「ウララ」に作る意味があったのかはこれからわかる

——話のなかで、幅広い音楽の知識や経験が溶け込んだ作品だという事がわかってきました。今も新しい音楽はチェックされていますか?

ビッケブランカ

 聴いてますね。車乗りながら昔のバナナラマの曲を聴いたり、Spotifyで今週リリースの新曲を聴いてみたり。目的があって音楽を聴くということはあまりないです。本当に能動的で、自分が聴きたいと思ったものを聴いている感じです。だから運任せみたいなところもあって。

 最近はゆったりした感じの曲が好きです。夏にもシングルを出したいんですけど、今回はアゲアゲの夏みたいのをやめたいなと思っています。バラードという意味ではなくて。リズムはあるんだけど、チルで、かつパワーのある感じというか。世界の音楽はどんどんテンポが遅くなってますし。

 そういう流れを注意して見ているわけではないんですが、自然とそういう曲がプレイリストに入ってくるんですよ。モードが自然と変わってくるので、自分もそれに段々適応していくというか。

——あくまで流行に敏感になるわけではなく、ですか。

 躍起になるとそういう邪念がでますよね。実際にそういう時期もあったんです。3、4年前は「どうやったら人の耳に残るんだろう」とか思って、ヒット曲を研究した事もありました。でもそれがいかに不毛かすぐに思い知りました。「ここで皆に歌わせたいのね。はいはい」としらけさせてしまったら終わりなんですよ。だからいかに自然体でいられるかが大事。

 ヒットのツボを敢えてネタにする立ち位置もあるとは思うんですけど、本質とは違うと思うんですよね。音楽がある意味というところまで立ち返ると、存在しなくて良いものになってしまうというか。本来音楽は人を勇気付け、何かマイナスのものを少しでもプラスに転がすためにあると思うので。どんな創作物でも意味がないといけない。

 でも出来上がった時にはそれが本当に意味のあるものなのか自分ではわからないんですよ。だからツアーをやって、CDが売れて、お客さんが喜んでくれたら「作って良かった」とそこで確信に変わるんですよね。その繰り返しですね。だからこの「ウララ」も自分では良いと思ってますけど、意味があったのかはこれからわかると思います。

——という事は、どちらかというとエンターテイナー思考?

 またそういう事でもないんですよ(笑)。喜んでもらう為にやっているわけでもなくて。自分のすべきことは曲を書く事だと思ってます。それをやった上で、それが生まれるべきだったのかどうなのかを検証して、答えを知る場がライブだという事です。確かに、楽しんでもらえれば僕は嬉しいですけど、そのためにやっている訳ではないという事です。手紙で例えれば、返事を貰いたいわけではなく、書いたものの返事が欲しいという状態ですかね。

——俳優業もやられているそうなので、人を楽しませるのが好きなのかと。

 本当に、お話を頂けたから全力でやるというだけなんです。そこで真剣取り組めば、また新しい事が待っているんだろうと考えていて。基本的に器用な方なので何でもやってみたいです。もしかしたら、自分でも気づかなかった才能を見つけられるかもしれませんし。

 実際に演技をしてみると責任感を感じました。自分のステージなら、失敗しても後でフォローできるんです。笑ってごましたりとかもできますし(笑)。でも舞台は監督もいて原作もあるものですから、間違える事は何よりも駄目な事。そのプレッシャーはありました。1回も間違えなかったですけどね。映像を観たら、ぼちぼち出来ているかなという感じでした。とりあえず波風は立ててない(笑)。存在を残せてはいたと思いますけどね。

——音楽的な経験が活かされたりは?

 また別のものでしたね。そう上手く繋がらなかったです。MVは小芝居みたいなものですから、あれは上手にやりすぎても不自然なんですよ。あそこで完璧な演技をされるとしらけるというか、上手に演技している人が良い曲を作れるとは思えないと勝手に感じていて(笑)。

 やっぱり無骨で不器用なところがあるものだから、MVの為に練習をしたりはしないですね。だからナチュラルが一番です。投げやりな出たとこ勝負というよりも、自分の持ち味が出たとこ勝負という事かもしれません。

——6月からツアーも始まります。

 先ほども話しましたけど、シングルを聴いてもらった上で、沢山の人に返事を貰える事でこのリリースの一連の流れが終わるかなというところです。どんなライブになるかはまだ決まっていませんが、思いついたものを重ねていけば面白い物ができると思うので。楽しみにしていてください。

(おわり)

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