気温が上昇した都内では桜が一気に花を広げたその日の夜、約30年続いたフジテレビのバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』(前身=とんねるずのみなさんのおかげです)がその歴史に幕を下ろした。とんねるずの2人は、1991年のヒット曲「情けねえ」を熱唱。最後は「バーイ、センキュー」と締めくくった。

 最終回は、番組を彩ってきた数々の楽曲が懐かしい映像とともに流された。矢島工務店や野猿など、番組が生んだ人気ユニットの映像が流れ、第1回ゲストだった歌手の松田聖子や、野猿のメンバー9人がゲスト出演した。そして、とんねるずがヒットナンバー「情けねえ」の歌詞を一部替えて歌った。

 前身の『とんねるずのみなさんのおかげです』では、番組の後半にゲストによる歌唱があった。番組から生まれたユニットも含めて、音楽が隣にあった。「でした」以降はコントや企画ものが中心となったが、「矢島美容室」なども誕生しており、その息を感じさせた。

 そして、迎えた最終回。その原点が感じさせる構成から、とんねるずが“お笑いコンビ”でありながら“音楽ユニット”でもある唯一無二の存在であることを改めて感じた。

 NHK紅白歌合戦には、とんねるず(情けねえ)をはじめ、木梨が山本譲二と組んだ演歌デュオ・憲三郎&ジョージ山本(浪漫-ROMAN-)、そして野猿(Be cool!/Chicken guys)の4回出場を果たし、FNS歌謡祭では矢島美容室が異彩を放った。

 楽曲では、最終回に披露した「情けねえ」。そして、その曲と並ぶ代表曲の「一番偉い人へ」は、いずれも秋元康氏(歌詞)・後藤次利氏(作曲)の黄金コンビが手掛けた楽曲で、社会風刺の要素が含まれている。音楽的な演出、そして「情けねえ」で飾った最終回は、とんねるずがこの時代に送ったメッセージにも受け取れた。

 そして、その「情けねえ」。最終回では歌詞の一部を替えて歌った。1番の<この国を~ 滅ぼすなよ~>を、石橋が<バラエティーを~>と替え、木梨が<滅ぼすなよ~>と受ける。さらに、2番では<この国を~ おちょくるなよ~>のところを、木梨が<フジテレビを~>と替え、石橋は<おちょくるなよ~>と力強い表情で受けた。

 ここからもフジテレビ愛、番組愛が感じられたが、本質は、さびの<情けねえ 自由が泣いている>のような気がする。