて凄いなと思いました」。ハマは「特にジャンルも幅広かったですからね」と語り総括した。

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