シンガーソングライターの三浦祐太朗が3月30日に、東京・Zepp DiverCity Tokyoで東名阪ワンマンツアー『I’m HOME TOUR 2018』のファイナル公演をおこなった。ツアーは2017年7月にリリースされた山口百恵の名曲をカバーしたアルバム『I’m HOME』を引っさげて、2018年3月20日の名古屋を皮切りに東名阪を回るというもの。名曲「いい日旅立ち」やバンド時代の楽曲「イトシセツナナミダ」などアンコール含め全19曲を披露し、4月18日にこの日披露された「ハタラクワタシヘ」の配信が決定したことも報告。三浦は「家族になってくれてありがとう!」と観客に感謝を告げ、凛とした伸びやかな歌声をZepp DiverCityに美しく響かせた。【取材=村上順一】
 

“おかえりなさい”…

ライブの模様

 開演時刻になり会場は暗転。ブルーのライトでステージが包まれるなか、バンドメンバーがステージに。そして、サーチライトのように動きのある照明のなか、三浦がゆっくりとステージに登場した。カウントから始まったのは山口百恵の「さよならの向う側」でライブは幕を開けた。ゆったりとしたリズムの中で、マイクスタンドを使用し、歌詞に寄り添うように丁寧に、そして、熱く歌い上げる三浦。ファンキーなギターカッティング、両手を広げ「ようこそ!東京」と声を張り上げ始まったのは1stミニアルバム『AND YOU
』に収録されている「サナギ」。観客も立ち上がり、そのリズムにクラップや腕を回したりで盛り上がる。

 MCでは三浦は第一声になんと言おうか悩んでいたという。「僕が“ただいま”という感じではないと思いました。Zepp DiverCityが家で、ここにいるみんなが僕の家族。ここにみんなが帰ってきたという感覚でお届けしたいので、最初に言わせてください。“おかえりなさい”…」とタイトルにちなんだ言葉で観客を迎えいれ、そして、アコギを手に取り山口百恵の「夢先案内人」を届ける。ステージから眩い光が放たれ、三浦の伸びやかな歌声が心地良く体に響き渡ってきた。

 夕焼けをイメージさせるライトが楽曲の持つ景色をより鮮明にさせた「WITH」からノスタルジックな気持ちにさせてくれた「月になって」を披露。ステージ上には月を連想させるような8つのライトが灯り、楽曲の世界観を押し上げる。そして、三浦の歌声は月明かりの様に優しく我々を照らしてくれるよう。

 続いては4月18日に配信が決定した“自分にお疲れ様”と言ってあげられる楽曲「ハタラクワタシヘ」を披露。実弟である三浦貴大との兄弟共演が叶ったメモリアルな一曲で、アコギとレイドバックしたエレピのサウンドに、温もりのある三浦の声のコントラストが絶妙に響くナンバー。そして、日本を代表する名曲のひとつ山口百恵の「いい日旅立ち」では、情景を映し出す歌声で観客を魅了していく。

 続いて、椅子に座り、アコースティックコーナーへ。まずは三浦と石川恭平(Gt)のアコースティックギター2人でのステージ。和やかな雰囲気のなか、石川との出会いを語る三浦。そして、意外にも“永遠”という言葉が好きではなかったことを明かした。時が経った今では“永遠”に対しての価値観が変わったと話し、曲を書いた時とはどんどん意味合いが変わってきたという「永遠の細胞」をしっとりと披露。石川と向き合いながら歌う三浦の姿が印象的であった。

 続いて鎌田雅人(Key)と宮永治郎(Gt)を加え4人での演奏。その宮永がアレンジを務めたアルバム『I’m HOME』の制作秘話で盛り上がり、さだまさしが作曲した山口百恵の「秋桜」を届ける。さだまさし特有の切なく儚いメロディが会場を包み込み、三浦の歌に抱かれるような感覚を帯びるなか、フルバンドで「Blossom」へ。ピアノのアルペジオに導かれるように物語は始まりを告げる。三浦もドラマチックに表現力を駆使した歌で魅力した。

 劇的なナンバーに続き、「凍てつく太陽」では、マイクスタンドを撫でるように指を這わせるセクシーさを魅せ、「歌手である前に人でありたい…」とシリアスな語りからロックなサウンドをぶつけた「曼珠沙華」へと紡ぐ。その音を浴びるかのように静かに聴き入る観客。楽曲の持つ強さを表すかのようなダイナミックなサウンドに触発され、三浦の歌も熱を帯び感情を解き放つ。

家族になってくれてありがとう

三浦祐太朗

 ここから、アッパーチューンを立て続けに披露。「モヤモヤを全部俺にぶつけてよ!」とストレスを発散させて笑顔で帰ってもらいたいと山口百恵の「プレイバック part2」、そして、中川 量(Ba)、波田野哲也(Dr)のリズム隊のグルーヴも格別だった「イミテイション・ゴールド」に突入。オリジナルとはまた一味違ったアレンジ、男性ならではのセクシーな歌声で、名曲の魅力を十二分に表現。

 続いて、観客もクラップで参加しサビでは回転するタオルで埋め尽くされた2ndアルバム『DAISY CHAIN
』に収録の「Loving You」へ。三浦もハンドマイクでステージを右、左と移動し観客を盛り上がていく。後半の〈君に届け〉のロングトーンは圧巻。その歌声は「グライダー」となり空へと昇っていく。体を弾ませるリズムで爽快な空間を作り上げ、最後は会場全員でジャンプで締めた。

 「いろんな年代の方達がいるライブなんだけど、一体感を凄く感じます。ライブというのは自分達はもちろんだけど、良いライブに大事なのはお客さんなんです。皆さんと思いをぶつけ合って、キャッチボールではなくドッジボールだと思っています。今回ドッジボールが出来て嬉しかったです」と満足そうな表情を浮かべ、「同じ歩幅で歩いてくれてありがとう!」と感謝を込めたナンバー「THE WALK」を届ける。「照らしてくれるみんながいるから、この先も歩き続けることが出来る」と希望に満ちた空間のなか本編を終了した。

 アンコールに応え再びステージにバンドメンバーと共に三浦が登場。早速、石川のガットギターによるスパニッシュなフレーズから「謝肉祭」を届けた。情熱的なナンバーは会場の熱気を更に上げていく。妖艶な雰囲気も醸し出しながら三浦の多面性を見せた。「家族になってくれてありがとう」と感謝を告げる三浦。さらに「出口は入り口、ここからがスタート」だと述べ、「またいつか会える日を楽しみにしています」とラストは三浦がソロに転向する前に活動していたバンド、Peaky SALT(ピーキーソルト)のデビュー曲「イトシセツナナミダ」を演奏。凛とした歌声は“家族”ともいえるこの場所にいる人たちへと響き、「また、絶対会いましょう。皆んなの顔覚えたからね」と約束を交わし『I’m HOME TOUR 2018』の幕は閉じた。

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