大阪で結成された“エレクトロダンスロック”を提唱する6人組バンド・FABLED NUMBER(フェイブルドナンバー)が3月20日に、全国ツアー『2nd album”THUNDER”release tour 2017-2018』のファイナル公演をおこなった。ツアーは2017年11月にリリースされた2ndアルバム『THUNDER』を引っさげて、対バン形式とワンマン公演を織り交ぜながら12月の兵庫・神戸太陽と虎を皮切りに全国8カ所を廻るというもの。この日はワンマン公演でアンコール含め全24曲を熱演。さらに6月にメジャー1stシングルとなる「I Bet My Life(or Death)」のリリースも発表した。【取材=村上順一】

N'Taichiの弦が切れるハプニングも

(撮影=NAOTO SONODA)

 フクロウのシンボルが描かれたバックドロップが存在感を放つなか、開演を待ちわびるオーディエンスたち。オンタイムで会場は暗転し、SEが鳴り響くなかメンバーがステージに登場。N’Taichiが「東京始めるぞ!」と煽り「The Lights」で幕を開けた。希望にも繋がる一筋の閃光を放つような歌とサウンドを叩きつけ、オーディエンスもバンドから生まれる、その生命力溢れるサウンドに応えるかのようにヒートアップ。

 Ikki-Rodriguez[Samp/Prog]もステージ前方に飛び出して、オーディエンスを盛り上げた「The night lets us dance,dance,dance」。ここでN'Taichiの弦が切れるハプニング。ベースの4弦が早くも悲鳴をあげるほどの熱量の高い演奏で、ライブならではのハプニングも共有し、ステージとフロアの一体感は増していくなか、昨年リリースしたアルバム『THUNDER』から「ザ・クロスレインボー」を浴びせ、さらに体を弾ませたくなる躍動感に満ちた「夜の鼓動」と、オーディエンスの掛け声も加わり、一丸となって序盤から最高の空間を作り上げていく。

 N'Eita[Gt/Vo]は「心からありがとう!」と感謝を告げ、全身全霊で最高のライブをしますと、「AAO」を投下。ビートに合わせ手を左右に振り上げるシンクロした美しい光景が広がる。「Good-Bye」で、メロディをしっかりと伝えるように歌いあげるN'Eita。ノリだけじゃないところも提示しながら、エレクトロダンスロックならではの音圧感で高揚感を与えてくれる。

 会場に心臓の鼓動にも似た低音がけたたましく鳴り響き、赤いライトがステージを覆い不安を煽るなか、N'Eita、Chii,pucchi[Key]、Ikki-Rodriguezの3人で「Ride the Sound」を届ける。生のサウンドとは一味違った打ち込みによるトラックのグルーヴ。N'Eitaは手でも言葉を表現し、声とアクションでより鮮明にメッセージを届けていく。

 「最高の声が聞こえてきた」と、再び3人がステージに合流し、ジャスティン・ビーバーの「One time」をFABLED NUMBERのサウンドに仕立て、ドラマチックな展開とサウンドで会場を扇情させていく。そして、スピーディーな「Encounter」と繋げていくセットリストの流れも秀逸。嫌が応にも体は反応しリズムを刻んでしまう。

一歩一歩、歩いて行きたい

(撮影=NAOTO SONODA)

 ここで6月20日にニューシングル「I Bet My Life(or Death)」のリリースと、このライブも付属のDVDに収録されることを発表。歓喜の声が聞こえてくるなか、「限界を超えて最後までぶっ飛ばして行くぞ!」と「Don’t let me go」を披露。明日のことなど考えない、なりふり構わぬパフォーマンスは、常にクライマックスのようなテンション感。飛び道具のように降り注ぐMako-Albert[Gt]のギターサウンドはスペーシーな空間を作り出す。

 フロアでは真ん中をサークル状に空け、楽曲がスタートすると同時にモッシュをはじめるオーディエンス。代官山の底力を見せろと闘争本能を掻き立てるコーラスに、オーディエンスもクラウドサーフィングで楽しんだ「YES」。そして、「拳をあげろ!」と「I Don't Wanna Write This Story」、クラップとコール&レスポンスで一体感を高めてから「Push me」と畳み掛けていき、サビでは大きなグルーヴ感で感情を刺激する。

 Mako-Albertのディレイサウンドが印象的に始まったのは「World Joke」。そして、歌詞がエモーショナルに響いた「Two」では、ボルテージは最高潮まで高まっていく。「気持ち込めていくぞ」と「Sorry I beyond the seane」とハードながらもエモーショナルなナンバーをドロップ。N'Eitaの魂の叫びのような声は張り裂けそうな思いを切に伝え、感情を揺さぶりかけてくる。

 Mr,Donuld Betch[Dr]によるドラムのキックが体を震わせるなか、「トワイライトシティ」へ突入しライブは佳境に入っていく。N'Taichiもベースをハードに響かせながら、ネックを左右に振りエキサイトした感情をアクションでも見せつける。天井から舞い降りるライトを浴び、N'Eitaは歪んだギターを弾きながら、想いをぶつける化のようなハスキーな歌声は独特なプレッシャーをステージから放っていた。それを受け止めるかのように静かに佇むオーディエンスの姿がそこにはあった。

 「ただ一度の人生前向いてやれるだけやってやろう」と、今感じている想いをぶちまけたMCから「世界は君に鳴り響く」そして、この日のライブの全てはこの一曲に集約されていた、と言っても過言ではない熱量を見せた「Like a Thunder」。現時点でのバンドの本質を存分に体感出来るナンバーだ。無敵とすら思わせてくれる時間を味わせながら、本編を終了した。

 「一歩一歩、歩いて行きたいと思います」と決意を述べ、「Even if the world is over」を響かせた。込み上げてくるエナジーによって、新しい扉を開くように進化の一歩をみせ、最後はのし上がっていく想いが強く打ちでた「The King」を、全身全霊でパフォーマンス。終始ハイテンションのまま、「俺たちが大阪のFABLED NUMBERや!よく覚えとけ」と約2時間を駆け抜け、全8本のツアーの幕を閉じた。

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