主演に女優の文音を迎えた映画『ばぁちゃんロード』が、4月14日に全国公開される。2018年3月には高島礼子との共演となった映画『おみおくり』にも出演と、話題作への出演が続いている文音だが、今回はベテラン女優の草笛光子との共演や、“結婚”を一つのキーワードとしたストーリーなど、撮影に向けての大きなチャレンジもうかがえる。今回は文音自身の、音楽に対する思いなどを含めて、映画のストーリーに対する印象や、自身が撮影に向けて試みたアプローチなどをたずねてみた。【取材=桂 伸也/撮影=ヨコマキミヨ】

はじめに

 『ばぁちゃんロード』は、幼い頃からばぁちゃん子で祖母を心から慕う女性と、足に怪我を負い施設に暮らすようになってから、すっかり元気がなくなってしまった祖母の2人が、結婚式のバージンロードを共に歩くという目標に向かう中で、かつての愛情と生きる目標を取り戻していく様を描いた物語。『はつ恋』『地下鉄(メトロ)に乗って』『起終点駅 ターミナル』『花戦さ』などを手がけた篠原哲雄監督がメガホンをとっている。

 キャストには主人公・夏海役を文音、祖母・キヨ役を草笛が担当。さらに夏海の婚約者・大和役を三浦貴大、他にも鶴見辰吾、桜田通ら実力派キャストが出揃う。また主題歌には、大貫妙子が歌う北原白秋作詞/山田耕作作曲の唱歌「この道」が使用されている。

 文音は2008年公開の映画『三本木農業高校、馬術部』で主役を務め女優デビュー。第33回報知映画賞新人賞、第32回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。また、2012年に単身渡米、得意の語学力を活かしニューヨークフィルムアカデミースクール(acting for film)に入学し、2年間の演劇留学を経て2014年卒業。

 2014年に帰国後は、TBSドラマ『SAKURA~事件を聞く女』で日本での女優業を再開。2016年の映画『八重子のハミング』や『イタズラなKiss THE MOVIE』シリーズ、2018年公開の『おみおくり』など、話題作への出演が続いている。その一方で2014年からラジオ番組『A day in the life』(bayfm78)でパーソナリティを務めている。父はシンガーソングライター・俳優の長渕剛、母は元女優、フラワーアクティビストの志穂美悦子。

草笛と共に、祖母とのひと時を追体験したような撮影

文音

文音(撮影=ヨコマキミヨ)

――文音さんには、おばあちゃんという存在はおられますか?

 おばあちゃんは、私がまだ若い頃に亡くなりました。

――そうでしたか、それは残念でしたね…。

 私はすごくおばあちゃんっ子だったんですけど、高校生1年くらいの頃はおじいちゃんもおばあちゃんもいなくて。その頃って、そんな存在が一番いて欲しい時期ですよね。思春期なんかには、たぶん家族の中で一番甘えられるのが、おばあちゃんかおじいちゃんだし。今思うと、その時期にいて欲しかったなという気持ちも、正直にはあります。でもいなかったからこそというか、草笛さんはすごくプライベートでも仲が良くて。

――草笛さんとは、もともと仲良くお付き合いされていたとおうかがいしました。

 3年ほど前に、仲間由紀恵さん主演のドラマ『SAKURA~事件を聞く女~』(TBS系)で共演してから、すごくウマがあったというか。草笛さんはそこでもおばあちゃん役を務められていまして(笑)。また、草笛さんはよくニューヨークに行かれることがあって、私も2年間ほどニューヨークに演劇留学していたことがあったんですけど、向こうでお会いして話が盛り上がったこともありました。そんなこともあり、草笛さんのご自宅にお招きいただいたり、一緒にトレーニングをさせていただいたりしたことも。

――トレーニングというと、運動ですよね?

 そう、今でも加圧トレーニングとかされているんですよ! 84歳で。すごく元気で。

――本当ですか? それはすごい…。

 横浜出身なんですけど、横浜にゆかりのあるホテルに連れて行っていただいて、イタリアンをご馳走していただいたこともありました。そのときに戦争中の話とか、ご自身が歩んこられたミュージカルの話だったり、そういうことをいっぱい話していただいて。だから本当のおばあちゃんじゃないけど…。

文音(撮影=ヨコマキミヨ)

――お付き合いの中で、おばあちゃんとのひと時を追体験しているみたいな…?

 そうなんです。だからそれが今回は自然とスクリーンの中で、そんな関係を出せたような気がします。「たぶん、おばあちゃんが生きていたら、こういう風に私も甘えたんだろうな」とか、正直そんなことも考えたりしましたね。

――ではその意味では、“おばあちゃんと孫”という今回の役柄では、それほど難しい役作りはなかった、ナチュラルな感じだったと?

 いや本当に。今回は草笛さんもおっしゃっていたんですけど、「私たちはこの関係性があるから、ドキュメンタリみたいな形で行きましょう」と。2人のシーンは、アドリブのところもいっぱいありましたが、だからこそ本当にドキュメンタリみたいな感じで撮っていただいた印象もすごくあります。

――先日、やはり文音さんが出演された映画『おみおくり』の舞台挨拶でも、主演の高島(礼子)さんに「大好きになりました」とおっしゃっていましたが、今回は草笛さんと、かなり先輩への憧れが感じられますね。

 『おみおくり』も『ばぁちゃんロード』も、すごく縁のある人とすごく共演させていただいて。実は、草笛さんも高島さんも、2010年にドラマで共演した方だったんです。先程も話しましたが、『SAKURA~事件を聞く女~』という作品で、お2人と共演させていただいて。そこからの関係なんです。だからすごく縁があるなと思っていました。

――では文音さんも、今から20年、30年過ぎると上司役、さらに20年過ぎるとおばあちゃん役と(笑)。

 そうかもしれないですね。高島さんに関しては、生き様がカッコいいので。“女が惚れる女”なんだと思いますね。

――なるほど、一方で先日の舞台挨拶では、高島さんや監督より、ちょっとおっちょこちょいでドジ、みたいな感じでイジられていましたが、逆に嬉しいと?(笑)

 いや私はもう全然大丈夫です! 全然イジってもらっていいので(笑)

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